ケートゥ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケートゥ(Ketu)は、インド神話あるいはインドの天文学におけるナヴァ・グラハ(9つの惑星)の1つ。ラーフという魔神の胴体が星になったもので、彗星や流星の祖とされる。神話によれば、乳海攪拌のさい、アムリタを盗み飲みしたためにヴィシュヌ神に首を切り落とされたが、首とともに天に昇って、首はラーフ、胴体はケートゥという遊星になった。鳥に乗る図や下半身が蛇の形で描かれる。ラーフ、シャニ(土星)とともに凶兆の星とされ、南インドの寺院ではよく祀られている。
仏典に取り入れられて計都星となり、日本にも九曜の1つとして伝わった。宿曜道においては一般に羅睺星と同じく黄道と白道の交点に対応するが、一部経典では月の遠地点に対応するとされている。