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終わりのクロニクル - Wikipedia

終わりのクロニクル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

文学
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終わりのクロニクル』(おわりのクロニクル)は、川上稔の小説作品。電撃文庫より刊行。

目次

[編集] 概要

  • 『AHEADシリーズ』と銘打たれているが、2008年現在同シリーズを構成する唯一の作品である。
  • イラストを担当しているのはさとやす(TENKEY所属)。
  • ライトノベル作品の中でも厚い文庫として有名で、1冊平均400ページほどもあり、最終巻の7巻では1冊で1000ページを超えるという電撃文庫の最厚記録を作った。

[編集] あらすじ

第二次世界大戦という歴史の裏側にもう1つ、決して表に出ることのない戦争があった。平行して存在したその全てを歯車に例え、ギア(G)と呼ぶ10の世界が生き残りをかけたその戦争は、全ての物事の究極の理由「概念」を奪い合い滅ぼすことから概念戦争と呼ばれた。そして概念戦争に勝利した我々の世界、「Low-G」に全てが隠蔽されてから60年、ある問題が起きた。

Low-Gのみが所持する「マイナス概念」の活性化。それにより、今や唯一のGとなったLow-Gは再び滅びの道を歩み始めた。滅びを回避するには、かつて滅ぼした10のGの概念の力が必要だった。概念戦争を知り、10のGを滅ぼした組織「UCAT」は、各異世界の生き残り達との交渉のための専門部隊全竜交渉部隊(チームレヴァイアサン)を編成する。

1人の少年は祖父からその代表たる役目と権利を譲られ、「自分が本気になるために」交渉役を引き受ける。自ら悪役を名乗る少年、その名を佐山・御言。全ての遺恨を収め世界を救うための交渉、全竜交渉(レヴァイアサンロード)が、

「佐山の姓は悪役を任ずる」

その言葉とともに始まる。


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


[編集] ギアと概念戦争

ギア(G)とは、Low-GとTop-G、そしてその周囲を一定の周期で旋回する10の異世界の総称である。Low-GとTop-Gの間を10のGが一定の周期でめぐり影響を与え合っていた。各Gの概念はそれぞれ異なり、物理法則なども全く異なる。それぞれのGが保有している概念核が半分以上離れるとそのGが崩壊・消滅する。

1999年に全てのGの周期が重なり、最も多くの概念を持つGのみが残り、その他のGは衝突の衝撃で崩壊することが判明する。それを知ったそれぞれのGが他のGに侵攻し概念を奪い合う、概念戦争が勃発した。

全Gの存亡に関わる概念戦争だったが、全てのGが参戦した訳ではなく、実際に争っていたのは1st-G、3rd-G、9th-G、Low-Gの4つだけだった。4th-Gと8th-Gは戦闘力が無く、5th-G、6th-G、10th-Gは内乱、2nd-Gは早々にLow-Gに恭順し、7th-Gに至っては殆ど異Gに干渉しなかったためである。参戦していたGも1st-GはLow-Gに滅ぼされ、3rd-Gは9th-Gに恭順する事となった。参戦しなかったGも多くがLow-Gとの関わりによって滅んだ。

[編集] 1st-G

1st-Gの世界観
表記された文字が力を持ち、表記どおりの力を放つあるいは筆記した対象にその能力を付加する概念を有した世界。「ニーベルゲンの災い」の原型とされるGで、Low-Gでは10th-Gと同じくドイツ、神州世界対応論では近畿地方と対応する。
テーブル形の大地をドーム状の空が覆う、内向型構造の世界。星はドームに張り付き、太陽は地下道を通って周回する。朝とは太陽が昇っている時間、夜は太陽が地下道に潜っている時間の事で、月は存在しない。大気には1st-Gにとっての文字の役割を担う精霊が存在し、1st-Gの住人達は精霊と対話し、説得する事で自然を操ることが出来た。
原始には文字という力が蠢くのみであり、それが進化突然変異を繰り返して肉体を開発し、生物となった。そのため1st-Gの生物の肉体には遺伝子として文字が織り込まれており、種族的な能力や特性を決める。
世界が閉鎖的で狭かったこともあり、文化はヴォータンという国が周囲の集落や街を統括するという体制をとっていた。土地こそ狭かったが、文字を書き、精霊と対話する事で様々な現象を操り、不便は少なかった。だが「文字を書けば効果がある」という概念があるため、紙と筆記用具は王族や専門職といった限られたもの達にのみ与えられ、筆記系の文化が発達しなかった。
1st-Gの概念戦争
元々の戦闘力が低かった1st-Gは、長い時間をかけて種族の戦闘力強化を行い、5th-Gの機竜を解析して欠陥こそあるが機竜も開発した。しかしそれまでの戦いの中で王妃が戦死し、傷心した王は1st-Gを一時閉鎖して概念戦争から全Gの衝突時刻ギリギリまで離脱し、最後まで生き残ったGに亡命する事を定めた。しかし王女グートルーネと賢者レギンの庇護を受けていたジークフリード・ゾーンブルクが、レギンが開発した機殻剣グラムを強奪、王と王女、そして概念核の半分を有していた機竜ファブニールに搭乗したレギンを殺し、ファブニールの出力炉に内蔵されていた概念核の半分を奪って逃走したために1st-Gは滅びたとされている。
1st-Gの概念核
概念戦争開始時:機竜「ファブニール」/機竜「ファブニール改」
概念戦争終了時:機竜「ファブニール改」/聖剣「グラム」
全竜交渉終了時:聖剣「グラム」

[編集] 2nd-G

2nd-Gの世界観
名前(称号・固有名称)が力となり、それが意味する内容を自分の能力として扱う事が出来る概念を有した世界。『古事記』・『日本書紀』の原型とされるGで、Low-Gでは日本、州世界対応論では伊豆七島に対応する。
広い大地とどこまでも続く空がある、Low-Gに似た構造をしている。太陽や月等の天体に関しての情報は明確には語られていない。2nd-G人類は力と意思を持つ概念核を、自然を操る一種の装置とし、2nd-Gという世界を巨大なバイオスフィア(密閉型の人工生態系)として改造した。
人種はLow-Gの日本人とほぼ同じもので、生まれが2nd-Gであるか無いかという事以外に区別が出来ない。文化や体質においても然したる違いは無く、Low-Gではごく普通に生活する事が出来る。
政治大系は皇族という家系が主要となって世界を統治する、姓名を重視し、世襲制が中心となった文化を有していた。王の一族に生まれた者は王としての姓名と力を、刀工の一族に生まれた者は刀工の姓名と力を受け継ぎ、それは解釈次第である程度の変更が効くが、その意味と能力は基本的に一生付き合い続けていかなければならないものであった。
2nd-Gの概念戦争
2nd-Gは概念戦争に向けて戦力を整えようとしていたが、長い年月の間酷使されて暴走し、炎竜「八叉」に変貌した概念核により存亡の危機に晒されており参戦することはなかった。2nd-GはどのGよりも早くLow-Gに恭順し、護国課の助力で八叉を鎮めようとしたが、大城・宏昌の尽力も間に合わず、八叉はその恨みのままに2nd-Gを焼き尽くした。2nd-G人類はLow-Gに亡命し、八叉も2nd-G人類を追ってLow-Gに向かったため、2nd-Gは滅びた。八叉がLow-Gに出現するまでの間に宏昌は2nd-Gの技術者達と共同して荒王と十拳を開発、荒王の溶解と宏昌の死を代償として辛くも十拳に八叉を封印した。
2nd-Gの概念核
概念戦争開始時:風雨竜「草薙/叢雲
概念戦争終了時:炎竜「八叉」(神剣「十拳」に封印)
全竜交渉終了時:神剣「十拳」(炎竜「八叉」を解放後、再封印)

[編集] 3rd-G

3rd-Gの世界観
金属に命と意思を宿し、更に行動するために軽度の重力制御能力が与えられる概念を有した世界。ギリシャ神話の原型とされるGで、Low-Gではギリシャ、神州世界対応論では瀬戸内海に対応する。
ある一定まで続く空に幾つかの大陸が浮遊する世界だった。古代には海も存在していたが、概念戦争が始まるまでには何らかの要因で消滅している。
3rd-G人類は個々に細分化された概念核を有しており、その恩恵としてそれぞれが3rd-Gの自然の1つを操る特殊能力と、数千年単位の長寿を有していた。細分化された概念核は保有者の死を持って概念核本体に還り、そして新生児に付加される。これらの事から3rd-G人類は概念核を「冥府(タルタロス)」と呼び、概念戦争中は冥府を制御するための装置「冥府機構(タルタロス・マキナ)」が建造された。
Top-Gを除けば唯一武神と自動人形を開発した世界。開発の理由は人数が少ない上に浮遊大陸であるという世界構造から不足していた労働力を補うためである。武神は単体での労働力を補い、自動人形は人手の増加を果たすために開発された。
政治大系は王族に定められた一族による全浮遊大陸の統治である。
数字の上では下位に属するが、工学や技術力では当時最高位に君臨しており、概念戦争当初はその抜きん出た技術力で概念戦争に勝利できると思われていた。
3rd-Gの概念戦争
全G中最も優れた技術力を有していた3rd-Gはその力で概念戦争に勝利しようとした。だが必要最低限の人口、原因不明の出産率の低下、そして9th-Gによる空中大陸の1つが破壊された事で余裕を失った。当初王だったクロノスは息子のゼウスに幽閉され、そして新王となったゼウスは概念戦争に生き残るため、3rd-G人類は元より他Gの捕虜の肉体を武神の部品とする虐殺(ホロコースト)の禁忌に触れ、更には自分の娘(レアとの子で飛場・美影の事)をクローン技術で増産し、自分との子を産ませて人口を増やす近親相姦の計画も練った。それでも概念戦争で優勢を得る事は出来ず、3rd-G人類が王族のみになった頃にゼウスは敵対していた9th-Gに恭順した。だが美影を取り戻すため乗り込んできた飛場・竜徹によってゼウスやアポルオンは殺され、概念核の半分も奪われたため3rd-Gは滅んだ。
3rd-Gの概念核
概念戦争終了時:武神「テュポーン」/武神用杭打機「神砕雷(ケラヴノス)」
全竜交渉終了時:武神用杭打機「神砕雷」

[編集] 4th-G

4th-Gの世界観
植物に自我と行動力を持たせ、動物化させる概念を有した世界。アフリカ神話の原型とされているGで、神州世界対応論では九州に対応する。
太陽としての機能を持つ恒星を中心に、3つの環状大地が回転する世界構造をしていた。環状大地は概念核によって動物化した植物で覆われ、環状の内側には川が流れていた。各大地で生態系に差異が生じると他の大地の交差時にそれを交換し、生態系を均一化した。
4th-Gには人類が存在せず、動物化植物、本編でいう草の獣のみが住んでいた。
4th-Gの概念戦争
4th-Gは生命力と治癒力は高かったが戦闘力は皆無だった。草の獣に侵略する意思もなく、滅ぼそうにも概念核を有するムキチも捕らえる事が出来ず、他Gは4th-Gへの侵略を除外した。その中で佐山・薫だけはムキチの正体を見破り、ある約束を結び、それが果たされた後にはLow-Gに協力するよう交渉した。薫は約束を果たす事が出来なかったが、ムキチは「彼の眷属がいつか約束を果たせば良い」とし、彼等の庇護に入り、草の獣と共にLow-Gへと移住し、4th-Gは滅びた。
4th-Gの概念核
常時:木竜「ムキチ」

[編集] 5th-G

5th-Gの世界観
自らの意思によって落下する方向を定め、使いこなせば飛行すら可能とする概念を有した世界。ネイティブアメリカンの神話の原型とされる(実際はメキシコ神話が元と思われる)Gで、Low-Gではアメリカ、神州世界対応論では北海道に対応する。
大気のある宇宙空間に2つの隣接する惑星が浮かぶ世界構造をしている。概念の力によって両惑星の交流技術は早い段階で完成しており、5th-G人類は2つの惑星をそれぞれ、資源惑星と居住惑星に使い分けていた。概念戦争時代に資源惑星は防衛基地、居住惑星は生産基地として改造されたが、黒陽の暴走によって両惑星は破壊され、惑星の残骸が散らばるのみの世界となった。
人類生存時の政治大系は不明。機竜のみが残った後は、白創によって黒陽を除く全機竜が統率されていた。
航空手段として機竜が開発され、機竜を元々有していた世界である。概念戦争でも戦闘用機竜は多く開発されており、中でも5th-G防衛用大機竜・黒陽と、その対となる気象管理用大機竜・白創は5th-Gとその人類を護る双璧とされていた。その圧倒的な単体戦闘力によって概念戦争を制するかに思われたが、前記した通り黒陽の暴走によって惑星と5th-G人類は死滅、当時開発されていた機竜達のみが残った。
5th-Gの概念戦争
5th-Gは機竜という強大な力を持ちながら概念戦争には参戦しなかった。なぜなら黒陽と白創が率いる機竜群との内乱があったためである。数万年前、概念戦争に生き残るため5th-Gの資源惑星は防衛基地、居住惑星を生産基地に改造し、それぞれを黒陽と白創に護らせた。だが5th-Gとその人間達を護る事を役目とする黒陽は、護るべき人間達を武装して戦地に送る世界に矛盾を感じ、「それらがなくなれば平和になる」と解釈して2つの惑星を破壊した。その結果5th-G人類は死滅し、自らの行動と役目の矛盾を得た黒陽は暴走。黒陽は機竜達に攻撃を仕掛け、機竜達は白創の指揮の下に抗戦した。その機竜の1機、ショートル3はLow-Gに墜落、そこで出会ったリチャード・サンダーソンを乗り手として黒陽に戦いを挑み、撃墜した。だが決戦がLow-Gで行われたため、概念核を失った5th-Gは滅んだ。
5th-Gの概念核
概念戦争開始時:機竜「黒陽」/機竜「白創」
概念戦争終了時:機竜「黒陽」/機竜用長砲「ヴェスパーカノン」
全竜交渉終了時:機竜用長砲「ヴェスパーカノン」

[編集] 6th-G

6th-Gの世界観
詳細は説明されていないが、輪廻転生の概念を有した世界。インド神話(ヒンドゥー教)の原型とされているGで、Low-Gではインド、神州世界対応論では静岡に対応する。
世界は2つの川にはさまれた停滞の空間と呼ばれる生物が存在する通常空間の両側を、死亡した魂が送られる破壊の空間、魂に肉体を与える再生の空間ではさみ、魂は3つの空間をめぐり続けていた。
Low-Gと同じく人類が主要を占めた世界で、その全ては黒人系。外見・機能的にもLow-G人類とは大差が無いが、老人や子供といった虚弱な体をしているものはLow-Gの大気に毒される。
政治大系は複数の政治家によって方針を決定する民主主義だった。
全竜交渉が始まる前にG-Spと共にV-Swが移送されると知った6th-G残党は10th-Gの一部と結託して奪取しようとしたが出雲・覚と風見・千里に防がれて失敗、自決のために試作型ヴリトラを放つがそれも2人によって破壊される。V-Swによって自決さえも止められた6th-G残党はLow-Gに恭順した。
6th-Gの概念戦争
6th-Gは概念戦争によって通常のサイクルを上回る速度で破壊を得てバランスを崩した。故に彼等は破壊の空間を拡大し、停滞の空間をはさむ川それぞれにヴリトラヴァジュラを配置する事で安定させた。だがヴァジュラとヴリトラを配置した事で6th-Gの指導者達は死と再生が管理出来る様になり、市民はそれに反発して内乱が生じた。その不毛に気付いた6th-G人類は争いの原因となったヴァジュラとヴリトラを災いの象徴とし、調査に来ていた出雲・全に押し付ける様にして渡した。そして出雲・全がそれらをLow-Gに持ち帰ったため6th-Gは滅んだ。
6th-Gの概念核
概念戦争開始時:概念竜「ヴリトラ」/機殻剣「ヴァジュラ」
概念戦争終了時:機殻剣「V-Sw(ヴィズィ)」

