課長島耕作
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『課長島耕作』(かちょう しまこうさく)とは「モーニング」(講談社)に1983年から1992年まで掲載された弘兼憲史の漫画。シリーズ作品に『部長島耕作』『取締役島耕作』『常務島耕作』『専務島耕作』『社長島耕作』『ヤング島耕作』(ヤングのみ掲載誌は「イブニング」)がある。
目次 |
[編集] 作品概要
本作品は1980年代前半(日本経済低成長期)から同年代後半(バブル経済期)を経て1990年代初期(バブル崩壊前夜)に至るまでの日本経済の動向、大企業間の競争、大企業内部の派閥争い、経済活動の末端で働くサラリーマン(特に団塊の世代)の群像の様々をリアルに活写したもので、サラリーマン層を中心に好評を博した。
1991年度(平成3年)、第15回講談社漫画賞一般部門受賞。
本作品の主人公・島耕作は団塊の世代に属し、大手電器メーカー「初芝電器産業」に勤務するサラリーマンである。作品が掲載された当初(1983年頃)の島はどちらかといえば小心で保身を考える平凡なサラリーマン像に描かれており、作品内容もオフィスラブなどの個人的な身辺事が主たるものであった。
1984年後半から毎回連載が始まると、作品は大企業内部の派閥抗争や企業戦略に基づく経営展開などのマクロな経済世界へと舞台の主軸を移していった。それに伴い島耕作は揺れ続ける社内派閥の動向の中でも自身の信念のみに従って行動する人物として描かれていき、度重なる苦難に直面しても前進する意思と幸運さですべて乗り切ってしまう。苦難を乗り切る過程では知人の探偵・木暮久作を駆使したミステリ仕立ての冒険活劇が展開されるほか、部下や女がいつの間にか全てを解決してくれることも多い。また、島の周囲には必ずと言って良いほど島と性的関係を結ぶ女性が常につきまとう。これらの複雑に絡み合う各要素(派閥抗争、経営戦略、ミステリ活劇、多彩な女性関係)が多くのサラリーマン、とりわけ団塊の世代の男性の心を掴み、1990年頃には大人気漫画として社会現象を巻き起こした。
2008年4月2日、読売新聞をはじめ各全国の新聞朝刊の社会面に島耕作が作中で近く社長に就任することが「新社長に島氏」というタイトルで採り上げられた。
[編集] 主な登場人物
課長島耕作の登場人物を参照
[編集] シリーズ作品
[編集] 部長島耕作
『部長島耕作』とは1992年から2002年まで週刊モーニング誌上で掲載された漫画作品である。当初は半年~1年に1回の頻度で掲載されていたが1999年、人気が低迷していた週刊モーニングはかつて人気を誇った作品の続編・外伝等を掲載することで販売数を回復しようとしたため、このとき本作品も毎週連載が再開した。
島が敬愛する中沢社長(派閥に属さない一匹狼として会社を生き残り、「課長島耕作」の最終巻で社長に大抜擢される)が退任し、反対派が社長になった場合に処遇が悪化されないように、という中沢の配慮により、島は関連会社・初芝電産貿易へ代表取締役専務としての出向を命じられる。しかし、島は持ち前の前向きさと柔軟さと信じられないような運の良さで、出向先のワイン事業を大きく伸ばし、更に次の出向先のサンライトレコードにおいても、課長時代のニューヨーク赴任時の不倫相手(白人)との子供を歌手として大ヒットさせる(しかし真実は誰にも言えない)、という非実現的な成果を実現することで関連会社の経営立て直しに成功する。これらの業績が認められて初芝本社の取締役へ就任することとなる。
[編集] 取締役島耕作
『取締役島耕作』とは2002年から2005年まで週刊モーニング誌上で連載された漫画作品である。島は初芝電器産業の取締役として中国・上海へ派遣されることになるが(役職は上海初芝電産董事長(会長))、それを通して急成長する中国経済が描かれることとなる。島の恋愛・性交も相変わらずで、60歳を目前にした島の絶倫ぶりは同世代の読者へ夢と希望を与えている。また、この頃から島の洞察力・構想力・行動力等が、経営者として非常に高く描かれるようになる。
[編集] 常務島耕作
『常務島耕作』とは2005年から2006年まで週刊モーニング誌上で連載された漫画作品である。取締役時代に続いて、中国担当としての活躍が描かれているが、担当エリアが上海のみから中国全土となり、東京・北京・上海の3極勤務となり多忙を極める。2006年、中国担当常務の前任である郡山利郎専務が社長に昇格したことにより、島も専務に昇格することとなり連載が終了した。
[編集] 専務島耕作
『専務島耕作』とは2006年から週刊モーニング誌上で不定期連載された漫画作品である。常務時代に続いて中国を担当するほか、インド担当、アメリカ担当も兼任することになった。明言はされていないが原発事業も担当としていると思われる。
