ぬりかべ (パズル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ぬりかべは、配置された数字を元に盤面を黒マスで分割するペンシルパズルの一つである。問題に配置された数値と等しい面積のブロックに分割されるよう黒マスを配置していくのが目的である。塗壁は、日本の民話に登場する見えない壁の形状をして旅人の邪魔をする妖怪であり、パズル通信ニコリ誌上ではこの妖怪をモデルにしたオリジナルキャラクターも登場している。
「ぬりかべ」はニコリでつけられた名前である。海外においてもNurikabeの名称が使われているが、Cell Structure(部屋の構築),Islands in the Stream(島と潮流)などと呼ばれることもある。世界パズル選手権ではじめて出題されたとき(第7回)にはLay Bricks(煉瓦を敷く)というタイトルであった。
他の多くのパズルと同様、解答は一意的に定まるように作られている。
ぬりかべは他のペンシルパズルに比べるとルールが煩雑だが、慣れると自然と理解できるようになっている。初心者は解答(とルールの把握)に時間がかかるが慣れて様々な解法を覚えた人はその10倍近い速さで解くことができる。
目次 |
[編集] ルール
- 数字のあるマスは黒マスにならない
- 数字は黒マスに囲まれた白マスの領域(シマと呼ぶ)の面積であり、各シマには数字が一つづつ入る。
- すべての黒マスは縦横に一つながりになる。
- 黒マスが2×2以上の固まりになってはいけない。
[編集] 歴史
ぬりかべは、れーにんというペンネームの人物により、パズル通信ニコリ33号(1991年はる分)の「オモロパズルのできるまで」というコーナーにおいて初めて発表され、38号よりコーナーから独立している。
それ以前に発表されていた「面積ブロック」というパズルに黒マスを塗るという独自の要素を加えて独創的な問題に仕上げている。
[編集] 解くコツ
ぬりかべを解くのに試行錯誤は要求されない。多くの解答のためのパターンが存在し、解答者はそれを見つけていくことで容易に解けるようになる。
初心者は黒マスだけ、又は白マスだけを確定させようとする傾向があるが、それはあまり効率がよくない方法であり、むしろ白マスと黒マスが互いに干渉しあって決まっていくことの方が多い。黒マスは1つにつながるので、白マスに囲まれた黒マスは押し出されるように伸びていく(囲碁におけるアタリをイメージするとわかりやすい)。
[編集] いくつかの基本的な解法
2つの数字が斜めに接しているところでは、それらに接する2つのマスが黒マスになる。この黒マスが伸びることによって手掛かりとなる問題は多い。もし、シマ(白ますで作られた領域)の面積が数字と一致したら、その時点でその周りのマスは黒マスに確定する。特に1と書かれたマスは最初の時点ですでに領域が確定しており、周囲4マスが黒マスに確定する。これは、解く上でのやさしい入り口の1つとなる。もし、3つの黒マスがL字状に並んでいるとき、ルールにより白マスが発生する。この白マスはどれかの数字と同じブロックに入ることになる。
いくつかの問題では、どのシマにも属することができないマスが存在する。このマスは黒に確定するため、前述のL字状の黒マスになったり、孤立した(最終的に他の黒マスの一群につながらなければならない)黒マスになり、新たなヒントを提示することになる。
[編集] ニンテンドーDS用ソフト
ハドソンより2007年3月8日にパズルシリーズVol.11として発売された。対応機種はニンテンドーDS。
[編集] 外部リンク
- パズルシリーズVol.11 ぬりかべ(ハドソン)