OVS型
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OVS型とは、文を作るときに目的語 (Object) - 動詞(Verb) - 主語 (Subject)の語順を取る言語を表す言語類型学の用語である。自然な能動態の表現において、次のような三つの構成素で文を作る言語類型を言う。例:「オレンジ 食べた サム」(サムはオレンジを食べた)、「棘 持つ バラ」(バラは棘を持つ)。
この語順は、主語・動詞・目的語を並べる6種類の方式の中でもっとも珍しい。OVS型の人間言語としては、タミル語、グアリジオ語、ヒシュカリヤナ語があり、ある程度に限るがタピラペ語でも使われる。
またこの語順は、格標識があるため比較的自由な語順が許される言語において、目的語を強調するときにも使われる(支配的ではない)。ルーマニア語、バスク語、エスペラント、ハンガリー語、フィンランド語、そしてある程度はドイツ語がその例である。さらにスウェーデン語など、通常は広範な格標識のない言語でも、格標識を持つ代名詞が含まれる際にはこの語順が許容される。
OVS型語順は、人工言語インターリングアでも使われる(ただしインターリングアの文法書には、受動態を除いて記述はない)。en:Panorama in Interlinguaの編集長Thomas Breinstrupは、同誌に執筆した記事の中でときどきこの語順を使っていた。
この語順は、スタートレック・シリーズの架空背景世界における地球外生命体クリンゴン人の人工言語、クリンゴン語にも採用された。わざと異星人らしく、直感に反する表現にするためである。そのためクリンゴン語はもっとも珍しい語順を持つことになったが、この人工言語の目的からすれば当然である。
また映画『スターウォーズ』の中で、ヨーダもときどきこの語順で話している。