経営戦略
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経営戦略(けいえいせんりゃく)とは、組織(主に営利企業)の中・長期的な方針・計画・戦略のことである。
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[編集] 経営戦略の定義
[編集] 経営戦略のさまざまな定義
- 「持続的競争優位を達成するためのポジショニングを構築すること」
Cornelis A. De Kluyver and John A. Pearce, Strategy: A View from the Top, Prentice Hall College Div, Aug./2002. (大柳正子訳『戦略とは何か』東洋経済新報社、2004年12月).
- 「企業が考えた競争に成功するためのセオリー」
Jay B. Barney, Gaining and sustaining competitive advantage, Addison-Wesley Pub, May/1996.
- 「企業を取り巻く環境との関わりについて、企業を成功に導くために何をどのように行うかを示したもので、企業に関与する人たちの指針となり得るもの」
淺羽茂「経営戦略」、岡本康雄編著『現代経営学への招待』、中央経済社、2000年
- 「市場のなかの組織としての活動の長期的な基本設計図」
伊丹敬之『経営戦略の論理』、日本経済新聞社、2003年11月(第3版)
[編集] 経営戦略の歴史
中心的なテーマである「戦略」という言葉はもともと軍事用語であり、それが企業経営に応用されるようになった。経営学の文献に「戦略」という言葉が本格的に論じられるようになるのは1960年代からである。まだ若い学問分野であるとはいえ、今日では経営学の中心的な概念である。
[編集] 経営戦略の階層
戦略の定義には、関わる環境によって、さらに3つの階層に分けて考えることが出来る。ひとつは、企業全体としてどのような方向性で経営していくのかを示したもので、これは全社戦略(企業戦略、corporate strategy)と呼ばれる。次に、個々の事業単位でどのような行動をとり優位性を構築するのかを示したもので、これを事業戦略(競争戦略、business strategy)と呼ぶ。さらに、それぞれの機能(たとえば購買、生産、マーケティング、財務、人事など)ごとに全社的に共通な戦略が構築される場合もあり、これは機能別戦略(functional strategy)と呼ばれる。これらの戦略は視点や検討方法は異なるものの、お互いに整合性のとれた一貫したものであることが求められる。これらの企業経営に関わるさまざまな戦略を総称して経営戦略と呼ばれるのである。