インテグラルタンク
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インテグラルタンクとは航空機における燃料タンクの形式のひとつ。主翼や胴体内の一部をシーラントにより水密として、構造部材そのものを燃料タンクとして利用するもの。別のタンクを必要とせず機体重量を軽減できるため、現代の多くの機体が採用している。
インテグラルタイプでない燃料タンクとしては、金属製のタンクや、ゴムの袋であるブラダタンクがある。
[編集] 使用例
日本海軍の攻撃機、一式陸上攻撃機はインテグラルタンクにより、双発機としては絶大な航続力を得るようになった。ただし、被弾時に火災を起こしやすいため、一式陸上攻撃機においても最終型では撤去された。
この方式は当時の軍用機には向かないものであって、一式陸上攻撃機などの軍用機にこれを装備したことは、日本海軍航空機の汚点としてたびたび取り上げられるものである。しかし、軍用機開発における海軍の要求はかなり厳しく、双発攻撃機に四発攻撃機並みの航続距離を求めるなどメーカーは対応に苦慮した。また、当時の日本における技術水準では、4発陸上攻撃機の開発は困難であり、インテグラルタンクを採用せざるを得ない状況にあった。メーカーは海軍に対し、燃料タンクの防弾ゴム皮膜処理、自動消火装置取り付け、さらに搭乗員保護の為の防弾装備向上を何度も具申したが、なかなか許可が下りなかった。海軍上層部では防弾装備充実よりも軽快で攻撃力の高い戦闘機、航続距離の長い陸上攻撃機の開発を重視しており、これが後に悲劇を生む結果となった。なお、他に日本軍がこのタイプの燃料タンクを採用した機体には、試験機であるA-26や偵察機の彩雲がある。