能格と絶対格
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格 |
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能格(のうかく ergative)と絶対格(ぜったいかく absolutive)は言語の類型のひとつである能格・絶対格言語(能格言語)で使われる格である。
能格は他動詞の主語を標示するのに使われる。それに対し、絶対格は
を標示するのに使われる。
日本語や英語などの主格・対格言語(主格言語)では、自動詞の主語と他動詞の主語が同じ形式(主格)によって示される。
例:
- 太郎が(主格) 倒れる。
- 太郎が(主格) 花瓶を(対格)倒す。
これに対して能格言語では自動詞の主語と他動詞の目的語が同じ形式(絶対格)で示される。
例:
- 太郎B(絶対格) 倒れる。
- 太郎A(能格) 花瓶B(絶対格)倒す。
能格は普通、 有標 (もっとも卓立している)であり、絶対格は 無標である。絶対格にあたる位置は何も置かれない(ゼロで標示する)言語も多い。能格は、具格(道具格)と同じ形式の言語や、属格(所有格)と同じ形式の言語などがある。
能格を持つ言語に、バスク語、グルジア語、チベット語などがあげられる。
[編集] 分裂能格
言語によっては、場合によって能格・絶対格と主格・対格を使い分けることがあり、そのような性質をもった言語は分裂能格性(split ergativity)と呼ばれる。例えばヒンディー語では完了形の場合にのみ能格的な性質があらわれる。また、主語が三人称のときのみ能格的な性質を示す言語もある。