カブトニオイガメ

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?カブトニオイガメ

カブトニオイガメ Sternotherus carinatus

界	：	動物界 Animalia
門	：	脊索動物門 Chordata
亜門	：	脊椎動物亜門 Vertebrata
綱	：	爬虫綱 Reptilia
目	：	カメ目 Testudines
亜目	：	潜頸亜目 Cryptodira
上科	：	ドロガメ上科 Kinosternoidea
科	：	ドロガメ科 Kinosternidae
亜科	：	ドロガメ亜科 Kinosterninae
属	：	ニオイガメ属 Sternotherus
種	：	カブトニオイガメ S. carinatus

学名

Sternotherus carinatus
(Gray, 1856)

シノニム

Aromochelys carinata
Gray, 1856

和名

カブトニオイガメ

英名

Razorback musk turtle

カブトニオイガメ（兜匂亀、Sternotherus carinatus）は、動物界脊索動物門爬虫綱カメ目ドロガメ科ニオイガメ属に分類されるカメ。

[編集] 分布

模式標本の産地（模式産地）はニューオーリンズ周辺（ルイジアナ州）。アメリカ合衆国（アーカンソー州南部、オクラホマ州南東部、テキサス州東部、ミシシッピ州、ルイジアナ州）

[編集] 形態

最大甲長16cmとニオイガメ属最大種。メスよりもオスの方がやや大型になる。背甲に筋状の盛り上がり（キール）が発達し、特に幼体では背甲が三角形に近く兜のように見えることが名前の由来だと思われる。種小名carinatusは「脊梁のある」の意。英名のrazorはカミソリ、backは背中の意。（Razorbackだとナガスクジラやイノシシの意になる。）キールは成長に伴い磨耗するが消失はしない。腹甲には喉甲板がない。

頭部は大型で、黒い斑点が入る個体が多い。頭部が巨大化（巨頭化）する個体もいる。

卵は長径2.4-3.3cm、短径1.4-1.8cmの楕円型で、硬い殻で覆われる。オスはメスに比べ、背甲が扁平で細長い。

[編集] 生態

底質が泥や砂、腐食質等のように柔らかく水生植物が繁茂する流れの緩やかな河川や池沼等に生息する。水生傾向が強いが、甲高があり体を温めるのに時間がかかるのか日光浴を好む。主に薄明時や薄暮時に活動する。夏季に気温が高いときは夜間に活動したり、水深の深い場所であまり活動しなくなる。逆に気温が低い時は昼間にも活動するようになり、日光浴も行うようになる。冬季には南部に分布する個体群を除いて水辺の横穴や水中の倒木や堆積物の中等で、冬眠する。

食性は動物食の強い雑食で、魚類、昆虫類、甲殻類、貝類、両生類、水草等も食べる。

繁殖形態は卵生。4-6月に1回に1-6個の卵を産む。野生では年に1回しか卵を産まないこともあるが、飼育下では7-8月にも産卵し年に3、4回に分けて産んだ例もある。卵は約100日で孵化する。オスは5-6年、メスは4-5年、甲長10cm程で性成熟する。

[編集] 人間との関係

ペットとして飼育されることがあり、日本にも輸入されている。野生個体、繁殖個体共に流通する。属内でも性質が荒く協調性に欠け、特にオス同士では激しく争うため基本的には単独で飼育する。繁殖の際にも相性が悪いとオスがメスに対し激しく攻撃することがあるため、メスを複数入れたケージにオスを後から加えるなどの工夫が必要。また人に対し噛みつくこともあり意外に顎の力も強いので、頭部の前に指などを出さない様にする。野生では日光浴を行うが、個体の様子を観察して調整する（水深が浅い場所で日光浴する個体もいる）。野生個体は偏食し餌付きにくい個体もいるが、繁殖個体では人工飼料や乾燥飼料にも餌付くことが多い。

[編集] 画像

幼体

[編集] 参考文献

千石正一監修長坂拓也編『爬虫類・両生類800図鑑』、ピーシーズ、2002年、173頁。
海老沼剛『爬虫・両生類ビジュアルガイド水棲ガメ1 アメリカ大陸のミズガメ』、誠文堂新光社、2005年、92-93頁。
Go!!Suzuki 「ニオイガメ Muskな生活～魅惑のニオイ～」『クリーパー』第28号、クリーパー社、2005年、21、52頁。
安川雄一郎　「ビギナーにおすすめのカメ12種～初心者向けとして飼育者に薦めるカメ類～」『エクストラ・クリーパー』No.1、誠文堂新光社、2006年、104、132-133頁。