カプセル内視鏡
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カプセル内視鏡(カプセルないしきょう、英 Capsule endoscopy)とは、小型カメラを内蔵したカプセル状の内視鏡のこと。口から飲み込んだカプセルが消化管を通過しながらその内部を撮影し、肛門から排出される。
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カプセル内視鏡の形状は薬のカプセルに類似し、一般的な薬のカプセルより一回り大きい(外径10mm前後)。カプセルにはCMOSやCCDで構成されたカメラ及び無線装置を内蔵する。患者が内服したカプセル内視鏡は、蠕動運動によって消化管内を運ばれ、前進しながら非侵襲的に消化管内を撮影し、画像データを体外に送信する。画像データの受信は、患者が装着するベストに内蔵された受信機で行う。撮影を終えたカプセルは自然排出される。なお、カプセルは再使用しない(使い捨て)。
このカプセル内視鏡を用いた画像診断システムは、日本では「カプセル型撮像及び追跡装置」として承認を受けており、クラスII(管理医療機器)とされている。
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[編集] 歴史
2000年代の初めに、苦痛の少ない非有線式のカプセルタイプの次世代内視鏡の開発が進められた。イスラエルのギブン・イメージングがモーター内蔵型の内視鏡を用いた画像診断システムを開発し、欧米で実用化された後、日本でも2007年4月に「カプセル型撮像及び追跡装置」(クラスII)として承認された。なお、ギブン社は、2007年に日本のフジノンと販売、部品供給及び研究開発に関して提携している[1]。
日本ではアールエフとオリンパスがカプセル内視鏡の開発を進めている。アールエフが開発中の次世代カプセル内視鏡は、ギブン社のものより小さく、バッテリーは内蔵していない(電波により送電)。外部コントローラによって移動やカプセルの向きを自由にを指示・制御することができ、カメラは本体中央に配置され360度回転できるため消化管内の全面をくまなく撮影することが可能である。なお、これは2007年現在未承認である。