クォーツ時計
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クォーツ時計(クォーツどけい)とは、水晶振動子を用いた時計である。水晶時計または単にクォーツ(Quartz)とも。20世紀後半から普及し、振り子時計に代わって現在最も一般的な時計である。
水晶は圧電体の一種であり、交流電圧をかけると一定の周期で規則的に振動する。クォーツ時計ではこれを応用し、通常は32,768Hz(= 215Hz)で振動する水晶振動子を用いて、アナログ時計の場合には時針の速度を調節し、デジタル時計の場合はその信号を電気的に処理して時刻を表示する。クォーツ時計自体は1920年代に既に発明されていたが、大きさなどの面で実用化にはほど遠く、クォーツ時計が発売されるのは1969年のセイコーによる腕時計であった。
一般的なクォーツ時計の誤差は1ヶ月で15~30秒程度である。原理的には、振動周波数が215Hzなので215分周することにより1秒の信号を得ることができるが、水晶振動子の温度特性や個々のバラツキがあるので周波数の誤差が存在する。前者の対策として、2つの水晶振動子を持つダブルクォーツと呼ばれる腕時計も存在した。後者の対策として、水晶振動子の製造段階で予め付加したおもり(銀蒸着膜)をトリミングして周波数を調整したり、時計の段階で分周数を周期的に変化させる論理緩急がある。電波時計も実際にはクォーツ時計であり、電波に載せられた原子時計による正確な時刻情報を1日に数回受信して時刻を修正している。