2008年4月、現社長である郡山利郎が辞意を表明し、その後任として五洋電機との経営統合で誕生する「初芝・五洋ホールディングス」の初代社長に就任。これに伴い同年5月下旬よりタイトルが“社長・島耕作”と改められ、新シリーズがスタートする事になった。2008年5月15日発売号にて連載終了。
[編集] 社長島耕作
『社長島耕作』とは2008年No26(6月12日号)から週刊モーニング誌上で連載が開始された漫画作品である。余談だが、作者曰くこの作品が島耕作シリーズの最終章となる事を示唆しており、今後の展開が注目される。
初回掲載号の発売日にあたる2008年5月29日には「島耕作社長就任会見&乾杯式」と銘打ったイベントが開かれ、アニメーションの島耕作がメッセージを述べた(声は井上和彦が担当)。また、同日付の朝日新聞朝刊には同誌の土曜版別冊「beビジネス」に見立てた一面広告が掲載された。
同上連載第一回目での社長就任スピーチにおいて「これから先 わが社は HGホールディングスと初芝電産の松橋社長 五洋電機の勝浦社長とのペレストロイカ体制で合議を図りながら経営を進めていく」という所信表明を行った。万亀会長曰く「名演説だった」とのことである。
[編集] ヤング島耕作
『ヤング島耕作』とは2001年からイブニング誌上で連載されている漫画作品である。イブニング創刊時の目玉作品として掲載された。島耕作が初芝電器産業へ入社した当時(1970年頃)の社会情勢、世間の気風、大企業の雰囲気などを描こうとしている。ただ、どうしても30年後の視点で描かれてしまう部分も散見される。また、作品上の状況設定が『課長島耕作』の設定と矛盾を来している箇所もある。それらの問題点もあるが、全体的な時代背景や島耕作の性格描写は多くの読者をひきつけている。島の出身地が作者と同じく山口県岩国市であることが明らかにされた。ちなみに誕生日は9月9日である。
[編集] 映画
1992年に田原俊彦主演で映画化された。
[編集] キャスト
- 島耕作 - 田原俊彦
- 樫村健三 - 豊川悦司
- 馬島典子 - 麻生祐未
- 大泉裕介 - 津川雅彦
- 江口幹夫 - 坂上忍
- 田代友紀 - 渡辺満里奈
- 鳥海赫子 - 森口瑤子
- 島怜子 - 鳥越マリ
- 吉原初太郎 - 三木のり平
- 宇佐美欣三 - 佐藤慶
- 福田敬三 - 原田大二郎
- 水野忠司 - 鈴木瑞穂
- 庭正彦 - 鶴田忍
[編集] スタッフ
[編集] テレビドラマ
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[編集] フジテレビ版
1993年から1998年にかけてフジテレビによりテレビドラマ化され放映された。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
[編集] サブタイトル
話数 | 放送日 | サブタイトル | ゲスト出演者 |
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1 | 1993年9月17日 | 課長 島耕作1 | 斉藤慶子、山下容莉枝 |
2 | 1994年4月29日 | 雨の京都慕情編 出張先で出会った偶然の恋…祇園の女は乗っ取り屋の愛人だった!! 会社の命運をかけた闘いの結末は…? | 秋吉久美子、山崎大輔、寺脇康文 |
3 | 1994年10月23日 | 仕事に恋にタフな男が帰って来た!恋人は疑惑の渦中に、そして娘とのきずなにも危機が… | 江守徹、天田俊明、斉藤慶子、白木万理、金田明夫、石丸謙二郎、畠山明子、平山里美、加山到 |
4 | 1998年12月4日 | ヒット曲の合間から聞こえる "人殺し" の叫び声…歌い手の女優にかけられた恐怖の殺人呪いとは!? | 藤谷美和子、戸田菜穂、及川以造、坂西良太、加山到、川俣しのぶ、篠原秀豊、佐々木和也、出口高司、富沢勝成、貴山侑哉、中尾貴美子、荒木イサオ、天田俊明、池田真菜美、峯尾進、前澤裕彦、中村元則、大野妃寿、羽場裕一、あめくみちこ |
[編集] 日本テレビ版
2008年6月25日21:00から日本テレビ系列で放送される予定。
[編集] キャスト
- 島耕作 - 高橋克典
- 中沢喜一 - 宅麻伸
- 大泉裕介 - 小林稔侍
- 石渡 - 鶴田忍
- 苫米地功 - 神山繁
- 大町久美子 - 松下奈緒
- 木暮久作 - 高知東生
- 松本 - 佐野史郎
- 山本 - 佐藤恒治
- のんのん - 高岡早紀
- 島怜子 - 横山めぐみ
- 木野穣 - 大滝秀治
- 大町愛子 - 萬田久子
[編集] スタッフ
- 脚本:君塚良一、北川大樹
[編集] 外部リンク
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