サービスカット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サービスカットは、映画やテレビ、あるいは漫画などの映像作品において、その作品の本筋とはあまり関係なく挿入されるファンサービスのためのカットを呼ぶ業界用語。
古くより演劇などでも同様の目的のシーンが挿入されることがあり、起源は不明である。しかしながら、比較的一般的な手法として映画・テレビなどでは常用されている。しばしば見かけるものにお色気シーンがあるが、それ以外にも主演アイドルタレントのクローズアップやプロモーション・フィルム的なシーンなども「サービスカット」と呼ばれる。事例として有名なものに以下のようなものがある。
- 『七年目の浮気』(映画)
- マリリン・モンローのスカートが地下鉄の通風口の上でめくれるというシーンがある。このケースでは、撮影現場でも多くの野次馬を集めたと伝えられており、単に映画中のサービスカットなだけではなく話題づくりにも使われた。
- 『エイリアン』(映画シリーズ)
- たとえば1作目で、主演のシガニー・ウィーバーが宇宙服に着替えるために下着になるシーン。
- 『水戸黄門』(テレビドラマ)
- 『時をかける少女』(1983年の映画)
- エンディングに、本編のロケを活用して撮影された、主演の原田知世が主題歌を歌うシークエンスがつけられている。
他にも、たとえば『オン・ザ・ロード』で脈絡なく秋川リサの売春シーンが挿入された部分、『ラ・マンチャの男』(映画)でアルドンサ/ドルシネア姫を演じたソフィア・ローレンの服が剥ぎ取られそうになるシーンなど、事例は多い。
これらは、本編の魅力以外にもそういったサービスカットによる魅力を付け加えることで、より興行性を高めようという目的のために行われるものである。ただし、あまりにサービスカットが氾濫すると、作品そのものの評価を引き下げることもある。
派生して、たとえばスターによるアイドル水泳大会などでの水着がずれたシーンなどのことを「サービスカット」と呼ぶことがある。それ専用のタレントが呼ばれているともいわれる。
漫画においては、ヒロインの入浴シーンなどが挿入された場合などをこういうことがある。作者が自らそう言う場合もままある。たとえば和田慎二はその作品超少女明日香シリーズで、毎回必ず一度はヒロインのヌードを出すことを公言し、これをそう呼んでいた。