[編集] 7th-G

7th-Gの世界観
「力は無限となる」、「真実のみとなる」、「解りあえるものはない」、「世界は一瞬で正反対となる」の4つの概念が存在したが、正確な母体概念が不明な世界。中国神話(神仙譚)の原型とされているGで、Low-Gでは中国、神州世界対応論では東北に対応する。
起伏を持った階層構造型の世界で、8層に連なった大地の上には天山と呼ばれる巨大な山と川が流れる天井の階層があった。9つの大地には人間が生きるのに最高の環境が広がっており、人々はそこで生活していた。天体に関しての情報は明記されていない。
生体改造と人造生物の開発に特化した文化を持つGで、7th-G人類のほぼ全ては仙人、仙神と呼ばれる一種の技術者だった。7th-G人類は人間が人間のままで、どこまで文化と文明と能力を極められるのかに執心し、神の様に何か管理する煩わしさを受けぬまま、人としての享楽と進化のためのみに概念を用いた。やがては人の身に概念を付加する技術を開発し、延命技術や不老技術等といった人体改造を開発・施術し続け、遂には人類の行きつく最高点に到達した。そして7th-G人類は満足し、逆に自分達が最頂点で滅びる事と自分達の技術を引き継ぐ後継者を探したとされている。
政治大系は一切明らかになっておらず、その全てが人間の肉体を究極まで高める事に執心していた7th-Gでは明確な統制が無く、目的のみを共有して後は個々に行動する、という体制を取っていた可能性もある。
7th-Gの概念戦争
概念戦争において7th-Gは門を閉鎖したため、一切の侵略を行う事も受ける事も無かった。しかしただ一度、日本UCATに侵攻を行い壊滅させようとした。そこで7th-G人類は趙・晴の人体改造施設を発見し、Low-Gに自分達に通ずる者がいる事に喜び、趙・晴を7th-Gに招待してすべての技術を伝授した。趙・晴を7th-Gの後継者に選んだ彼らは概念核と合一、趙・晴の開発した人造人間と更に合一した。そしてLow-Gが概念核を譲るに相応しい「芳醇な世界」であるかを見定めるため、正体を隠して日本UCATに所属し7th-Gは滅んだ。
7th-Gの概念核
概念戦争終了時:四竜兄弟「一光」/「二順」/「三明」/「四吉」
全竜交渉終了時:竜玉「一光」/「二順」/「三明」/「四吉」

[編集] 8th-G

8th-Gの世界観
熱エネルギーに意思と行動力を授け、生物化させる概念を有した世界。アボリジニ神話の原型とされるGで、Low-Gではオーストラリア、神州世界対応論では四国に対応する。
8th-Gとは無の空間にワムナビの遣いが浮遊する世界であった。砂粒サイズから惑星サイズまで大小多数のワムナビの遣いは何も無い空間の中で熱を発し続ける事によって生命を持続させ、熱が弱まってくると冬眠して死(消滅)を免れていた。
4th-Gと同じく8th-Gには人間が存在せず、前記した意思を持つ熱エネルギー体、ワムナビの遣いと呼ばれる者達だけが存在していた。
8th-Gの概念戦争
8th-Gのワムナビの遣い達は率先して概念戦争に参加する事は無かった。戦闘力と意欲が低かったという事もあるが、それ以上に故郷への執着が薄かった事、そして優れた計算能力故に如何なるGでも自分達は馴染み、重宝される事を知っており、移住する事で生き延びればいいと考えていた。そんな彼等は8th-Gの調査にやってきた新庄・要からしりとりを教わり、そして約束と「なぞなぞ」を与えられた。約束を守るため、その答えを出すため、ワムナビの遣い達はLow-Gに亡命し、それによって概念核を持つワムナビも移ったため8th-Gは滅んだ。
8th-Gの概念核
常時:石蛇「ワムナビ」

[編集] 9th-G

9th-Gの世界観
詳細は明らかになっていないが、光と闇、熱と停止に関する内容の概念を有した世界。中東ゾロアスター神話の原型とされる純戦闘系G。
光熱と闇が切り替わる空間に球状大地が存在する世界で、天体は一切無く、空そのものが太陽と夜闇の特性を担っていた。昼は暑い、夜は冷たい、水源は限られているという厳しい環境であったが9th-G人類は水源を中心に街を作り、幾度かの内部抗争の後に王家を定め、世界を平定した。
2nd-Gや6th-Gと同じく人類が主要を占める世界で、その全ては褐色の肌をしたLow-Gの中東系の人間であった。明確な差分は明らかになっていないが体質的な大差は無いらしい。
前記した通り、幾度かの内部抗争の末に王家は選出され、彼等を中心にして政治は行われていた。だがそれと同等のものとして将軍の家系も存在し、政治は王家、軍事は将軍家によって管理されていた。だが双方の仲は良いとは言えず、概念戦争時代に王サルバが平定するまで双方は反目し合っていた。将軍家と和解したサルバは開発途上の土壌開発用大機竜ザッハークの再開発を開始した。それはより住み易い世界を開発すると同時に、他Gの移民達を募るためであった。概念戦争時代に他Gの移民を迎えようとした事が明言されているのは9th-GとTop-Gのみである。
そんな9th-Gであるが概念戦争時代は率先して他Gを侵略しており、5th-G崩壊の引き金となり、3rd-Gと結託して概念戦争に勝利しようとした。Top-Gを含めても第3位に位置する高次世界であったが、サルバの和平政策を嫌った政治家達の謀略によって滅びを迎える事となる。
9th-Gの概念戦争
王サルバは将軍家と和解し、土壌開発用大機竜ザッハークの再開発を開始した。しかしそれを良しとしなかった政治家達はサルバを暗殺し、王妃をザッハークの最終部品に組み込み、全てを諦めた大将軍に軍と恭順した3rd-Gを率いさせて概念戦争に勝利しようとした。だが9th-Gの調査に赴いたアブラム・メサムの手により大将軍は重傷を負い、ザッハークは王妃ごと破壊され、ザッハークに内蔵されていた概念核の半分も、9th-Gのもう1つの概念核兵器ビルマーヤに統一されて持ち出されたため9th-Gは滅んだ。
9th-Gの概念核
概念戦争開始時:土壌開発用大機竜「ザッハーク」/聖槍「ビルマーヤ」
概念戦争終了時:聖槍「ビルマーヤ」
全竜交渉開始時:聖槍「B-Sp(ベスプ)」

[編集] 10th-G

10th-Gの世界観
詳細は不明だが、加護と治癒の効果を持つ概念を有していたと思われる世界。北欧神話の原型とされるGで、1st-Gが民話や伝説のGであるのに対し、こちらは本当に神々が住むGであった。Low-Gでは1st-Gと同じくドイツ、神州世界対応論では近畿周辺に対応する。
概念核を保有する世界樹を主軸にして天上、地上、地底の3層からなる。天上に住む神々は人間達を管理し、天上と地上は繋がっていた。また地底には罪を得た死者と巨人達が住んでいた。地上には人間などが存在していたと思われる。
10th-Gの主要となっていた神族は、自他共に認める全G最高の種族であった。だが彼等は大気に精霊が住む10th-Gの中でなければ健康を維持出来ず、10th-Gの概念による概念空間外で生活すれば寿命を縮める。そのためLow-Gにいる神族達は閉鎖的で、UCATの10th-G居住区から出てくる事は殆ど無い。
政治体系も一切が明らかになっていないが、主要となっていたのが神族であった事を鑑みるに、民主政治は行われていなかったと思われる。
6th-Gの項目にもあるとおり全竜交渉が始まる前に10th-GはLow-Gに恭順している。
10th-Gの概念戦争
全知全能の神々が住まう10th-Gはいずれ滅ぶ事が予言されおり、神々は世界樹から概念核を確保する事で治世を保とうとした。しかし内乱が勃発し、神々は内乱鎮圧のために雷神鉄槌を開発したが、地下組織の手引きを得た9th-Gによって奪取された。神々は当時調査に来ていた出雲・全に奪還を託し、彼はそれを取り戻した。その後雷神鉄槌は概念核を封じる保存器兼最強武器として神槍G-Spに改造され、世界樹から抽出された概念核が収められた。しかし雷神鉄槌から転じたG-Spには9th-Gに奪われている間にザッハークの遺伝子が組み込まれており、概念核は神焉竜に変貌し10th-Gを滅ぼした。神々はLow-Gに避難したが、概念戦争後に神焉竜がLow-Gに出現、ノアの逆封印の原型となった封印式によって衣笠・天恭を犠牲にした封印が成されてG-Spに収められた。
10th-Gの概念核
概念戦争開始時:神樹「世界樹」/機殻鉄槌「雷神鉄槌(トウールハンマー)」
概念戦争終了時:概念竜「神焉竜」(神槍「G-Sp(ガスプ)」に封印)
全竜交渉開始時:神槍「G-Sp2(ガスプツー)」

[編集] Low-G

Low-Gの世界観
我々が住んでいる、概念に寄る如何なる長所も持たないマイナス概念の溜まり場とされる世界。『聖書』の原型であり、各Gが貯めた負荷を落とし込むために各Gの話が伝説や神話となって伝えられている。最低最弱のGとされていたが概念戦争に勝利し、現存する唯一のGとなっている。各Gの生き残りたちも流れ着いており、彼等は主にUCATに恭順するものとしないものに分けられる。
Low-Gの概念戦争
概念核が一種の原動力として認知されているGも多い時代において、概念さえ知らなかったLow-Gは非常に劣ったGであった。しかし衣笠・天恭が提唱した神州世界対応論により、護国課は地脈という形で概念に触れた。そして飛場・竜徹とジークフリード・ゾーンブルクの前に機竜と武神の残骸が落ちてきた事により、Low-Gは概念戦争とGの存在を知った。やがて護国課は日本UCATとなり、8人の対異G調査員が回収した異Gの技術、恭順した2nd-G、亡命してきた3rd-Gの女性レア、そして共同戦線を結んだショートル3を筆頭とする5th-Gの機竜群の協力を得て自分達の技術力を高めていった。そして8人の調査員達は各々の方法で10のGを滅ぼした。
Top-Gとは「Low-GとTop-Gが衝突する時刻まで争わない」という約定を結んだが、崩壊を拒んだLow-Gの五大頂達がTop-Gを滅ぼした事で概念戦争を生き延びた。この際にマイナス概念が暴走したため、関西大震災が発生した。
Low-Gの真実
太古において存在していたという全概念を有する「混沌」の飽和爆発によって10のGが生じ、プラス概念発生によるマイナス概念の対発生によって生じたGだとされていた。しかし「混沌」の飽和爆発から分散して発生した10のGとは別に、プラス概念を進化複製して修繕したTop-Gの劣化複製であり、そして概念戦争という全G崩壊の危機の原因となった事がハジによって明かされた。Top-Gとは文化や文明、歴史は相違が殆ど無く、人間もTop-Gの人間と対応していた(劣化複製であるが故に性別は反転しており、また世代を重ねる毎に対応は崩れており、対を持たない者も多かった)。
しかしハジによるTop-Gの存在を持ってしても明かされない謎があった。それは「聖書の伝承がTop-GではなくLow-G自身のもの」という事、そして「マイナス概念しかない世界に人間達が存在し、しかもプラス概念が入り込んでも世界を維持出来ている事」という2つである。
当初、「Low-GはTop-Gの劣化複製である」とされていたが、真実は異なる。1995年にマイナス概念を暴走させたノアは、逆封印という「対象を何も存在していなかった時代までタイムスリップさせる儀式」によって原初の時代まで落とされた。そこで「何も存在していない世界にノアが存在した」という矛盾が発生し、ノアは矛盾許容概念を得た。そしてノアが所持したマイナス概念の対として10の概念核とGが発生した。またマイナス概念を持つノアから矛盾許容概念を有するLow-Gが発生し、プラス概念とマイナス概念の余剰反発力からTop-Gが生じた、というのが真実であった。つまり世界は一度ループしており、Low-GはTop-Gと同じく、全Gの母である。
Low-Gの概念核
常時:概念核保管施設「バベル
最終決戦時:全竜「レヴァイアサン

[編集] Top-G

Top-Gの世界観
Low-Gと隣り合う形で存在していた、知られざる12番目のG。全ての概念を有した最高位のGであり、世界の始まりに存在していたという「混沌」をGという形で再現した全Gの母とも言うべき世界である。
Top-Gの概念戦争
全Gのプラス概念を有したTop-G。その姿はLow-Gとほぼ同じだったため存在を知るものは9th-Gと10th-Gの一部しかいなかった。そのため第2次世界大戦時代の概念戦争には一切関わらなかった。全Gの生き残りがLow-Gに亡命した後、その存在を知った日本UCATの一部とTop-Gは「Low-GとTop-Gがぶつかる時刻まで争わない」という約定を結んだ。
その後Top-Gは10th-Gを超える最高の世界という立場を果たすため、Low-G人類も含めた全ての生き残りを住人として迎える計画を進めた。その中で概念創造技術を考案した新庄・由起緒の亡命を得て、Top-Gは概念創造施設ノアを建造した。しかし1995年12月25日、自分達の世界が滅ぶ事を拒んだ当時の日本UCATが侵攻、ノアで創造されたマイナス概念を暴走させてTop-Gを滅ぼしたとされる。
Top-Gの真実
Low-Gの項目にも記載の通りLow-Gの複製元であり、その文化や文明はLow-Gのものと殆ど無く、人間もLow-Gの人間と対応していた(前記している通り、世代を重ねる毎に対応は崩れ、対を持たない人間も多かった)。完全無欠たる最高のGとされていたが、Top-Gには欠けているものが2つあった。それは「聖書の伝承を持たない」という事、そして「概念創造が出来ない」という事実であった。

Top-GはLow-Gの複製元である」とされていたが、真実は異なる。Low-Gの項目でも記された通り、Top-Gとは虚無の時代に送られたノアのマイナス概念から対発生したプラス概念の複製が寄り集まったものであり、真に複製だったのはTop-Gであった。しかしTop-Gがノアを造り、虚無空間落としが発動していなければ世界の創造は無く、Top-GとLow-Gは等しくは全Gの母である。

