ガイ・スティール
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ガイ・L・スティール・ジュニア(Guy L. Steele, Jr.)はアメリカ合衆国の計算機科学者であり、3つの書籍の著者として知られている(Common Lisp: The Language、C: A Reference Manual、The High Performance Fortran Handbook)。あだ名は "The Great Quux"。ジャーゴンファイルの編集者でもあったが、その後エリック・レイモンドが改版したときにはガイ・スティールのイラスト付きの序文が寄せられた(MIT Press)。Scheme言語の共同開発者としても知られている。
シンキングマシンズ社でシニアサイエンティストを務め、LISP言語の並列版*Lisp(スターリスプ)の開発に関わった。1994年、サン・マイクロシステムズに移り、ビル・ジョイに要請されて設計が終わったばかりのJavaチームの一員となった。というのも、スティールは既存の言語の素晴らしい解説を素早く書き上げることで有名だったからである。Java言語仕様をまとめる一方で、スティールは並列アルゴリズムの研究、実装戦略、アーキテクチャおよびソフトウェアサポートの責任者に任ぜられた。2005年、スティールはサンで新たなチームを率いて新しいプログラミング言語 Fortress の開発を開始した。これは、FORTRANを置換することを目的とした高性能言語である。
ガイ・スティールはLISP言語とその実装に関する論文をいくつも発表している(Lambda Papers と呼ばれている)。彼の最も重要な貢献は(ジェラルド・サスマンと共同での)Scheme言語の設計である。また、Emacsのオリジナルのコマンド群を設計し、TeXを世界で初めて移植した(WAITS から ITS へ)。他にも、コンパイラや並列処理や言語に関する論文を発表している。彼の書いた歌が Communications of the Association for Computing Machinery誌に掲載されたことがある(外部リンクの "Telnet Song" 参照。Mark Crispin によるPDP-10用Telnet実装の動作に関するパロディ)。
彼はANSIでのプログラミング言語標準化にも参加している(C言語、FORTRAN、Common Lisp)。また、IEEEでの Scheme 言語標準化のワーキンググループにも参加している。サン・マイクロシステムズでの高性能FOTRANフォーラムを主催し、1993年5月に高性能FORTRANの仕様を作り上げた。
ガイ・スティールはミズーリ州生まれ。1972年、Boston Latin School を卒業し、ハーバード大学で学士号(1975年)、マサチューセッツ工科大学で計算機科学の修士号(1977年)と博士号(1980年)を取得している。シンキングマシンズ社に入る前にカーネギーメロン大学で計算機科学の助教授をつとめていた。
1988年、ACMグレース・ホッパー賞を受賞した。1994年には ACM のフェローに選ばれた。2005年、Dr. Dobb's Journal 誌の Excellence in Programming Award を受賞した[1]。