あどりぶシネ倶楽部

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『あどりぶシネ倶楽部』は細野不二彦作の漫画作品。とある大学の映画製作サークル「あどりぶシネ倶楽部」に所属する四人（のち五人）の大学生たちの人間模様を描く青春漫画。

ビッグコミックスピリッツに不定期掲載された。単行本は全一巻。なお単行本に記された英語の題名は「Ad Lib Cinema Club」である。

[編集] あらすじ

とある大学の映画製作サークル「あどりぶシネ倶楽部」の監督、神野は商業作品を意識したエンターテインメントを志していた。そんなある日、プロデューサーの片桐が長髪の美青年、佐藤をスタッフとして迎える。当初は反目していた神野と佐藤だったが、やがて打ち解け合う。優秀なカメラマンである佐藤の加入により、あどりぶシネ倶楽部は興行的にも成功を収めるようになる。そこへ「神野ファン」と称する女子大学生、沖梓が現れる。神野は次第に彼女に惹かれてゆくが……。

[編集] 登場人物

神野（じんの）

主人公。「あどりぶシネ倶楽部」の監督兼俳優。なけなしの私財をすべて投じるほど映画に対して情熱を燃やしている。大学の映研然とした実験的な作品ではなく、商業作品を意識したエンターテインメントを志す。

佐藤道明（さとう・みちあき）

「あどりぶシネ倶楽部」のカメラマン。ロングヘアと女っぽい容姿が特徴。カメラの腕前はぴか一で、若干18歳にして「ぽあ・フィルムフェスティバル」に入選を果たしたほど。

片桐邦雄（かたぎり・くにお）

「あどりぶシネ倶楽部」のプロデューサー。長身、オールバック、銀縁眼鏡に口髭という容姿に似合わずカマ言葉を使う。神野と佐藤の腕を高く買っている。

原田（はらだ）

「あどりぶシネ倶楽部」の音響兼俳優。スタント的な役もこなす。神野曰く「ウケることしか考えていない」性格。かつてその手でカメラを回していた経験があるらしいが、誰も作品を見たことがない……。

沖梓（おき・あずさ）

「あどりぶシネ倶楽部」の脚本兼記録係。紅一点。神野ファンということで「あどりぶシネ倶楽部」と関わりを持つようになるが、大学のミニコミ紙に発表した小説が神野の目に止まり、その作者が実は沖であったことが判明、「あどりぶシネ倶楽部」のメンバーとなる。片桐に対して想いを寄せる。

[編集] その他

佐藤道明という名前は、イラストレーターの佐藤道明からとったと推測されている（作者の細野不二彦と佐藤道明は共にスタジオぬえの出身）。

作品中の大学の建物は、細野が卒業した慶應義塾大学の日吉キャンパスのものである。