Top-Gの概念核
常時:概念創造施設内包型航空艦「ノア

[編集] 概念・概念核とは

概念(がいねん)とは、あらゆる現象を突き詰めた先にある「それはそういうものだから」と言わざるを得ない部分の事である。作中では「AはBである」と概念が明確に文章化されており、これに当てはまるものは概念とみなされる。「重力は下に落ちる」「光は直進する」「音は振動する」「時間は有限である」すべて概念である。すべて当たり前であり、「もとからそういうふうになっているもの」である。しかし他のGでは当たり前でない。「文字は物質である」「鉄は生物である」「ベクトルは逆に働く」「水は上に昇る」「空は地面である」これが当たり前であったとしたらどうだろうか? その世界は自分たちの住む場所とはまったく異なる世界だろう。つまるところ「それがどんなGなのか?」を知るということは、そのGには「どんな概念が存在するのか」を探求するということと同義である。
各Gの概念はそのGを象る物理法則の根底である。対して「概念核(がいねんかく)」とは「母体概念(ぼたいがいねん)」とも呼ばれる、各Gに1つずつ存在する巨大かつ強力な概念の塊である。原始の「混沌」に生じたそれらは個々に世界を組み上げ、世界観も物理法則も全く異なる10のGが発生した。世界そのものとも言えるその能力は強大を極め、自我を持ち、担い手を自ら選定する。
概念を空間に放つことで、その特性に沿った異空間を発生、または発生済みの空間を変質させる。この際に概念の特性を示す言葉を叩き込む。意思に直接響くそれは「概念条文(がいねんじょうぶん)」と呼ばれる。また発生した空間は「概念空間(がいねんくうかん)」と呼ばれる。
ここまで記してきた概念は「プラス概念」と呼ばれる「特性を持ち、万物の存在維持を支えるプラス極の力」である。これらとは別に「マイナス概念」と呼ばれる「一切の特性を持たず、活性化すれば万物を毒して滅ぼす力」も存在している。プラス概念は10のGとTop-Gが持ち、マイナス概念はLow-Gが一身に持っている。
完全に新種の概念を生成する事は出来ず、造れても劣化複製が限界であるとされている。

[編集] 概念条文

1st-Gの概念
  • 『文字には力を与える能がある』『文字は力を持つ』
1st-Gの母体概念。文字内容を能力とし、書いた対象にそれを付加する。
  • 惑星は南を下とする』
1st-G王城派が使用した概念。言葉通り、南方が下となる。
2nd-Gの概念
  • 『名は力を与える』
2nd-Gの母体概念。名前の指し示すものを能力とし、持つ者に付加する。
  • 『光とは力である』
X-Wiに搭載されている概念。翼の形成や攻撃力の付加などといった「力」を光に与える。2nd-G皇族、月読家の力を劣化変質させたもの。
3rd-Gの概念
  • 鉱物は命を持つ』『鉱物は生きている』『金属は生きている』
3rd-Gの母体概念。鉱物(金属や機械)に命を与え、行動するための力として軽度の重力制御能力を与える。
  • 『人の思いは通じる』
ギュエスが用いた3rd-Gの劣化概念。人間限定で、思いが通じている相手と人格が入れ替わる意思共通概念の一種。
4th-Gの概念
  • 植物は支配者である』
4th-G概念。植物に意思と行動力を与え、動物としての特性を与える。
5th-Gの概念
  • 『ものは下に落ちる』
5th-Gの母体概念。「下」が設定されていない物は重力を得られず、されている物は自身の認識次第で「下」を変更出来る。
7th-Gの概念
  • 『力は無限となる』『攻撃力は最大となる』『攻撃力は無限となる』
7th-Gの母体概念の1つで、一光の固有概念。あらゆる攻撃と武器の威力が無限大(等価化)となる。
  • 『真実のみとなる』『世界には真実しかない』
7th-Gの母体概念の1つで、二順の固有概念。全ての嘘(言葉、フェイント等)は物理法則すら無視して封じられる。
  • 『解り合えるものは無い』
7th-Gの母体概念の1つで、三明の固有概念。自分以外の全てが認識出来なくなる。ただし自分の五感の変化は「自分自身の変化」とされるため影響を受けない。
  • 『世界は一瞬で真逆となる』
7th-Gの母体概念の1つで、四吉の固有概念。自分と任意の相手の立ち位置と状態を、一瞬で入れ替える。
10th-Gの概念
『能力は逆転する』
トールハンマーに搭載されている概念。他者や武装によって得ている能力が逆転する。本人が元来持つ能力には影響しない。
基礎不明の概念
佐山が初めて聞いた概念条文。効果は貴金属に対する攻撃力の付加。
  • 『地に足が着いている』
日本UCATで使われている概念。自身の足裏が触れている面を地面と設定し、足さえ着いていれば壁だろうが天井だろうが立ち、歩く事が出来る。
  • 『見えぬところに真実がある』
日本UCATで使われている概念。隠蔽効果の一種で、正しい情報や存在を認識出来なくする。
  • 『秘密とは隠し事ではない』
米国UCATが用いた尋問用の概念。影響下にある者は秘密を秘密として認識出来なり、受けた質問に対して自分が知る限りの全てを答える。
  • 『全ては一つに通じる』
ノアが用いた概念。概念空間の土地の位置関係を改竄し、一本道に並び替える。空間を一周すると概念が否定されて解除される。

この他にも様々な概念がある。

[編集] 概念兵器

概念兵器とは、概念を内蔵する事によって戦闘力を発揮する武器の総称である。その系統は大きく分けて「機殻(カウル)」の名を冠するタイプと、そうでないタイプに分けられる。それとは別に概念核の有無によっても分けられ、概念核を収めた物は「概念核兵器」、または概念核入り兵器と呼ばれる。「概念を内封した戦闘用機械」を概念兵器と定義するならば、機竜や武神、戦闘用ならば自動人形も概念兵器の一種として含む事が出来る。

[編集] 概念核兵器

概念核を内蔵した概念兵器は概念核兵器と呼ばれ、その意思を示し、そして世界一つ分であるに相応しい強大な戦闘力を有している。

それぞれの概念核兵器はギアと概念戦争の項を参照のこと。なおTop-GのノアとLow-Gのバベル/レヴァイアサンは同一のものである。

[編集] 機殻

機殻の名を冠する概念兵器は武器の形状をとった物に限定され、完全な戦闘用である。しかし、ただ概念を内蔵しただけでは武器がその力に絶え切れず自壊してしまうため、機殻によって強度を高め、出力と能力の方向性を定める。

武器の形態は多種多様であり、確認されているのは「機殻剣(カウリングソード)」「機殻杖(カウリングストック)」「機殻槍(カウリングランス)」「機殻鉄鎚(カウリングハンマー)」「機殻弓(カウリングアロー)」「機殻銃(読み方不明。恐らくカウリングガンもしくはカウリングライフル)」の6種である。

[編集] 機殻剣

剣の形態をとる概念兵器の総称。登場する中では最も該当する物が多い。

V-Sw(ヴィズィ)
現在の6th-G概念核兵器で、出雲・覚の専用武装。
ヴリトラにヴァジュラを納めたもので、6th-G製の機殻剣。普段は身の丈程もある巨大な白い剣の形をとる。性格はマイペースでのんびり屋。
  • 第1形態(通常形態)/通常の大剣
  • 第2形態/光の刃とスラスターを展開する
  • 第3形態/輪廻転生の力で万物を破壊・再構成する砲
  • 第4形態(最終形態)/最大出力で全長500m超過の巨大な光の刃を形成する
ヴリトラ
概念戦争時代に開発された6th-G製の機殻剣で、V-Swの前身。
6th-Gの世界を維持するため、ヴァジュラと釣り合うように概念核と同量の概念を詰め込まれており、強力ではあったが概念核兵器ではなかった。しかし後に6th-G概念核であるヴァジュラが収められた。
グラム
1st-G製の長剣型機殻剣で、「聖剣」の名を冠する。現在の1st-G概念核兵器。
概念核を封印するために作られた剣で、概念戦争中にジークフリート・ゾーンブルグの手でファブニールの原動力である1st-G概念核の半分が封印された。また1st-Gとの全竜交渉でファブニール改を撃破し残り半分の概念核も封印したため、1st-G概念核全てを納める概念核兵器となった。
重量は3kgあるが全体のバランスがよく扱いやすい。また文字により内部の空洞を7000倍まで拡張し、そこに文字概念を書き込み納めている。
十拳(とつか)
2nd-GとLow-Gが共同開発した長剣型機殻剣で、「神剣」の名を冠する。現在の2nd-G概念核兵器。
2nd-Gに存在する全姓名(八百万種)が打ち込まれた鉄片を束ねて造られている。暴走する炎竜八叉を封印するためにカシマと大城・宏昌が主導となって開発したもので、概念戦争後は荒王の艦橋部に放置されていた。
フツノ
かつて鹿島・昭緒が制作した2nd-G概念対応のLow-G製機殻剣。
数年前の鹿島が技術の粋をかけて制作したもので、その攻撃力は高い。しかし造られた当時は試作型であり、不完全なままの試験運行で過剰な攻撃力を発揮し、鹿島・奈津(当時は高木姓)を巻き込む崩落事故を起こした。その後壊れたまま封印されていたが、鹿島の手で修復され完成型となって全竜交渉部隊との模擬戦に用いられる。
「フツ」とは「裁ち切る音」の表現、つまり「切断」の象徴であり、それを名とする事であらゆるものを切断する機殻剣となった。
火迦具土(かぐつち)
武雷剣(たけみかづちのつるぎ)
阿武さん(あぶ-)
2nd-G概念対応のLow-G製機殻剣。2nd-G概念下でそれぞれ炎・雷・水を放つ。
美明(みめい)
UCAT空白期に月読・有人が開発した日本刀型のLow-G製機殻剣。
月読・有人が開発し飛場・竜一が使用していたが、彼の死亡によって長田・竜美の手に渡り、本編では彼女が使用する。能力やエネルギーを刀身に吸収し、所有者の望んだ瞬間に解放する能力を持っている。
クサナギ
鹿島・昭緒が制作した2nd-G概念対応のLow-G製機殻剣。熱田・雪人の後期専用武装。
初登場時は試作型であったがその戦闘力は非常に高く、最高位の剣神の姓を持つ熱田でさえも両手を用いなければ扱えなかった、剣神と対等に在ることが出来る唯一の機殻剣。試作型は3回振るって大破したが、後に数度修復され「レヴァイアサン」の封印戦では回数制限の無い完成型になった。
所有者がクサナギの存在を明確にする事で力を発揮し、軌道上の物を切り裂くのではなく視界に入った空間そのものを刀身と化し、斬撃を与える。

[編集] 機殻槍

槍の形態をとる概念兵器の総称。登場する物は少ないが、いずれも強大な性能を秘めている。

G-Sp2(ガスプツー)
「神槍」の名を冠する現在の10th-G概念核兵器で、風見・千里の専用武装。
普段は身の丈程もある長大な白い槍の形態をとっている。純粋無垢かつ従順な性格。風見を慕い、大事に思っているが、決して甘いという訳ではない。
その来歴は複雑で、元々は10th-Gで内乱鎮圧用に制作された機殻鉄槌「雷神鉄槌」だった。後に10th-G概念核を封印する保存器兼武器として現状の前身となる神槍「G-Sp」に改造された。そして全竜交渉前に風見に合わせるために再度の強化改造を受け、G-Sp2へと至った。
  • 第1形態(通常形態)/通常の長槍
  • 第2形態/肩に担うタイプの長砲
  • 第3形態/神焉竜を一時的に解放する小型飛行艇
  • 第4形態(最終形態)/解放した「神焉竜」で「真大神槍(タイタニックランス)」を形成する巨槍
G-Sp(ガスプ)
概念戦争時代に開発された10th-G製の機殻槍で、G-Sp2の前身となった概念兵器。
10th-G概念核を封印するために雷神鉄槌を機殻槍に改造したもので、この頃から「神槍」の名を冠した。
B-Sp(ベスプ)
概念戦争時代に開発された「聖槍」の名を冠する9th-G製機殻槍で、現在の9th-G概念核兵器。
如何なるものにも引火し、灰になるまで消える事の無い特殊な炎を放つ能力を持っており、炎を崇める9th-Gを象徴するものである。通常形態では極厚の穂先を有する槍だが、二双の槍に変形する事も出来る。戦闘時は炎熱を放ち、冷闇を操り対象を停止・破壊することが主要能力となる。
元々は炎熱と冷闇を司る9th-G概念核の半分、炎熱の部分が封印された9th-G王家の秘宝ビルマーヤだった。概念戦争でザッハークと戦い、原動力だった残り半分の9th-G概念核を吸収した事により、完全な9th-G概念核兵器となった。普段は奥多摩UCATの地下格納庫に封印されている。特定の使用者はいないが、アブラム・メサムとハジ以外は使用していない。
ノースウィンドの槍(正式名称は不明)
元々はセイル・ノースウィンドが所有していた機殻槍。リチャード・サンダーソンに受け継がれた。
黒陽との対決時にリチャード・サンダーソンが眉間部に突き刺し、最終決戦時にダン・原川が黒陽を破壊する決め手として頭部を突き破り、砕け散った。

[編集] 機殻杖

杖の形態をした概念兵器の総称。その機能は杖というよりもバズーカに近い。

Ex-St(エグジスト)
あらゆる概念空間に対応する事が出来るLow-G製概念兵器。新庄・運切の専用武装。
砲塔を交換し、砲撃の種類を変化させる事が出来る。砲撃はトリガーではなくボタン式で行うため、撃ち方次第ではかなりの速度での連射が可能である上に、ある程度の追尾性能も備えている。新庄・運切の要望で出力調整は所有者の意思によって決定する仕様になっている。
連続使用によって加熱した余剰出力を一気に放出する事で、瞬間的な大出力砲撃も可能としている。

[編集] 機殻鉄槌

鎚の形態をとる概念兵器の総称。作中での登場は終盤からである。

ヴィーマ
6th-G製の機殻鉄槌で、巨大な鉄槌の形状をとる。ロベルト・ボルトマンの専用武装で、強力な打撃力を誇る。
トールハンマー
概念戦争時代に開発された10th-G製機殻鉄槌。長柄の鎚の形状をとっている。
G-Sp2の原型となった雷神鉄槌とほぼ同名だが、G-Sp2が別個に存在している以上、それとは別に造られた同形式の機体であると思われる。概念戦争後は10th-G居住区に預けられており、ノアの起動をめぐる戦いの中でヨルスに預けられ、風見・千里と出雲・覚との戦闘に用いられる。

[編集] 機殻弓

弓の形態をとる概念兵器の総称。これに分類されるのは月天弓のみである。

月天弓(げってんきゅう)
2nd-Gの皇族、月読家に伝わる2nd-G製機殻弓。現在は月読・史弦の専用武装となっている。全長2mを超える長大な弓の形態をとる。
月読の名のもと、月光を光の矢に変えて放つ。弦を引き続ける事により溜め撃ちが可能。対概念戦争用兵器とされる筈だったが、実際に使われる事は無かった。皇族の名と連携する事によって機竜すらも撃ち抜く破壊力を有する。
先代の持ち主は月読・有人だったらしく、月読・史弦はこれを夫の形見としている。

[編集] 機殻銃

銃の形態をとる概念兵器の総称。特筆する高性能の物は無いが、平均的な武装として広く使われている。

  • アルベルト・ノースウィンドがTop-Gとの戦闘時に使用しており、狙撃銃の形態をとる。
  • 1st-G王城派も使用していたがその機構は1st-G概念に基づいたもので、装填した書物に込められた熱意を弾丸として放つ。

[編集] その他

機殻が施されていない概念兵器の総括。概念兵器の機能は必ずしも戦闘に限定された物ではなく、本来は戦闘用で無かったものや応用次第で攻撃力を持つものも含まれている。そうした物の多くは特別な力を持っていたり癖のある機能を有している。機竜や武神に搭載する大型概念兵器もここに分類される。

