シクロヘキサン
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シクロヘキサン | |
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IUPAC名 | シクロヘキサン |
分子式 | C6H12 |
分子量 | 84.16 g/mol |
CAS登録番号 | [110-82-7] |
形状 | 無色透明の液体 |
密度と相 | 0.8 g/cm3, 液体 |
相対蒸気密度 | 2.9(空気 = 1) |
融点 | 7 °C |
沸点 | 81 °C |
SMILES | C1CCCCC1 |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
シクロヘキサン (cyclohexane) はシクロアルカンの一種の有機化合物である。
ベンゼンの水素付加によって作られる。常温常圧で無色の液体で、揮発性がある。極性溶媒には溶けにくいが、有機溶媒に可溶。
目次 |
[編集] シクロヘキサン環
いす型とふね型、エンベロープ型、ツイスト型の4種類の立体配座があるが、いす型(画像を参照)が最も安定して存在する。ただし、置換されたシクロヘキサンの場合、置換基の大きさによっては他の配座の方が安定になることもある。
(1)いす型、(2)エンベロープ型、(3),(5)ツイスト型(ねじれふね型)、(4)ふね型
[編集] 性質
可燃性で、麻酔作用を持つので取り扱いには注意が必要。シクロヘキサン自体の用途は主として有機溶媒で、接着剤などに含まれている。
[編集] 製法・利用
シクロヘキサンの大部分はベンゼンをニッケルあるいはパラジウム触媒を用いて接触水素添加(水素化)することで工業的に生産される。また、石油改質の過程で生成するメチルシクロペンタンは触媒を用いてシクロヘキサンに転化し利用される。
工業的に生産されるシクロヘキサンはシクロヘキサノンやシクロヘキサノールに転化され、最終的にはε-カプロラクタム、アジピン酸、1,6-ジアミノヘキサンとなり、6-ナイロン、6,6-ナイロンの原料として利用される。
シクロヘキサンの2005年度日本国内生産量は721,993t、工業消費量は105,538tである。また、防毒マスクの吸収缶の試験用ガスとしても、利用される事もある。
[編集] アキシアル・エカトリアル(エクアトリアル)
シクロヘキサンあるいはシクロヘキサン型構造を持つ環状化合物のいす型立体配座は置換基は環平面と平行方向の置換基と垂直方向の置換基とに分類される。前者をエカトリアル(エクアトリアル、equatorial; シクロヘキサン構造式で青線で示す)、後者をアキシアル(axial; シクロヘキサン構造式で赤線で示す)と呼ばれる。
エカトリアルには「赤道方向の」という意味があり、アキシアルには「極、軸位」意味の単語である。
環を形成する各結合軸で自由回転することでシクロヘキサンの2つのいす型立体配座はふね型立体配座を経由して互いに入れ替わる。この立体配座の入れ替わりにより、アキシアルはエカトリアルに、エカトリアルはアキシアルに向きを変える。一方エカトリアルに比べてアキシアルは置換同士の距離が接近している為、嵩高い置換基の場合は立体配座に影響を与え、アキシアルを避けて置換基がエカトリアル型をとる立体配座が優位になることが知られている。
[編集] 安全性
皮膚などに、長期間触れ続けた場合は、皮膚炎などの病気を引き起こす可能性がある。さらに、吸引などした場合は、低濃度の場合は、頭痛などを引き起こす。高濃度の場合は、意識喪失に陥る。また、低濃度だと、臭いがほぼ無いので注意しなければならない。
C5: シクロペンタン |
シクロアルカン | C7: シクロヘプタン |