クラーク数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラーク数(くらーくすう、Clarke number)とは地球上の地表付近に存在する元素の割合を重量パーセントで表したものである。一番多いのは酸素で、ケイ素、アルミニウム、鉄の順に続く。クラーク数は科学史上の学説の一つにすぎす[1]、今日では最新の調査結果に基づいている別の統計資料を利用することが望ましい[2]。
アメリカの地球化学者フランク・クラーク(Frank Wigglesworth Clarke、1847-1931)は地表部付近から、海水面下10マイルまでの元素の割合を、岩石圏(重量パーセントで93.06%を占める)、水圏(同じく6.91%)、気圏(同じく0.03%)の3つの領域における値を合計することで求めた。ここで岩石圏での元素の割合は火成岩の平均組成で表されると仮定している。
上位2つの元素である酸素とケイ素は主にケイ酸塩として岩石中に大量に存在する。第3位のアルミニウムはイオン化傾向が大きいため、天然では単体では存在せず、ケイ酸塩、酸化物、硫酸塩などの化合物として存在している。第4位の鉄は地表付近にも多く存在しているが、多くは地球中心部の核に存在している。このため、地殻内部まで含めた地球全体に存在する元素の割合を重量パーセントで表すと、鉄が34.63%と第1位となり、これに酸素(29.50%)、ケイ素(15.20%)、マグネシウム(12.70%)と続く(B. Mason (1966) による)。
ちなみにクラーク数の暗記法として「おっしゃられて貸そうかマ」:O(お)、Si、Al(しゃられ)、Fe(て)、Ca(か)、Na(そう:ソーダ)、K(か)、Mg(マ)で8番目まで覚えることができる。ついでに「提供は日立」:H(ひ)た、Ti(ち)で10番まで語呂合わせできる。
1番目から25番目までのクラーク数を以下に記す。
順位 | 元素 | クラーク数 |
---|---|---|
1 | 酸素 | 49.5 |
2 | ケイ素 | 25.8 |
3 | アルミニウム | 7.56 |
4 | 鉄 | 4.70 |
5 | カルシウム | 3.39 |
6 | ナトリウム | 2.63 |
7 | カリウム | 2.40 |
8 | マグネシウム | 1.93 |
9 | 水素 | 0.83 |
10 | チタン | 0.46 |
11 | 塩素 | 0.19 |
12 | マンガン | 0.09 |
13 | リン | 0.08 |
14 | 炭素 | 0.08 |
15 | 硫黄 | 0.06 |
16 | 窒素 | 0.03 |
17 | フッ素 | 0.03 |
18 | ルビジウム | 0.03 |
19 | バリウム | 0.023 |
20 | ジルコニウム | 0.02 |
21 | クロム | 0.02 |
22 | ストロンチウム | 0.02 |
23 | バナジウム | 0.015 |
24 | ニッケル | 0.01 |
25 | 銅 | 0.01 |