[編集] Low-G製

ゲオルギウス
衣笠・天恭が考案し、いつの間にか製作されていたグローブ型の概念兵器。
プラスのメダルが嵌め込まれた左手用と、マイナスのメダルが嵌め込まれた右手用の一対で、メダルは脱着が可能。佐山・御言に渡された時点で残っていたのは片方のみで、もう片方は何処かに保管されている。佐山と新庄の眷属以外の人物による着用が不可能で、無理に着用するとその手を引き裂いて拒絶する。3rd-G概念とは異なる手段によって意思を持つ謎の概念兵器。
概念の増幅や効果を逆転させる機能を持つが、左右のメダルを逆にはめると概念破壊の力を行使できる。
その正体はノア内部の鋳造施設で、新庄・由起夫の体を材料として制作された概念兵器。彼の遺思が宿っており、ゲオルギウスが佐山と新庄の眷属以外を拒むのはそれに寄るものである。
行方不明の片方は佐山・浅犠と共に逆封印によって1940年代に過去に飛ばされ、衣笠図書室の書斎に隠された。
X-Wi(エクシヴィ)
風見・千里が有する飛行用概念兵器。2nd-G概念の月読の姓を元にした概念を搭載している。自力で概念空間を展開する事が出来る稀少な機体(概念条文は「光は力となる」)。
ベルトで肩甲骨辺りに固定する。搭載した概念で光の翼を展開し所有者を飛行させる事が可能で、概念の流用であらゆる光に力を与える事も出来る。
荒王(すさおう)
大城・宏昌が2nd-Gの技術者達と共に開発した超巨大人型機械。
3rd-G概念ではなく2nd-G概念によって造られているため、武神ではない。巨大だが行動力は著しく低い。十拳と共に炎竜八又封印用に開発され、飛場・美影を反射機構の中核として搭載していた。
概念戦争時の炎竜八又封印時にその炎熱によって艦橋部周辺が焼滅している。
徹神丸(てっしんまる)
世界最初の独逸製対戦車長銃を武神用に拡大製造した超大型狙撃銃。装弾数は3発で、有効射程距離である約1km以内なら、武神3体分の装甲も貫通する威力を発揮する。その機体を維持する上で概念を用いていると思われるが、明言されていない。
無列(むれつ)
かつて佐山・浅犠が造るも強大過ぎる戦闘力ゆえに出雲UCATの奥に封印されていた概念兵器の1つ。一光が盗み出して用いる。
長大な青龍刀型だが機殻剣ではなく、材質は極普通の金属であり、搭載されている概念も戦闘用ではない。その概念とは無限複製とその応用による無限再生であり、刀身が壊れ易いのと引き換えに幾らでも代えの効く仕様となっている。複製は柄の根元にあるスイッチで発動する。
天地戯画・一丸(てんちぎが・いちまる)
かつて佐山・浅犠が造るも強大過ぎる戦闘力ゆえに出雲UCATの奥に封印されていた概念兵器の1つ。三明が盗み出して用いる。
非常に長い巻物の形状をとり、元々は環境調整用に開発されたもの。「巻物内に疑似空間を創り、内外の物を出し入れする」機能を持ち、疑似空間内のものを外部に射出し、通常空間のものを内部の疑似空間に取り込める。疑似空間は巻物に描かれた通り、天地創造から世界終末までを展開し、疑似空間に入ったものは世界終末までに出入り口を探し出さないと世界ごと滅ぶ。疑似空間の終末は巻物本体の対消滅を引き起こすため、都合その機能は一度しか使えない。
言詞鉄槌(バベルハンマー)
奥多摩UCATの最下層に封印されていた巨大な砲塔型概念兵器。
Top-Gと概念創造施設ノアの存在を知り、それを恐れた日本UCATが開発した概念兵器。Top-Gに侵攻の意思が一切無く、結果として日本UCATが滅ぼす結果となったため、上層部はこちら側の非を隠すため侵入絶対禁止の最下層に封印したという、UCAT空白期の象徴ともいうべき兵器である。

[編集] 1st-G製

鎮魂の曲刃(レークイヴェム・ゼンゼ)
1st-Gの冥府管理長に与えられる専用概念兵器。
長い刃を持つ大鎌の形状をとる。冥府と現世の仕切りを切り裂き、死者達と対話する機能を持つ。また死者達の協力を得る事で優れた戦闘力を発揮する事も出来る。元々は当代冥府管理長だったレギンの所有物だったが、レギンがファブニール改と合一して使用不可となった為、現在はブレンヒルト・シルトの専用武装となっている。

[編集] 3rd-G製

神破雷(ケラヴノス)
3rd-Gが開発した武神専用武装で、現在は冥府機構を併せ持つ3rd-G概念核兵器。ギリシャ神話において、テュポーンを封じるためにゼウスが放った雷を示唆する。
腕に装着される杭打機で、装填された槍に雷をまとわせて射出、相手を撃ち抜く。元々はテュポーンに搭載して事実上の最強武神とする予定だったが、クロノスによって荒帝に搭載される。飛場・美影の進化と共に槍を初めとした武装が追加される。

[編集] 5th-G製

宵星砲、ヴェスパーカノン
5th-G製の機竜専用武装で、現在の5th-G概念核兵器。宵星砲は概念戦争時代の形態で、後にヴェスパーカノンへと進化した。
元々の宵星砲はショートル3が搭載していた巨大な砲塔で、単体攻撃で唯一黒陽の装甲を貫く事が出来た。概念戦争における黒陽との決戦後にショートル3を除く全ての機竜が合一した事によって巨大な砲塔へと進化、白創も合一したことで概念核兵器となる。その後ショートル3が姿を消したため、砲塔だけの状態で奥多摩UCATに回収、封印されていた。
ヴェスパーカノンは強大な威力を誇り、黒陽を完全に滅ぼす現存最強の5th-G概念兵器と目された。その形状は通常の機竜では搭載する事が出来なかったが、サンダーフェロウは自らが完成させた新機能によって搭載を可能としたため、ヴェスパーカノンとは事実上、サンダーフェロウの専用武装である。

[編集] 7th-G製

四竜兄弟(よんりゅうきょうだい)
7th-G概念核を有する4人の人造人間。
7th-Gが誇る仙人達を合一・4分割して造り出した至高の肉体それぞれに概念核を分けて定着させられている。固定概念の力も相まって、並みならぬ戦闘力を誇る。その目的は「Low-Gが7th-G概念核を託すに相応しい世界か確かめる事」であり、「全力を出し切った末に破壊される事」を求めている。「退屈すると歳をとる」という老化条件を有しており、その末に老衰死すると概念核ごと消滅する。その正体は医務室所属として全竜交渉部隊に協力する4老人、一光・二順・三明・四吉である。
大聖(たいせい)
四竜兄弟の末弟、四吉が有する生体兵器。「生殖攻殻」の種名を頂く。
3m超の巨大な両腕の形をしており、肩甲骨に似たバックパックで繋がっている。浮遊しており、四吉の意思に応じて駆動、攻撃や防御、飛行手段にも用いられる。巨大化と空間破裂の能力を有し、近接戦には格闘、中・長距離戦は空間破裂による攻撃で対応する。普段は概念空間に収納されているが、小出力であれば概念空間から出ずとも空間破裂による攻撃が可能。

[編集] 9th-G製

ビルマーヤ
9th-G概念核の半分を内蔵していた槍。「聖槍」とも謳われる王家の秘宝で、王サルバが使用していた。アブラム・メサムがザッハークを破壊した際、内蔵されていたもう半分の概念核を吸収し完全な概念核兵器となる。

[編集] 10th-G製

神雷鉄槌(トウールハンマー)
予言によって治世が乱れ、内乱が起きた際に神族が開発した10th-Gの概念兵器で、G-Sp2の前身。内乱鎮圧に用いられる筈だったが10th-Gの地下組織の手引きで9th-Gに奪われる。その際にザッハークの遺伝子が組み込まれ、そこに10th-G概念核が収められた事で神焉竜を生み出す事となる。
神様式武器(かみさましきぶき)
ヨルスが用いる武器群。Low-Gで開発された通常武器をヨルスが10th-G概念で加工したものである。以下の種類がある。

[編集] Top-G製

賢石刀
戸田・命刻が概念創造の練習としてノアに造らせた、賢石を刀身とする一対の日本刀。それぞれ全プラス概念と全マイナス概念を詰め込んだもので、右手用の刀身は青く、左手用の刀身は赤い。

[編集] 賢石

賢石とは概念を封じ込めた結晶体の事であり、所有者の母体自弦振動を変えること無く概念の付加が可能である。所有者のみに概念の効果を与え、あるいは運用させる事が出来る。また概念兵器の燃料にも用いられる。以下に作中で使用される賢石の例を示す。

人に進化する賢石
飛場・美影とシビュレに搭載されている賢石。搭載している自動人形が望めば、その機体を人間へと進化させていく。
夢砂(ゆめすな)
ロジャー・シュリーが使う砂状の賢石。1st-G概念を劣化変質させたもので、「砂とは万物が長い年月の末に至るもの」として情報を保存、それを夢という形で対象に認識させる事が出来る。通常の砂を夢砂として加工するものらしく、その多くは素材となった砂の、夢砂に加工されるまでの周囲状況を見せるものである。
悪臭(オドー)
オドーが用いる賢石で、アンクレットに嵌め込まれた状態で肘に装備される。周囲の敵意を感知し、オドー自身の敵意を物理化して対象の頭にぶつけ、叩き伏せる。攻撃は指を鳴らす事で発動し、その攻撃は常に上から降って来る。

[編集] 自動人形

人型等身大のアンドロイドで、3rd-Gを象徴する機械の一種。3rd-G人類が身の回りの世話をさせるために開発したものであり、そのほとんどは侍女の姿をしている。感情は持たないが自ら思考して行動し、人間達、特に主人と定めた人間を助ける事が存在意義であり、至上の目的とする。また共通記憶という同形式の自動人形のみが参加出来る一種のチャット能力を持っている。Low-G製自動人形はSfを作成した独国UCATと、英国UCATが先進している。厳密には自動人形ではないが、「軍」は自動人形のボディを使用した「遠隔操作人形」を開発した。

量産型
最も一般的な自動人形。全部で117体存在する。基本的に同一規格だが、開発時の先天的要因と経験の差による後天的要因により個体差がある。モイラシリーズは量産型の上位機種であり、共通記憶を共有出来る。3rd-G崩壊の際に3rd-G残党に連れ添ったもの達と、神田研究所に流れ着いたもの達の二手に別れている。3rd-G側の自動人形達は月読・京によって花とその名前を貰っている。Low-G側の自動人形の名前は「漢数字+号」で統一されている。
モイラシリーズ
1st、2nd、3rdの3体が存在する。1stは記憶消去、2ndは子体自弦振動の観測、3rdは偽装記憶生成の能力を持ち、2ndは特に多重並列重力制御に長ける。概念戦争によって異Gに3rd-G人類が漂流した可能性があり、発見した場合に速やかに保護、3rd-Gの情報を与えるために造られた。量産型自動人形の上位体であり、共通記憶を共有できる。
ヘカトンケイルシリーズ
ギュエス、アイガイオン、コットスの3体が存在する。例外的に造られた戦闘用自動人形。3rd-G人類やテュポーンの警備・守護を担う。
人間に進化する自動人形
シビュレと飛場・美影の2体が存在する。3rd-G人類を増やす母体の不足を補うため、「出産可能な女性に成りうる自動人形」として開発された、非常に特殊な機体である。シビュレは試作品で、彼女を元に美影の機体は作られた。

[編集] 武神

全高凡およそ8m前後の巨大な人型機械。3rd-Gを象徴する機械の一種。元々は単体での行動力を強化するために造られたが、後に戦闘用と用いられる様になる。総じて遠距離兵器よりも剣等の近接兵器を主力としている。翼を有し、飛行能力を持つ物も多い。3rd-G純正品は搭乗者が機体と同化し一体化する事で操縦するが、何らかの装置によって遠隔操縦する形式も存在している。またヘカトンケイルシリーズのコットスのボディは武神の機体を用いている。機竜に比べて戦闘力は劣るが搭乗の危険性は少なく、汎用性も高い。

荒人(すさひと)、荒人・改(すさひと・かい)
護国課が3rd-G製武神の残骸を研究、修理した武神。3rd-Gでは標準的な機体。
荒人は概念戦争で飛場・竜徹が搭乗し、3rd-Gとの決戦で使用不能となった。その後日本UCATが回収、修理と改造を施して荒人・改となり全竜交渉で飛場・竜司が搭乗する。
荒帝(すさみかど)
飛場・御影が有する概念空間に収納されている黒い武神。美影の意思に応じて通常空間に出現、彼女と飛場・竜司と合一する。美影の進化に伴い武装の追加や彼女一人で遠隔操縦も出来るようになる。3rd-G概念核兵器、神砕雷を装備している。
テュポーン
3rd-G概念核を原動力にした白い武神。3rd-G王族の専用機。
概念戦争時代に蒼白の武神の副搭乗者だったアルテミスが、搭乗して殺されたアポルオンと己の死を置換し、更に搭乗席をテュポーンに移された際に己の死とテュポーンの生を置換したため、アルテミスそのものが宿る機体となった。ただし置換が不完全であったため、テュポーンが破壊されればアポルオンの肉体も破壊される。アルテミスが、自分が死んだ瞬間を思い出すと、テュポーンはアポルオンを搭乗させて暴走する。
アポルオンとアルテミスの能力を利用して小規模な時間制御が可能であり、「防御と回避の時間」を「相手の死角に回り込む時間と攻撃準備時間」に転化させる「瞬間攻撃」の能力を持つ。
3rd-Gとの全竜交渉後は軍の手に渡り、遠隔操縦型に改造されて長田・竜美が用いた。
蒼白の武神
アポルオンの専用機で、アルテミスの肉体を部品とし、彼女の意思をナビゲータとして副搭乗者としていた武神。概念戦争の際一度大破し、搭乗者席はテュポーンに移された。
全竜交渉後に再度テュポーンから搭乗者席を移し、アポルオンの再構成に使われている。その過程で機体は修復された。
赤い武神
ギュエスが所有する武神で、肩は無いが6本の腕を有する。主要武器は腕それぞれに持つ6本の剣。遠隔操縦型で、普段は彼女が持つ概念空間で待機している。ギュエスがこれを操るのはかなりの負担がかかるため、長時間の稼動はできない。
白銀の武神
元々はレアが所有していた武神。ゼウスによってレアごと大破したが、後に遠隔操縦型に改修され、シビュレが使用する。
灰色の武神
ゼウスの搭乗する武神で、2本の剣を持つ。ゼウスの意思のコピーが動かしているとされていたが、実際はゼウス本人が動かしていた。
3rd-G残党の武神
3rd-G残党が所有していた緑色の武神。同形式の物が複数存在しているが、全てモイラ2ndによって遠隔操縦されている。そのほとんどは飛場・竜司の操る荒人・改によって破壊された。
日本UCAT製武神
日本UCATが3rd-Gのものを参考に開発した武神で、ボディカラーは白と黒。3rd-Gとの全竜交渉に3体が参戦する。
自動人形仕様武神
長田・竜美との戦闘で大破したヴァイオレットが、修復が終わるまでの間ボディとして使用していた武神。自動人形の侍女服を参考にしたカラーリングがされている。

[編集] 機竜

概念戦争時代、単位では最強の戦闘力を誇った型の機械。強大な戦闘能力を有しているが、合一搭乗すると搭乗者は二度と分離できない欠陥があり、Low-Gの機竜は通常の搭乗手段を採用している。1st-G、5th-G、Low-G、Top-Gの4Gで開発されているが、本家は5th-Gである(1st-GとLow-Gは5th-G機竜の模倣であり、Top-GはGそのものが5th-Gの複製概念を持つ)。9th-Gもザッハークという機竜が存在しているが、描写がないため不明。軍もTop-Gの技術を元に機竜の開発を行っていた。

