エッグ (バンド)
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エッグ(Egg)とはイギリスのロックバンドである。 メンバーは、モント・キャンベル(ベース、ボーカル)、デイブ・スチュワート(キーボード)及びクライブ・ブルックス(ドラム)。元々はユリエル(Uriel)というバンド名だったがメンバーの一人、スティーブ・ヒレッジが脱退したため、バンド名をエッグ(Egg)に改め、音楽活動を再出発した。オルガンを中心とするキーボード・トリオで、同時期のエマーソン・レイク・アンド・パーマーと比較されることもあるが、彼らとは異なり商業的には成功しなかった。エッグはロンドン出身であるが、バンド解散後にモント・キャンベル及びデイブ・スチュワートが、いわゆるカンタベリー系ミュージシャンらに合流したため、カンタベリー系のバンドとしてみなされている。
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[編集] 来歴
- 1968年:ユリエルからスティーブ・ヒレッジが大学進学のため脱退。(後にカーン結成) ヒレッジほどのギターが見つからなかったため、ギターは補充せずに残ったデイブ・スチュワート、モント・キャンベル、クライブ・ブルックスでキーボード・トリオとして活動継続。
- 1969年:バンド名をエッグと改名。
- 1970年:1st「Egg」、2nd「The Polite Force」録音。
- 1972年:レコード会社との契約上のトラブル及びモント・キャンベルの脱退表明等により、バンド解散。スチュワートはカーン→ハットフィールド・アンド・ザ・ノースへ。
- 1974年:再結成。3rd「The Civil Surface」録音。後にスチュワート、キャンベルはナショナル・ヘルス結成。
[編集] 特徴
[編集] 音楽性
1stはクラシック音楽要素の強いオルガン・ロック。2ndからカンタベリー系の要素も強くなる。総じてこの時期はキャンベルの音楽性が強く出ている。再結成後の3rdはキャンベルによる現代音楽風の曲もあるが、スチュワートによるハットフィールド・アンド・ザ・ノース的要素が強い。
[編集] 逸話・その他
結成当時のバンド名「Uriel」は、しびんを意味する「Urinal」に響きが似ていると言う事から、マネジメント側からの要請でバンド名を「Egg」に改名した。
[編集] メンバーと担当楽器
[編集] ユリエル(Uriel) 1967年~1969年初頭
- デイブ・スチュワート(Dave Stewart) - organ/piano
- スティーブ・ヒレッジ(Steve Hillage) - guitar/vocal(1968年夏に脱退)
- モント・キャンベル(Mont campbell) - bass guitar/vocal/french horn
- クライブ・ブルックス(Clive Brooks) - drums
ヒレッジ在籍時、脱退後にデモ曲を録音、1969年6月に一時的に再結成され、Arzachel名義で録音。
[編集] 1969年~1972年
- デイブ・スチュワート(Dave Stewart) - organ/piano
- モント・キャンベル(Mont campbell) - bass guitar/vocal
- クライブ・ブルックス(Clive Brooks) - drums
+
- ヘンリー・ロウサー(Henry Lowther) - Trumpet(ゲスト/2nd)
- マイク・デイヴィス(Mike Davis) - Trumpet(ゲスト/2nd)
- ボブ・ダウンズ(Bob Downes) - Tenor Sax(ゲスト/2nd)
- トニー・ロバーツ(Tony Roberts) - Tenor Sax(ゲスト/2nd)
1st「Egg」、2nd「The Polite Force」録音。
[編集] 再結成 1974年
- デイブ・スチュワート(Dave Stewart) - organ/piano/(bass guitar)
- モント・キャンベル(Mont campbell) - bass guitar/vocal/french horn/piano
- クライブ・ブルックス(Clive Brooks) - drums
+
- ジェレミー・ベインズ(Jeremy Baines) - germophone/bonk(ゲスト/3rd)
- リンジー・クーパー(Lindsay Cooper) - oboe/bassoon(ゲスト/3rd)
- ティム・ホジキンソン(Tim Hodgkinson) - clarinet(ゲスト/3rd)
- スティーブ・ヒレッジ(Steve Hillage) - guitar(ゲスト/3rd)
- モーリス・キャンブレッジ(Maurice Cambridge) - clarinet(ゲスト/3rd)
- ステファン・サロウェイ(Stephen Salloway) - flute(ゲスト/3rd)
- クリス・パーマー(Chris Palmer) - bassoon(ゲスト/3rd)
- ザ・ノーセッツ(The Northettes) - vocal(ゲスト/3rd)
・・・アマンダ・パーソンズ(Amanda Parsons)
・・・バーバラ・ガスキン(Barbara Gaskin)
・・・アン・ローゼンタール(Ann Rosenthal)
3rd「The Civil Surface」録音。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] スタジオ・アルバム
- Egg (1970年)
- The Polite Force (1970年)
- The Civil Surface (1974年)
[編集] ライヴ・アルバム
- The Metronomical Society (2007年)
1969~1972年のラジオ出演用音源、ライヴ音源
[編集] シングル
- Seven Is A Jolly Good Time / You Are All Princes (1969年)
[編集] その他
- Arzachel / Arzachel (1969年)
Eggの前身バンドUrielが1969年6月に一時的に再結成されたが、契約上の都合でArzachel名義で発表した。メンバーも変名でクレジットされている。 - Uriel / Arzachel Collectors Edition (2007年)
上記「Arzachel」全曲とスティーヴ・ヒレッジ在籍時、脱退後の未発表デモ音源(1968年末~1969年初頭)を収録している。
[編集] 関連項目
- カンタベリー系
- カーン(デイヴ・スチュワート在籍)
- ハットフィールド・アンド・ザ・ノース(デイヴ・スチュワート在籍))
- ナショナル・ヘルス(デイヴ・スチュワート、モント・キャンベル在籍)