ファブニール、ファブニール改
5th-G機竜の残骸を研究して開発した1st-G製機竜で、それぞれ出力炉に1st-G概念核の半分を搭載する。陸上戦闘用であり、射撃や高速機動ではなく格闘による戦闘を行う。ファブニールは出力炉が1つしかなく、出力炉を破壊されて動けなくなる。ファブニール改は複製概念を積んだ2つ目の出力炉を搭載し、どちらかが壊れても即座に停止する事が無い様になっている。
5th-G量産型
5th-G概念の特性を活かした航空型機竜。変形型と非変形型の2種類がある。
  • 非変形型
内部の主骨格フレームに対して外装をほとんど変動させないタイプ。航空形態・格闘形態・汎用形態の3種がある。
主軸となるフレームが形を変えないので耐久度は高い。しかし前二者の場合は戦況の変化に対応できず、また汎用形態の場合、航空・格闘形態双方の長短も引きずるため、性能はどっちつかずとなる欠点がある。
  • 完全変形型
内部の主骨格フレーム自体を変形させて外装も変動する事で、航空形態と格闘形態の2形態を切り替えるタイプ。
状況に応じ形態を切り替えるため機動力・攻撃力共に高いが、フレーム自体を変形させるため耐久度が低い。
サンダーフェロウ
概念空間に各種部品やフレームを収納し、状況に応じてフレームを交換することでサンダーフェロウは格闘形態・通常巡航形態・高速巡航形態およびヴェスパーカノン砲撃形態の4形態に己を組み替える。
また、概念戦争から現代までの間に合一搭乗に関する欠陥が解決された唯一の機体である。
黒陽
単体では5th-G最強の戦闘力を持ちながら概念戦争で5th-G旧式機竜群に敗北した黒陽は、その原因を個体数の差と解釈し、自らの部品から無数の子機を分裂・開発し、大群を形成した。
黒陽本体は非変形型の進化をとり、外部に巨大で非常に重厚な双胴のフレームを装備した。
Low-Gの機竜
Low-Gの機竜は、5th-Gの機竜を研究して開発したもので、米国UCATが最も先進している。
概念戦争時代には、完全変形型機竜ブランカと非変形型機竜サンダーバードの2種類が米国UCATの主力量産機の座を争っており、ブランカがその座を射止めた。全竜交渉時にはブランカ9というブランカの後継機体が量産・主力とされており、日本UCATや黒陽との戦いで戦線に投入された。

[編集] 登場人物の族譜

終わりのクロニクルの世界は親族としての関係が非常に重要である。しかしその系譜は非常に複雑であり、一読しただけでは解らない事が多い。理解の助けとなるよう一覧を記載する。

佐山家
Top-Gでは戸田家、御言には命刻が対応する。
視点\相手 浅犠 愉命 御言
自分 養子 養子の妻 血の繋がらない孫
浅犠 養父 自分 息子
愉命 夫の養父 自分 息子
御言 血の繋がらない祖父 実父 実母 自分
新庄家
Top-Gでも同様に新庄家、由紀緒には由起夫が対応する。
視点\相手 由紀緒 由紀夫 運切
自分 息子 息子の妻 孫の夫 曾孫
実父 自分 娘の夫
夫の父 自分 娘の夫
由紀緒 祖父 実父 実母 自分 実子
由紀夫 妻の祖父 妻の父 妻の母 自分 実子
運切 曽祖父 祖父 祖母 実母 実父 自分
出雲家
10th-Gの血が入っているためかTop-G側の出雲家は登場せず。
視点\相手 覚 祖母 ヨルス 覚 母
自分 息子の妻の母 息子 息子の妻
覚 祖母 自分 息子の妻の母 息子 息子の妻
ヨルス 娘の夫の父 娘の夫の母 自分 娘の夫
実父 実母 妻の母 自分 息子
覚 母 夫の父 夫の母 実母 自分 息子
父方の祖父 父方の祖母 母方の祖母 実父 実母 自分
風見家
千里以外は概念戦争に関係者を持たないためかTop-Gの風見家は登場せず。
視点\相手 風見 父 風見 母 千里
風見 父 自分
風見 母 自分
千里 実父 実母 自分
飛場家
Top-Gでは長田家、竜司には竜美が対応する。美影と竜美は養子で、また美影は3rd-G王族の庶子にあたる。実年齢に基づき、姉弟の順序は上から美影、竜美、竜司として扱う。美影の肉親に関しては「3rd-G王族」を参照。
視点\相手 竜徹 トシ 竜一 竜司 母 美影 竜美 竜司
竜徹 自分 息子 息子の妻 息子の養女 息子の養女
トシ 自分 息子 息子の妻 息子の養女 息子の養女
竜一 実父 実母 自分 養子 養子 息子
飛場 母 夫の実父 夫の実母 自分 養女 養女 息子
美影 義祖父 義祖母 養父 養母 自分 義妹 義弟
竜美 義祖父 義祖母 養父 養母 義姉 自分 義弟
竜司 祖父 祖母 実父 実母 義姉 義姉 自分
サンダーソン家・ディビス家
Top-Gにはサンダーソン家と対応する一族があるが、姓名は不明。ヒオにはアレックスが対応する。アメリカ人の家系。同名の人間が多いため、サンダーソン姓はT、ディビス姓はDで区別する。
視点\相手 リチャード・T ジェームズ・D ジェシカ・D リチャード・D ジェームズ・T マリア・T ヒオ・T
リチャード・T 自分 養女の実父 養女 養女子の双子 血の繋がらない孫 孫の妻 血の繋がらない曾孫
ジェームズ・D 娘の養父 自分 息子 孫の妻 曾孫
ジェシカ・D 養父 実父 自分 双子 息子 息子の妻
リチャード・D 双子の養父 実父 双子 自分 甥の妻 甥の娘
ジェームズ・T 義祖父 祖父 実母 叔父 自分
マリア・T 夫の義祖父 夫の祖父 夫の実母 夫の叔父 自分
ヒオ・T 血の繋がらない曽祖父 実の曾祖父 祖母 祖叔父 実父 実母 自分
ノースウィンド家・原川家
Top-Gに対応する家系があるのか不明。アメリカ人の家系。また同姓のセイル・ノースウィンドとの関係も明言されていない。
視点\相手 セイル アルベルト ダン
セイル 自分 子孫(?) 子孫(?)の妻 子孫(?)
アルベルト 先祖(?) 自分 息子
夫の先祖(?) 自分 息子
ダン 先祖(?) 実父 実母 自分
大城家
Top-Gに対応する家系があるのか不明。
視点\相手 宏昌 一夫 美代子
宏昌 自分 息子 息子の妻
一夫 実父 自分 息子
美代子 夫の実父 自分 息子
祖父 実父 実母 自分
ゾーンブルク家
Top-Gに対応する家系があるのか不明。ドイツ人の家系。
視点\相手 ジークフリード ディアナ オドー
ジークフリード 自分 姪の夫
ディアナ 叔父 自分
オドー 妻の叔父 自分
田宮家
Top-Gでも同様に田宮家。作中に登場する中では唯一、人間の対応が崩れている。
視点\相手 誠三 遼子 孝司
自分 息子(?)
誠三 実母(?) 自分 息子
遼子 祖母 実父 自分 実弟
孝司 祖母 実父 実姉 自分
鹿島家
2nd-Gの軍神の家系。
視点\相手 カシマ 鹿島 父 鹿島 母 昭緒 奈津 晴美
カシマ 自分 息子 息子の妻 孫の妻 曾孫
鹿島 父 実父 自分 息子 息子の妻
鹿島 母 夫の実父 自分 息子 息子の妻
昭緒 祖父 実父 実母 自分
奈津 夫の祖父 夫の実父 夫の実母 自分
晴美 曾祖父 祖父 祖母 実父 実母 自分
月読家
2nd-Gの皇族。皇女にあたる京が、3rd-G王族のアポルオンと結婚している為、関わりが強い。アポルオンの肉親に関しては「3rd-G王族」を参照。
視点\相手 有人 史弦 アポルオン 京の子
有人 自分 娘の夫
史弦 自分 娘の夫
実父 実母 自分 実子
アポルオン 妻の実父 妻の実母 自分 実子
京の子 祖父 祖母 実母 実父 自分
3rd-G王族
3rd-Gの王族。当代王にあたるアポルオンが、2nd-G皇族である月読・京と結婚しているため、関わりが強い。京の肉親に関しては「月読家」を、美影に関しては「飛場家」を参照。
視点\相手 クロノス ゼウス レア アポルオン アルテミス 美影 京の子
クロノス 自分 息子 息子の侍女 孫の妻 曾孫
ゼウス 実父 自分 侍女 息子 息子の妻
アポルオン 祖父 実父 異母 自分 実妹 異母妹 実子
アルテミス 祖父 実父 異母 実兄 自分 異母妹 義姉
美影 祖父 実父 実母 異母兄 異母姉 自分 義姉
夫の祖父 夫の父 夫の異母 義妹 義妹 自分 実子
京の子 曾祖父 祖父 祖異母 実父 叔母 叔母 実母 自分
趙家・四竜兄弟
趙家は中国人の家系。四竜兄弟は肉親ではないが、作中では彼女の子として扱われるため、親族として表記。
視点\相手 一光 二順 三明 四吉
自分 息子 息子 息子 息子
叔母 自分 従兄弟 従兄弟 従兄弟 従兄弟
一光 従兄弟 自分
二順 従兄弟 自分
三明 従兄弟 自分
四吉 従兄弟 自分

[編集] 用語

[編集] 全G共通の用語

自弦振動
概念の力を示す可変一定周期の震動波。大きく分けて母体自弦振動と子体自弦振動の2つが存在し、あらゆる存在はこの2種を有している。
  • 母体自弦振動
保有している存在がどのGに所属しているのかを示す自弦振動。の様なもの。
  • 子体自弦振動
保有している存在の個性を示す自弦振動。人名の様なもの。
自分の母体自弦振動を変化させ、異なる母体自弦振動のGに移動出来るようにする機能を有した空間の穴。簡略すれば「異なるGや概念空間の入り口」。かつては巨大な装置が必要であったが、現在は人間ほどの大きさなら腕時計型の小型装置で開ける様になった。
概念符
身体強化系の概念が封じられた符で、札型の賢石ともいうべき物。7th-Gの肉体改造技術や1st-Gの文字に寄る能力付加で造られている。
人類
作中における人類とは、Low-Gにのみ存在する種族ではなく、生物の帰結として存在し、多くのGにも多少の差異はあっても存在している種族である。各Gの人類を以下に示す。
  • 1st-G人類
総じて白人系であるという事以外、特別な差異は明記されていない。だが1st-G生物の特色である、他G内での低すぎる適応力は有している。
  • 2nd-G人類
Low-Gの日本人と全く違いがなく、2nd-Gで生まれた、あるいはその子孫であるという事以外に区別する事が出来ない。Low-Gでの適応力も高く、何の不自由もなく生活している。
  • 3rd-G人類
その全てが生まれながらに3rd-G概念核の一部を宿しており、数千年単位の寿命と、宿した3rd-G概念核に由来した自然現象を操る能力を持っている。その個体数は種族を保つのに必要最低限であり、減る事はあってもそれ以上になる事は無い。母体の懐妊期間は非常に長いが、出産までの時間は非常に短い。
  • 5th-G人類
世界の特色として、機竜の開発に長けた技術者が多い。黒陽の暴走によって双惑星が破壊され、その被害と大気の急激な変動によって死滅したとされていたが、実際は9th-Gの細菌兵器によって多くが死滅、死を免れたもの達も機竜と合一し自分が人間であった事を忘れた。
  • 6th-G人類
総じて黒人系である。Low-G人類と大きな差異は無いが、Low-Gの大気に肌が合わない。
  • 7th-G人類
その全てが仙人と呼ばれる肉体改造と人造生物の開発を専門とする技術者である。技術を極限まで発達させ、人の身でありながら神にも等しい万能性を得た。しかしそれ故に生きる事に飽き、後継者として趙・晴を選出し、彼女に技術の全てを託して7th-G概念核と合一した。
  • 9th-G人類
総じてLow-Gで言う所の中東系人種である。目立った差異は見られず、Low-G内でも普通に行動する事が出来る様子。
  • Low-G人類
我々の事。作中では何の特色も持たないため、異Gの人類の特色を解り易くする比較とされる事が多い。その全てはTop-Gで生じた人間の劣化複製であり、Top-Gには本物の自分とも言うべき人間が存在している。ちなみに劣化複製である為、Top-Gの対応している人間とは性別が逆転している。
  • Top-G人類
あらゆるGの人類の長所を有し、またLow-G人類の複製元。Low-G人類がTop-G人類の劣化複製であるため、一部を除きLow-Gには性別の異なる対応する人間が存在した。生き残りは戸田・命刻、長田・竜美、田宮・詞乃、アレックス、Low-G人とのハーフである新庄・運切の5人。
異種族
人間と同等かそれ以上の知性を持つ、人間とは異なる生物の総称。

[編集] Low-Gの用語

全竜交渉(レヴァイアサンロード/ぜんりゅうこうしょう)
来たる2005年12月25日のマイナス概念活性化に向け、異Gの生き残り達から概念核の使用権を得るにする交渉。佐山・薫によって提案され、その交渉役には彼の孫である佐山・御言が推薦されている。全竜交渉には5つの前提条件が存在する。
  • 一、佐山・御言の探索に対し、同意する各G代表は自G以外の情報を漏洩せぬこと。また、G崩壊に関係する情報は原則として全竜交渉部隊が自ら調査、判断する者であり、他の何者かが指導する事をしてはならない
  • 二、UCAT関係者は、全竜交渉の開始前提情報と、友好Gの代表紹介以外、全Gの情報と、崩壊に関する情報を指導、公開する事をしてはならない
  • 三、協力者の補充は不問とするが、強制してはならない
  • 四、UCATは佐山・御言が自ら行動する際、全力を持って協力体制をとること
  • 五、6th-G、10th-Gの2つのGの交渉は既に終了しているので改めて交渉を行わず、他Gとの交渉を早急にあらゆる手段を持って行うこと
全竜交渉部隊(チーム・レヴァイアサン)
全竜交渉を遂行するために設立された特設部隊。選りすぐりの優秀な課員のみが所属される。監督には大城・至、交渉役は佐山・御言が勤める。
UCAT(ユーシーエーティー)
正式名称は「Universal Counter Attack Team」。世界各地に出現する未確認生物(実際は他Gの生物だった)に対応するため、世界単位で設立された機密組織。表面上は別の組織を名乗っており、日本ではIAIだが、それ以外では各国軍の名を使っている。
自国に対応するGがあるUCATは発言力が強いらしく、中でも独逸UCAT、米国UCAT、中国UCAT、日本UCATの発言力が特に強い。他にも露西亜UCATと仏蘭西UCATも発言力が強いが、対応するGを持たないため、上記の4つのUCATには及ばない。3rd-Gはギリシャ、4th-Gにはアフリカ、6th-Gにはインド、8th-GにはオーストラリアのUCATが対応しているのでそれぞれも発言力がある筈だが、目立った発言力は見せず、作中に登場もしない。
作中に登場したUCATは以下の通り。
  • 日本UCAT
かつての護国課を前身とする、概念戦争を終結に導いたUCAT。装甲服のカラーリングは白と黒。確認されている部署は奥多摩UCAT、横須賀UCAT、出雲CUAT、鳥取UCAT、長崎UCAT、静岡UCATの6つ。所属する者達は方向性こそ違うものの、全てハイレベルな変態である。神州世界対応論によって最も概念に触れたため、概念戦争に深く関わった。
  • 独逸UCAT
術式という1st-G概念を元にした技術に優れたUCAT。魔女達が多く所属しているため、装甲服は魔女の服を模している。自動人形の開発にも長けており、Sfを開発したのも独逸UCATである。概念戦争時代はジークフリート・ゾーンブルクが護国課顧問を勤め、その後に姪にあたるディアナ・ゾーンブルクを派遣している。
  • 米国UCAT
機竜の開発と操縦に長けたUCAT。装甲服のカラーリングは青。機竜と戦闘機が多く、航空戦力が豊富である。戦勝国側UCATのリーダー格であったためか数あるUCATの上に立ち、指揮する立場にある。正義と自由を重要視し、自らに味方する者には須くそれを与えようとする。日本UCAT発足時にリチャード・サンダーソンを派遣、その後に孫にあたるジェームズ・サンダーソンとその妻が亡命している。
  • 中国UCAT
様々な体技に溢れ、多種の道具の扱いに長けたUCAT。装甲服のカラーリングは緑。7th-Gと縁が深いため身体能力用の高性能な概念符を多数開発、所有している。概念戦争時代に趙・晴を派遣しており、その後も逗留させている。だが7th-Gとの全竜交渉で趙・晴が死亡し、損害を与えられたとして一時は他のUCATを率い、日本UCATと敵対した。
  • 中東UCAT
日本UCAT発足時にアブラム・メサムを派遣したUCAT。9th-Gに対応した国として発言力を持っている筈だが、目立った行動を見せていない。
  • 伊太利亜UCAT
イタリアに存在しているUCAT。軍によってTop-Gの存在が明かされた時、日本UCATへの糾弾会議で先陣を切って名乗りを上げた。
  • サウジUCAT
サウジアラビアに存在しているUCAT。軍によってTop-Gの存在が明かされた時、日本UCATへの糾弾会議で3番目に名乗りを挙げた。
  • 英国UCAT
イギリスに存在しているUCAT。レヴァイアサンとの最終決戦では第3区画の援護に現れた。自動人形の開発に長けており、また妖物退治が盛んな国である。
  • 仏蘭西UCAT
フランスに存在しているUCAT。レヴァイアサンとの最終決戦では第4区画、後に第1区画の援護に現れた。武神の開発に長けており、槍を使用する武神で大隊を組み参戦した。
  • 露西亜UCAT
ロシアに存在しているUCAT。発言力の強いUCATの1つだが、対応するGが無いため、発言力に欠けた。
  • 南アフリカUCAT
  • ケニヤUCAT
作中で存在を語られるUCAT。目立った行動を見せていない。
神田研究所
日本UCATが有する概念関係の研究・開発施設。黒陽やリヴァイアサンとの最終決戦に用いられた大型概念空間発生装置を開発した。1995年の概念活性化によって動ける様になった3rd-G自動人形たちに一時占拠された。UCATに属する3rd-G自動人形の多くはここか出雲UCATに所属している。
尊秋多学院(たかあきたがくいん)
東京都秋川市(現在のあきる野市)に存在する私立高校。佐山・御言や新庄・運切(新庄・切の名で在学)を始めとする全竜交渉部隊メンバーが通い、他にもブレンヒルト・シルトやジークフリート・ゾーンブルク、大樹・リール等日本UCAT関係者も多く所属している。過去に佐山の両親や新庄の母親も在籍していた。学生寮を備え、マラソン用のトラックもあるなど設備が整っている。設定ではJR五日市線秋川駅に近いとされている。
在籍者(職員、生徒を含む)には日本UCAT関係者が多く、他Gからの帰化者やその子供達、もしくは何らかの理由で巻き込まれた者達は基本的にこの学園に入学するとされたが、在学生徒の全てが日本UCAT、あるいは全竜交渉部隊に所属していた。
衣笠図書(きぬがさとしょ)
尊秋多学院内にある図書室。創立者は衣笠・天恭で、現在はジークフリード・ゾーンブルクが司書を勤めている。非常に大規模で、尊秋多学院2年時普通校舎の1階の8教室分と更にその廊下、地下等にも広がっている。その何処かには衣笠・天恭の「書斎」がある。
書斎(しょさい)
衣笠・天恭が仕事場として開発した施設。奥多摩山系奥地の自宅と衣笠図書に存在する。
IAI(アイエーアイ)
日本UCATが表向きに掲げている総合企業。
出雲社の出雲航空技研が前身となっており、元々は航空技術を専攻する企業だった。だが神州世界対応論遂行のために設立された護国課が概念戦争に関わったために他Gの技術を触れ、それを解析して製品に用いる事で数々の成果を上げ、世界有数の大企業にのし上がった。
手掛ける事業は幅広く、航空旅客事業(企業名はIAL)から自動車・家電製品等の製造、清涼飲料水販売まで取り扱っている。現社長は出雲・烈。息子である覚が次期社長候補である。
護国課(ごこくか)
第二次世界大戦直後、衣笠・天恭が提唱した神州世界対応論を遂行するために出雲社(後のIAI)に設立された部署。
衣笠・天恭を中心にして佐山・薫、新庄・要、出雲・全、大城・宏昌、飛場・竜徹が所属し、ドイツから来たジークフリード・ゾーンブルクが顧問を勤めた。神州世界対応論によって世界中の地脈に干渉したことで概念に対する知識と技術を早い段階から取得していた。
後にUCATに見つかり、吸収されるという体裁を取る事でUCATの面目を保ちつつ協力、日本UCATに発展した。尚、衣笠・天恭と新庄・要は日本UCATに所属しなかった。
神州世界対応論(しんしゅうせかいたいおうろん)
衣笠・天恭が提唱した理論。その内容は「日本は世界の地形と対応する、世界全体の地脈の中心である。各国の地脈をそれと対応した日本の地脈と接続、そして日本側の地脈を活性化させれば接続先の国の地脈の活性化につながり、世界全体の情勢を左右出来る」とするものである。実際本編中では成功しており、日本は世界全体の情勢管理を担い、その災厄を一身に背負う事で占領を免れたとしている。
日本列島を世界大陸に当てはめており、この論によると東北沿岸部は中国大陸からロシアの東側沿岸、東京湾黄海伊豆半島タイ、静岡はインド、伊勢湾ペルシャ湾紀伊半島アラビア半島琵琶湖カスピ海大阪湾黒海、児島半島はギリシャ、呉周辺がイタリア、対馬はイギリス、島根半島はノルウェー、四国がオーストラリア大陸、九州はアフリカ大陸、佐渡が北極の島々となる。北海道については、渡島半島がアラスカ、中部が北米、根室・北方領土が南米となる。この理論における日本は伊豆七島に、富士山エベレストに相当する。
この理論は異GのLow-Gにおける勢力図にも関わっており、異Gは自らの世界に対応した国か、あるいは神州世界対応論で対応した地域に門を開いて亡命、居留地やUCATに従わない残党の拠点の位置もこれに寄る。
八大竜王(はちだいりゅうおう)
概念戦争において10のGを滅ぼした8人の総称で、護国課の中心人物5名と後の日本UCAT発足時に他のUCATからやって来た3名の事を言う。元々は他Gの調査員だったが、紆余曲折の果てに担当したGの崩壊に携わる事となる。佐山・薫と出雲・全がそれぞれ2つのGを担当したため、Gの総数と同数ではない。
概念戦争時代に1名、本編開始までに2名が死亡しており、本編が始まった段階では5名が生存していた。だが期間中、更に2名が死亡したこと、1名が既に死んでいたことが判明し、最終的に生きているのは2名のみである。以下に該当メンバーを示す。
  • 佐山・薫(護国課からの継続。4th-Gと8th-Gを担当)、本編開始前に死亡。
  • 出雲・全(護国課からの継続。6th-Gと10th-Gを担当)、本編開始前に死亡。
  • 大城・宏昌(護国課からの継続。2nd-Gを担当)、概念戦争時代に死亡。
  • 飛場・竜徹(護国課からの継続。3rd-Gを担当)、生存。
  • ジークフリード・ゾーンブルク(護国課からの継続。1st-Gを担当)、生存。
  • 趙・晴(中国UCATから派遣。7th-Gを担当)、全竜交渉中に死亡。
  • リチャード・サンダーソン(米国UCATから派遣。5th-Gを担当)、全竜交渉中に死亡。
  • アブラム・メサム(中東UCATから派遣。9th-Gを担当)、概念戦争時代に死亡していたことが判明。
UCAT空白期(-くうはくき)
日本UCAT内における、1985年から1995年代の従業員資料が大量消失している事実と該当時期のこと。空白期の後に幹部陣の大刷新が行われており、その時期が日本UCATの「旧」と「現」を分ける節目となっている。
同時期に発生した関西大震災が原因とされたが、Top-Gの存在を秘匿するために、旧日本UCATがTop-Gに繋がりうる情報の全てを処分したことが原因である。
関西大震災(かんさいだいしんさい)
1995年12月25日に大阪で突如発生した大規模地震。その禍根は10年が経過した本編においても色濃く残っている。主要人物の親達の多くは救助隊として向かい、そこで死亡した。
その原因は、Low-G旧日本UCATによるノア内マイナス概念の暴走とTop-G滅亡を起こすために発生した戦い、しかし実際は概念創造が不可能なTop-Gでマイナス概念の創造を行ったためにマイナス概念が活性化し、暴走したノアに逆封印を施した戦いであった。
五大頂(ごだいちょう)
UCAT空白期に旧日本UCATに存在していた5人の総称。実際は最前線に立って戦い、平行して現場の指揮をとる臨時の部署であった。それぞれが機竜と正面から戦い、打ち勝つ程の実力者だったが、関西大震災でディアナ・ゾーンブルクを除く全員が死亡した。該当メンバーは佐山・浅犠、飛場・竜一、チャールズ・サンダーソン、アルベルト・ノースウィンド、ディアナ・ゾーンブルク。
Tes.(テス/テスタメント)
各国UCAT共通の言葉で、返事や相打ちの際に用いられる。聖書において「契約」を意味する。
押忍(おす)
3rd-G残党に連れ去られた月読・京が、そこで自動人形達に教え、後々「Tes.」に相当するものとして使われ続ける言葉。
バベル
近畿地方の何処かに聳える巨大な塔型施設。内部にはマイナス概念が収められており、関西大震災の震源地となったとされる。侵入者を拒むが、衣笠・天恭、佐山・浅犠、新庄・由起緒の3人だけは内部に入る事が出来、3人はそれぞれ中から概念関係の技術を持ち出した。その正体は原初の時代に送られたノアである。

[編集] 1st-Gの用語

半竜(はんりゅう)
竜の容姿と人間の形態を併せ持った1st-Gの異種族の一種。1st-G概念を宿した概念空間の中でしか生きる事が出来ない。非常に長命で記憶力もあり、文字関係の文化が発展しなかった1st-Gでは語り部の役に就く事が多かった。また全身が鱗で覆われた頑丈な体とそれを支える強靭な身体能力を有し、ちょっとやそっとの攻撃では傷つかない。そのため彼等の喧嘩はかなり壮絶なものである。
本編中には「闇渡り」の能力を持つ者が登場しているが、半竜すべてが持つ技術か不明。
冥界
1st-Gにおける死後の世界。観念的なものではなく、肉体を失った魂が移送する異次元空間である。冥界管理長という役職が存在し、それに与えられる概念兵器「鎮魂の曲刃」は冥界を一時的に開いて冥界の死者と対話する事が出来る。
和平派
概念戦争終結後に3分した1st-G残党の1つ。
ファーゾルトを長としたUCATに恭順した者達で、普段は居住区内で自給自足の生活を送っている。1st-Gから脱出する際、王城側と市街側に発生した門の内、王城側の門から脱出した者達で構成されている。基本的に争いを好まない性格だが、攻撃的な者達は王城派に分裂し、ファーフナーが市街派に移っている。
市街派
概念戦争終結後に3分した1st-G残党の1つ。
ファブニール改ことハーゲン翁を長に据え、若手達のリーダーのファーフナーと王族の庇護者・ブレンヒルトを中心とする過激派で、概念核を有するが故に強い勢力を持つ。「軍」の協力によって資材や拠点を確保する事が出来た。
1st-Gから脱出する際、王城側と市街側に発生した門の内、市街側の門から脱出した事に由来する。
王城派
概念戦争終結後に3分した1st-G残党の1つ。
和平派から概念空間技術を持って分離した武闘派。戦闘意欲と意思は強いが、これといった特徴を持たず勢力は弱い。
王城側の門から脱出した和平派より分離したが、しかし和平を望まないためこれを名乗る。

[編集] 2nd-Gの用語

八百万の神々
2nd-Gに存在する姓の総称。多種多様な能力と役目を持っており、その全てを記録あるいは書き込んだ物は強い力を持つ。日本神話では「神々は無限に存在する」事の暗喩だが、こちらでは文字通り「八百万種の姓」である。
月読
2nd-G皇族の姓。神と対話し、月光を操る能力を持つ。
剣神
剣を扱う能力を示す姓の総称で、熱田はその最高位に位置する。姓名が宿す力の度合いにも寄るが、「剣で戦う」という事に関しては軍神を抜く能力を持つ。剣でこそ最大の力を発揮するが、メスの様な小型の刃物でもかなりの能力を発揮する。
軍神
戦いを司る姓の総称で、武器は戦いの道具であることから転じて剣工の力を持つ。鹿島はその最高位に位置する。如何なる刃にも傷付けられず、自在に使いこなす事が出来るが、剣で戦うという一点では剣神に劣る。

[編集] 3rd-Gの用語

冥府(タルタロス)
3rd-Gでの概念核の呼び名。3rd-G人類は死亡すると、保有していた概念核の一端と共に意思が回帰していく事に由来する。
冥府機構(タルタロス・マキナ)
冥府(概念核)に死者の意思と概念核の一端を導く機構。簡略すれば「3rd-G概念核を内蔵した機械」。
テュポーン内に出力炉として内蔵されているが、概念戦争の中で大破している。その制御は誰にも出来ないとされていたが、アルテミスは冥府機構を搭載しているテュポーンを乗っ取る事で、制御した。
穢れ
3rd-Gが概念戦争の中で得た罪業。多くは、同胞や捕虜への人体改造や機械の部品化、近親相姦や子孫を増やす為の母体をクローンで増産しようとした事を指す。しかし個人的な「第二の穢れ」、そしてそれを解消しようとすると発生する「第三の穢れ」が存在する。
第二の穢れとは3rd-G概念核を得ようとすると概念核によって擬似的に死を免れているアポルオンに殺す事になるということ、つまり「大義を優先して人を殺す事」である。そして第三の穢れとはアポルオンの死回避を行っているテュポーン内のアルテミスを消し身代わりを立てて死をすべて引き継がせる、つまり「罪を逃れるために死者を再び殺し、そして逃れるために費やした人物をも殺す事」である。

[編集] 4th-Gの用語

佐山との約束
概念戦争において、佐山・薫が4th-Gの協力を得るためにムキチと結んだ約束。その約束とは「佐山が知る中で最も信頼し、また治療が必要な者」を「4th-Gの治癒力によって癒す事」であった。薫は治療が必要な者に新庄・要を選び、4th-Gに治癒を願おうとしたが要は治療を受ける前に亡くなり、約束は果たされなかった。

[編集] 5th-Gの用語

幸いの名
リチャード・サンダーソンと5th-G製機竜群の間で結ばれた、5th-Gの全権と生き残った竜の加護を与える相手につける名。Low-Gの発音で「ヒオ」という。

[編集] 6th-Gの用語

試作型ヴリトラ
6th-Gと10th-Gの全竜交渉の際、ロベルト・ボルトマンを初めとした6th-G残党が放った概念兵器。概念核は有していないが6th-G残党を皆殺しに出来る程の戦闘力を有している。ボルトマンと出雲・覚の会話の間に出たのみで、詳細は不明。

[編集] 7th-Gの用語

手の平大のに似た姿をしている7th-Gの獣。7th-Gが滅びた事で絶滅の危機に瀕しているが、Low-Gの中でも普通に行動する事が可能。1体が全竜交渉を進める助力として佐山・御言に与えられた。ある条件が満たされると過去を夢として周囲の人間に見せる能力を持っている。
固定概念
7th-Gが開発した技術で、生体に付与された概念。賢石とは異なり、概念空間を展開する事が出来る。
後継者
7th-Gが持っていた2つの目的のうち、「自分達の技術を誰かに受け継がせる」を果たすために選ばれた人間のことで、該当者は趙・晴。

[編集] 8th-Gの用語

新庄との約束
新庄・由起緒とワムナビの遣い達の間で結ばれた約束。それは「このG(Low-G)にあってこのGに無いものとは何?」というなぞなぞであった。ワムナビの遣い達はこれを考え、悩み続ける限り新庄の姓を持つ者達にまた会えると考え、新庄・運切と出会うまでずっと考え続けていた。

[編集] 9th-Gの用語

王家
9th-Gを二分して統治する一族。多くの政治家や家臣を持ち、政治関係の統治を担当する。サルバはこちら側の出身だが、史上初王家と将軍家を1つにまとめた人間である。
将軍家
9th-Gを二分して統治する一族。屈強な武人達が集い、軍事関係の統治を担当する。ハジはこちら側の出身で、将軍家の最上位に立つ大将軍を担っていた。

[編集] 10th-Gの用語

神族
10th-Gにのみ存在する、全G中最高の種族。強大にして崇高な力を持ち、自らもあらゆる種族の上に立つ種族という自負とプライドを持っている。そのため人間には理解し難い行動基準で動く事が多く、10th-Gも「人間の世話にはならない」として最終的には自ら捨てる形となっている。その体は10th-Gの清浄な大気の中でしか健康を維持出来ないが、リヴァイアサンとの最終決戦には出陣する。
木霊
植物に由来する体を有した10th-Gの異種族の一種。耳が長く尖っている以外は人間と遜色がない。その姿は長い年月を生きる事で作れる様になる対話用の分身であり、本体は樹木である。樹木内は自らが望む様な部屋を作る事が出来、媒体の方はそこを家として使う。本体の樹木が倒れる事は生命の危機であり、媒体の方にも深刻な影響がある。同名の種族が1st-Gに存在する。

[編集] Top-Gの用語

ノア
Top-Gが建造した、概念創造施設を内包した超巨大飛行船艦。都市をも内包しており、その規模は2kmを超える。
新庄夫妻を中心とした開発・運営スタッフが住んでおり、多種多様な概念を創造する事で、Top-Gの全G最高位という地位を不動のものとする事が目的とされていた。内部には10の概念核の複製と対発生したそれらのマイナス概念が収められており、またゲオルギウスの鋳造施設もあった。1995年に内蔵されていたマイナス概念が暴走し、旧日本UCATとの戦いで逆封印を受け、消滅した。
概念創造
未だかつて如何なるGもなし得なかった、既存の概念核を劣化変質させたものではなく、根本的から異なる全くの新概念を創造する技術。Top-Gは全G最高の世界としてこれを実現させようとしており、その第一人者として新庄・由起緒を招待した。
軍(ぐん)
9th-Gの残党を中心とし、各GのUCATに反発するもの達によって構成された、どのGにも属さない集団。元9th-Gの大将軍ハジをリーダーとし、戸田・命刻、長田・竜美、田宮・詩乃、アレックスが主力となっている。日本UCATのみを敵と定め、その最終目的はそれを壊滅させる事としている。
その実体は「Top-Gの日本UCAT」。その真の目的はLow-Gを壊滅させた後、Top-Gから託された彼等の子供達をすべてのGの長とする事だった。Top-G崩壊の真実を知るために日本UCATを悪の首魁と断定している。

[編集] 佐山・御言に関する造語

まロい
銭湯「永世─ひまわり」にて新庄・運切の尻に「丸く、そしてエロい」と感想を抱いた佐山が、その美を一語で言い表そうとして生み出した言葉。運切を表す語として幾度となく使用される。その延長線上でIAIに「まロ茶」を開発。
このライトノベルがすごい! 2006」内の「心が震えた名セリフ」に選出された。
天動型佐山宇宙
佐山・御言を知る人間全てが「彼が所属している筈だ」と一様に話す謎の世界。御言の頭の中は「佐山・御言を中心に全てが動いている」という点で共通認識が取れているためである。御言本人も否定せず、しかし佐山宇宙は自分を太陽とする地動説を取り入れたとしている。
おかしたい人
佐山・御言が新庄・運切を「可笑しくも有り難い人」と称し、それを一言で表そうとした造語。運切からは非常に不評で2度目の発言を禁止されたが、後に再度発言される。

[編集] 登場人物

文化放送電撃大賞』でのラジオドラマ放送時、及び製品版ドラマCDの声優である。

[編集] メインキャラクター

佐山・御言(さやま・みこと)(声:平川大輔
作中の主人公で全竜交渉部隊のリーダー格及び全竜交渉の交渉役。尊秋多学院生徒会副会長。2年生。
両親はすでに他界、祖父も天寿を全うし、他の親類はいない。母親から無理心中を図られた事が原因でストレス性の狭心症になっており家族の話をされると発作が起きる。
将来の夢は悪役になること。それは総会屋であった彼の祖父、佐山・薫の影響であり具体的には祖父を越える悪役を目指している。
幼い頃から祖父の総会屋としての教育を受けていたのでかなり頭が良い。また祖父との現実離れした勝負や、飛場道場で鍛えたことで身体能力はかなり高い。
空手は全国大会まで勝ち登るが、決勝戦で利き腕である左拳の骨が砕けている(原因は幼い頃に田宮・遼子に抱かれて急激に背が伸び、骨がもろくなったため)。
その独特の口調は芸風らしく、万人に対してその態度で接している。時々江戸っ子発音になる。
祖父の薫や飛場・竜徹らとやり合った影響から根っからの老人嫌い。
全竜交渉部隊菌、佐山ウィルス、佐山菌、佐山G、佐山空間、天動形佐山宇宙、尻神様の信仰など訳のわからない奇怪なものの原因である。
尻フェチで、自らの守護精霊は尻の精霊「シリアスIII世」。
一時期を除き、常にペットである7th-Gの幻獣、獏をつれている。
使用概念兵器はゲオルギウス。
新庄・運切(しんじょう・さだぎり)(声:釘宮理恵
作中のヒロインで全竜交渉部隊の隊員、担当は前衛援護。尊秋多学院生徒会書記。2年生。
彼女も両親は他界している。Top-G大阪でノアの封印の際に佐山夫婦に預けられ、UCATの管轄下で育つ。UCATで箱入りとして育った影響で、現代より10年から20年ほど昔の常識が最新だと思い込んでいる。
朝と夕方の5:30から6:00の間に性別が入れ替わり、昼は男性である切(せつ)として、夜は女性である運(さだめ)として生活している。佐山と出会った当初は体の秘密を明かさず、姉弟であると説明していた。彼女の体が入れ替わる理由は父がTop-Gの、母がLow-Gの人間であるため、在るべき2つの性が重複した人間として生まれたから、という説が有力である。
夢はないが小説を書いている(7巻中盤で完成)。
佐山が尻神として崇めるのは新庄の尻である。
全竜交渉部隊のいじられキャラであるが、終盤では佐山の奇行に慣れたためか、対佐山ツッコミ要員となった。
使用概念兵器はEx-St。
出雲・覚(いずも・かく)(声:谷山紀章
全竜交渉部隊の隊員、担当は前衛。尊秋多学院生徒会会長。3年生だが、帰国子女(実際は10th-G居留地に暮らしていた)のため留年しており現在20歳。
父はIAI社長の出雲・烈。母(故人)は10th-Gの神族でヨルスの娘。母親から防御の加護が与えられており非常識なまでに頑強である。
目をあけたまま寝る特技を持つ。
全竜交渉部隊随一のエロ。風見にしばしば鉄拳制裁を加えられる。
使用概念兵器はV-Sw。
風見・千里(かざみ・ちさと)(声:前田愛
全竜交渉部隊の隊員、担当は前衛。尊秋多学院生徒会会計担当。3年生。
Low-G出身のごく普通の学生だったが、移送中のV-SwとG-Spの強奪現場に居合わせ、成り行きからG-Spに持ち主と認められる。以降、日本UCATに所属する。
学校ではバンドに参加しボーカルを務める。衣装のために日々ダイエットに勤しむ。
学生寮の一室で出雲と同居中である。その件についてはPTAと大揉めしたが、風見の両親の了承があることと出雲が御曹司であることから黙認されている。
元一般人とは思えないほど戦闘力は高い。なぎなた部に所属していたことや日頃の訓練の成果もあるがG-Sp2の加護にも起因する。
使用概念兵器はG-Sp2と、X-Wi。
飛場・竜司(ひば・りゅうじ)
全竜交渉部隊の隊員、担当は対武神戦力。尊秋多学院生徒会会計補佐。1年生。
自動車部に所属しており、原川の後輩。
飛場道場で鍛えられたため格闘戦/武器戦に特化されている。Top-Gとの全竜交渉では7th-Gの概念核を使用し、力量において圧倒的に勝るハジに勝利した。
荒帝の搭乗者。元々は独自にテュポーンと戦闘を行っていたが、3rd-Gとの全竜交渉時に全竜交渉部隊に参加する。
出雲に次ぐエロ。また美影の事を溺愛し、しばしばストーカー的な行動を取る。
全竜交渉部隊のいじられキャラの一人でマゾヒスト。後に扱いが適当になり、無視されるか視線を逸らされるかの対応が多くなった。
使用概念兵器は荒帝とその武器である神砕雷。
美影(みかげ)
全竜交渉部隊の隊員、担当は対武神戦力。
ゼウスとレアの娘であった美影は子供が作れない存在であったため、子供を作れるよう、クロノスが開発した人に進化する自動人形に意識を移植された。最終巻で完全に人間に進化する。一房のみ残し、金髪から黒髪へ変わる。
本当の意味で穢れを知らず、何気ない一言が常に飛場を窮地に追いやっているが本人は気づいていない。
飛場と一緒にお風呂に入るのが好き。元々は人への進化の状況を確認するためのものだったが、進化が完了した後も習慣として残った。
使用概念兵器は荒帝とその武器である神砕雷。
荒帝は通常彼女専用の概念空間に収められている。
八叉封印のため、荒王の制御機構に組み込まれていたことがある。
ダン・原川(-・はらかわ)(声:岡本寛志
全竜交渉部隊の隊員、担当は対機竜戦力。また尊秋多学院生徒会副会長補佐。2年生。
本名はダン・ノースウィンドだが、父親を嫌っているため普段は母親の姓を名乗っている。
佐山や新庄の同級生。自動車部に所属しており、飛場の部での先輩でもある。横田基地でアルバイトをしている。
ヒオを拾った事により、全竜交渉へと足を踏み入れる。
ニヒルでシニカルな少年。全竜交渉部隊では比較的正常な人格を持つが、ヒオの自爆に巻き込まれて周囲から誤解されることが多い。
相手に呼びかけるとき、わざわざフルネームを呼ぶ癖がある。
使用概念兵器はサンダーフェロウとその武器であるヴェスパーカノン。サンダーフェロウの操縦を担当する。
ヒオ・サンダーソン
全竜交渉部隊の隊員、担当は対機竜戦力。部隊の中では最年少で、中学生。
曽祖父と共に来日するが黒陽に襲われ、逃亡の末に原川の世話になる。
幼い頃からショートル3(サンダーフェロウ)に守護されていたが、その気配を嗅ぎつけた黒陽に襲撃され、母親を殺される。その事件によって『悪魔憑き』との誤解を受け、何度も転校を繰り返した。
曽祖父の影響で日本が嫌いと言ってはいるが、流暢に日本語を話す。しかしまだ完全に話せず時々噛む。
飛場、新庄以上のいじられキャラ。また、何かと裸になる天運に恵まれている。大抵の場合、その裸体は原川に目撃される。
使用概念兵器はサンダーフェロウとその武器であるヴェスパーカノン。サンダーフェロウと合一して原川の補助と各種リミッターの解除を担当する。

[編集] 日本UCAT

[編集] 全竜交渉部隊

大城・一夫(おおしろ・かずお)(声:丸山詠二
佐山・御言とは付き合いの長い、丸眼鏡をかけた老人。IAI局長にして日本UCAT全部長であり、そして人類史上稀に見る変態。全世界のUCAT関係者及び各G住人から虐げられ続ける稀有な存在。
趣味はエロゲーで、所持するPC内のデータの大半がエロゲーである。その他にも方向性を誤った趣味を多数持つ。
関西大震災では至が戻ってきていないにも関わらず殲滅を継続する等、厳格で冷酷な一面もみせたが、現在はその片鱗さえも見せない。
大城・至(おおしろ・いたる)(声:中井和哉
痩せぎすな初老の男で、足に障害があり鉄製の杖を使わないと歩けない。全竜交渉部隊監督を勤めるが、表立って全竜交渉を仕切る事は無い。常に侍女のSfを帯同させる。
史上稀に見る不平屋で、口を開けば誰かを貶す言葉や反論しか喋らない。
旧日本UCATから現日本UCATに残る唯一の人間で、関西大震災の真相を初めとした様々な事実を知るが、それらは語らずに墓の中まで持っていく事を決めている。
ディアナ・ゾーンブルクやロジャー・シュリーとは旧知だが仲が良い訳ではない。
10年前のTop-G戦で撤退が間に合わず、マイナス概念による不治の病にかかる。また足の障害はその時に負った傷の後遺症である。
Sf(エスエフ)(声:鹿野優以
大城・至専用の自動人形で、常時彼に帯同する侍女。ドイツ語で「在るべき婦人(ザインフラウ)」の名を有する。
独逸UCATが量産型自動人形を参考に造ったもので、様々なオプションを有している。感情は持たず、至に関する事以外は公平。ただしソ連は嫌い。スカートの中にはガトリング等の重火器が分解された状態で常に詰まっており、必要時は重力制御によってそれを一瞬で組み上げて用いる。
リール・大樹(リール・おおき)
尊秋多学院の教員を勤める外国人女性。英語を担当する他に生徒会顧問も担う。佐山・御言と新庄・運切のクラスの担任。その正体はLow-Gに帰化した10th-Gの木霊であり、また全竜交渉部隊の隊員で概念探知・解析を担う。
極度の天然ボケで、遅刻や教科書の覚え間違いは日常茶飯事、自分が何を書いたのか読めず、そもそも英語や日本語を読めない問題教師。その事に生徒達が危機感を感じて自主的に勉強をするので逆に生徒達の成績は良い反面教師役を担う。
たまに良い事を言ったと思えば、その直後にいらぬ一言を付け加え台無しにする。
シビュレ
ギリシャ神話の「キュベレイ」に通じる名を持つ、長い金髪の少女。全竜交渉部隊の隊員で担当は整備役だが、通信管理も行う。
風見・千里や出雲・覚とは付き合いの長く、特に千里とは行動を共にする事が多い。高い情報収集・分析能力を有し、それを誰かのために役立たせる事を喜びとするが、その助力は強引。UCAT内に多くのファンを持つ。概念戦争時代に大破したレアの武神を改修し遠隔操縦用にしたものを専用武装として用いる。
元は人間ではなく、3rd-G製の人間に進化する自動人形の試作品。飛場・美影の体のプロトタイプであり、彼女にとっては母とも姉とも言える存在であり、また共通記憶を共有出来る唯一の相手。シビュレ自身も美影に対して非常に愛着を持っており、妹の様に可愛がっている。人間への進化を完了しているが、無理をすると自動人形としての部分が表に出る。
ロベルト・ボルドマン
6th-Gの指導者の血筋で、帰化軍人の巨漢。全竜交渉部隊に所属しており、担当は通常課との連携役。
名前(ボルドは英語で禿の意)の通り、一切の毛根が無い禿頭で、周囲から頭をネタに散々な扱いを受ける。
元々は自分が6th-G人であるという事を知らず、米軍の少佐を勤めた。しかし母親から自分が6th-Gの指導者の血筋である事を知り、6th-G残党と出会い、6th-G代表として参戦する。そして出雲・覚や風見・千里との戦いを経てUCATに恭順し、全竜交渉部隊に所属する。専用武装であるヴィーマは、本気で戦う時にしか用いない。Top-GによるLow-Gの罪が暴露された際、最初にLow-Gに対して戦いを挑んだ。

[編集] 神田研究所

八号(はちごう)
赤いショートカットの髪と左目の泣き黒子が特徴的な侍女で、神田研究所に身を寄せる3rd-G製自動人形の一体。四号の停止後はUCATに所属する自動人形達の代表となる。当初は佐山・御言に敵対するが、3rd-Gの全竜交渉後は日本UCATに転属、大城・一夫の世話を任される。
戦闘用ではないが冷静な判断力と瞬時の対応の速さにより、数百体の自動人形を相手に単体での戦闘を行う事も出来る。
佐山・御言を主と設定しており、彼のために体を張る覚悟も持つ。しかし彼には新庄・運切がいるため、表立ってその意思や覚悟を御言に伝える事は無い。
四号(よんごう)
UCAT神田研究所に身を寄せる3rd-G製自動人形達の長で、佐山の眷属を待ち続けていた侍女。
マイナス概念活性化に伴う10の概念流出によって起動し、同胞と共に自分達を回収・研究していた神田研究所を占拠した事がある。しかし人間への対応で行動不能になっていたところ、交渉役としてやって来た佐山・薫と出会い、交渉の末にUCATを暫定的な主とする事で自らを保った。佐山・御言との交渉後に機能を停止した。

[編集] 初期日本UCAT

衣笠・天恭(きぬがさ・てんきょう/いがさ・あまやす)
1940年代に神州対応論を提唱し、護国課を設立させた隻腕の老人。助言役として護国課から日本UCATに所属し続け、八大竜王の長として彼等を導いていた。
衣笠書庫を作り、ゲオルギウスの制作技術を考案している。その過去は一切謎に包まれている。
突如として現れ、出雲航空技研や日本政府に神州対応論や地脈を教え、第二次世界大戦を予言し、そしてGの存在が判明した後は様々な概念技術を考案している。神焉竜封印の際、その封印式を維持するための人柱となって死亡した。
その正体は1995年のノア逆封印に巻き込まれて過去に落ちた佐山・浅犠である。衣笠・天恭という名は佐山・浅犠の鏡像名である。
佐山・薫(さやま・かおる)
佐山・浅犠の養父で佐山・御言の祖父にあたる、総会屋の老人。若い頃は護国課に所属し、4th-Gと8th-Gを滅ぼした人物として八大竜王の一人に数えられている。本編が始まる少し前に亡くなっている。
生前より御言が全竜交渉役に相応しい実力を持つ様に様々な教育を施しており、異国語等といった通常の知識や珍奇な技術を伝授した。
ジークフリート・ゾーンブルク(声:銀河万丈
尊秋多学院は衣笠書庫の司書を勤めるドイツ老人。元護国課顧問を勤め、「魔法使い」と謳われた術式の使い手。1st-Gを滅ぼした人物として八大竜王の一人に数えられている。
護国課時代は飛場・竜徹と付き合いが濃く、概念戦争以降も時折電話で話す仲。リチャード・サンダーソンが大嫌い。長命化手術を受けている。概念戦争中共に暮らしていたブレンヒルト・シルトとは1st-G滅亡によって遺恨が生じ敵対していたが、1st-Gとの全竜交渉を終えた後は和解し共にいる事が多くなった。
飛場・竜徹(ひば・りゅうてつ)
飛場・竜司の祖父で、奥多摩に道場を置く赤い右目をした老人。飛場道場の道場主であり、幼い頃の佐山・御言に飛場流格闘術を教えた。
過去に護国課に所属しており、3rd-Gを滅ぼした人物として八大竜王に数えられている。赤い右目は死亡したレアの目を移植したものである。
3rd-Gとの全竜交渉では竜司に穢れを祓わせるため、荒人・改の譲渡と引き換えに全竜交渉部隊が竜司に関与しない様にした。飛場道場は戦いに巻き込まれて幾度となく破壊されるが、竜徹本人は一切無視、戦闘にも参加しない。
趙・晴(ちょう・せい)
日本UCAT医療班長を勤める少女。しかしその外見は延命技術と不老技術の賜物であり、実際はかなりの高齢。その肉体は延命や不老も追い付かない程老朽化している。7th-Gを滅ぼした人物として八大竜王の一人に数えられている。
医術に優れ、様々な概念を用いてどんな重傷も半月以内に治療する。一光たち4兄弟と行動を共にしている。
概念戦争時代に7th-Gに招待され、彼等の後継者として全ての技術を教えられた。7th-Gとの全竜交渉が終わった後に息を引き取った。
アブラム・メサム
日本UCAT実働部部長を勤める褐色の肌をした巨躯の老人。9th-Gを滅ぼした八大竜王の一人に数えられているが、自らを偽りの八大竜王と称している。
奥多摩UCATに駐留し、実働部の長として全竜交渉部隊と行動を共にする事が多い。B-Spを用いる事も出来る実力者だが、実際に使用する事は殆ど無い。9th-Gを滅ぼした人物としてハジとは因縁があるが、それ以上の因縁がある。UCATに所属する中では数少ない稀少な良識人。妻帯者。
その正体は元9th-G王のサルバであり、本物のアブラム・メサムは概念戦争の中で亡くなっている。サルバは家臣達の裏切りによって重傷を負い、医師であった本物のアブラムによって助けられた。その後に本人は死亡、サルバはアブラムの名を継いで9th-Gを滅ぼし、そして彼の婚約者であったアルナズを娶った。
リチャード・サンダーソン
日本UCAT発足時、米国UCATから派遣されてきた機竜乗りの男性。5th-Gを滅ぼした人物として八大竜王の一人に数えられている。
米国UCAT所属時代、ジェームズ・ディビスと機竜の飛行実験中に黒陽に襲われてジェームズを喪い、黒陽打倒に執念を燃やしていた。後にショートル3に搭乗し、5th-G機竜群を引き連れて黒陽を北海道近海に沈める。
ジェームズ・ディビスの双子の子であったジェシカ・ディビスを養女とするが、もう片方の双子を保護する事が出来ず、以来その子を探していた。ジェシカの娘であるマリア・サンダーソンの死後は、彼女の娘であるヒオ・サンダーソンを曾祖父として引き取り、育てていた。
5th-Gとの全竜交渉に際してヒオと共に来日した際に、復活した黒陽と戦闘になり死亡した。
大城・宏昌(おおしろ・ひろまさ)
大城・一夫の父で、優秀な技術者だった男性。2nd-Gを滅ぼした人物として八大竜王の一人に数えられる。
2nd-Gの滅びを防げず、Low-Gに現れる八叉に対抗するため、荒王を建造し十拳を開発する。そしてこの2つを持って八叉封印を行い、その際に荒王の艦橋と共に焼滅している。
カシマとは犬猿の仲として知られている。
出雲・全(いずも・ぜん)
出雲・裂の実父で出雲・覚の祖父にあたる人物。6th-Gと10th-Gの両方を滅ぼした八大竜王としてその一人に数えられている。
本編が始まるよりも以前に亡くなっており、回想にも一切登場しないので詳細は不明。彼の墓にはエロ本が供えられている。
新庄・要(しんじょう・かなめ)
日本UCATが発足する以前、護国課時代に所属していた男性。8th-Gの担当であったが、八大竜王結成前に病に伏したために脱退、東京の病院に入院したので八大竜王には含まれていない。新庄・運切の曽祖父。
薫が行った4th-Gの交渉で病は治されようとしていたがそれに先んじて東京大空襲が勃発、産気づいた田宮・遼を避難させたために逃げ遅れ、空襲に巻き込まれて死亡した。
レア
3rd-Gからやってきた赤い瞳の女性。元々はゼウスの侍女だったが、3rd-Gの政策によって彼の子を孕み、その子が3rd-G人類増産用の母体のクローン元になるという事実から3rd-Gから護国課に亡命してきた。
Low-Gにて子を出産し、3rd-GではなくLow-Gとしての子として美影という名をつける。護国課とは幾度かの衝突があったが、美影を産んだ事をきっかけに和解する。美影を奪うために乗り込んできたゼウスとアポルオンと戦闘となり、その際に死亡する。その片目は右目を失った飛場・竜徹に移植された。
セイル・ノースウィンド
通称「北風閣下」。発足された日本UCATを征圧するために戦勝国側のUCATを引き連れて現れた男性。ダン・原川の親族と思われるが詳細は不明。

[編集] 旧日本UCAT

佐山・浅犠(さやま・あさぎ)
五大頂の長にして旧日本UCATを指揮していた男性。佐山・薫の養子で、佐山・愉命との間に佐山・御言をもうける。
愉命と新庄・由起緒とは尊秋多学院の同級生で、友人として行動を共にする事が多かった。後に3人がUCATに所属した際もそれは変わらなかった。優れた指導者であると同時に開発者でもあり、強力な概念兵器を開発した。またマイナス方向に偏ったTop-Gの破壊や逆封印による虚無空間落としを考案したのも彼である。
関西大震災の救助活動に向かい、そこで死亡したとされている。実際はノア逆封印の際、封印の結界から逃げられず、しかし結界の端にいたために虚無の時代ではなく1940年代にゲオルギウスの片方と共に落ち、衣笠・天恭を名乗った。
佐山・諭命(さやま・ゆめ)
佐山・浅犠の妻で、佐山・御言の母親。浅犠の事を「あっちゃん」と呼ぶ。
浅犠と新庄・由起緒とは尊秋多学院の同級生で、行動を良く共にしていた。特に由起緒とは寮が同室だった。両親は定食屋を営むが愉命が学生だった頃に何者かに惨殺されている(詳細は不明だが両親もUCAT関係者であり、異Gの勢力に襲われたらしい)。彼女の指輪には「諭命」と名前が彫ってあり、2nd-G概念下では命を守る力を持つ。
幼い頃の御言と無理心中しようとし、死亡したとされているが、実際はハジによる粛正前の軍の刺客から御言を庇い死亡した。
飛場・竜一(ひば・りゅういち)
飛場・竜徹の息子で飛場・竜司の実父。五大頂の一人に数えられている。
元々は独自に異G残党の対処を行う、表向きは「化物退治」と呼ばれる仕事をしていた人物で、後に佐山・浅犠の勧誘で「気が向いたときだけ」という条件で日本UCATに協力した。
関西大震災で機殻剣「美明」を持って戦闘に参加、Top-G側生存者の救出とノアの逆封印に尽力した。しかしその中で錯乱した長田・竜美によって重傷を負い、手当もしないまま逆封印形成を行ったので死に至り、アルベルト・ノースウィンド、ジェームズ・サンダーソン両名と共に虚無空間に呑み込まれた。
アルベルト・ノースウィンド
ダン・原川の父で原川・唯の亡夫。五大頂の一人に数えられている。
表向きは米軍所属の狙撃兵となっているが、実際は米国UCATから日本UCATに転属した人物。他の五大頂と共に関西大震災に参戦、生き残りの救助や逆封印形成に尽力した。しかしそこで死亡し、飛場・竜一、ジェームズ・サンダーソンと共に虚無空間に呑み込まれた。死ぬ直前、ジェームズとお互いの子供を会わせようと約束した。
ジェームズ・サンダーソン
マリア・サンダーソンの夫で、ヒオ・サンダーソンの実父。五大頂の一人に数えられている。
祖父(厳密には違うが)であるリチャード・サンダーソンの眷属である事に誇りを持ち、米国UCATから日本UCATに亡命してきた人物。機竜のエースパイロットとして名を馳せ、関西大震災にも生き残りの救助や逆封印形成のために参戦した。だがそこで大城・至を生かすために機竜を手放して死亡、虚無空間に呑み込まれた。アルベルト・ノースウィンドと共にお互いの子供を会わせようと約束した。
出雲・烈(いずも・れつ)
出雲・全の息子で、出雲・覚の父。元日本UCAT局長で、現在はIAI社長と日本UCAT全副部長を勤める人物。
彼も覚と同じくLow-G人類と10th-G神族の混血である。覚以上のエロさとアバウトさを見せる破天荒な性格の持ち主だが、裂を初めとした家族の事を露骨なまでに避けている。
月読・有人(つくよみ・あるひと)
月読・史弦の亡夫で、元日本UCAT開発部主任。美明を開発したのも彼である。関西大震災にて死亡。
原川・唯(はらかわ・ゆい)
アルベルト・ノースウィンドの妻でダン・原川の母。
旧日本UCATに所属していた人物で、関西大震災にも参戦している。だがマイナス概念の影響による病を煩い、以降はUCATを抜けて病院で療養している。賢石の開発と操作の達人。
新庄・由起緒(しんじょう・ゆきお)
新庄・運切の母。UCATで概念核の研究をしていた。概念創造技術を確立させ、Top-Gへ亡命した。

[編集] 独逸UCAT

ディアナ・ゾーンブルク
全竜交渉を行うにあたり、独逸UCAT監査(階級的には大佐)としてやって来た灰色髪の女性。現存する唯一の五大頂で「母猫」の異名を持つ。ジークフリード・ゾーンブルクの姪にあたり、またオドーとは書類上の夫婦でもある。
趙・青と同じく全身を賢石で加工した不老技術を施しているが、延命処置はしていない。現存最高と謳われる優れた女性の術式使い、「魔女」である。術式の基礎となった1st-G技術を使うブレンヒルト・シルトとは仲が悪い。かつては尊秋多学院に在学していた。大城・至、ロジャー・シュリー、原川・唯とは旧日本UCATに所属していた生き残りとして馴染みが深い。過去にヒオの家庭教師をしていた。

[編集] 米国UCAT

オドー
リチャード・サンダーソンの死にあたり、ロジャー・シュリーを副官に来日した米国UCAT暫定監査。
話すときに最初の一語を二度言う癖がある。生粋の米国至上主義者。かつて親を失い、遠縁に引き取られた際に虐待を受けている。オドー(悪臭)という名はその頃の呼び名であり、本名を隠す意味も含めてそれを名乗り続ける。「悪臭」の使い手。5th-Gとの全竜交渉後は横田米軍基地に駐留している。ディアナ・ゾーンブルクとは書類上の夫婦である。
本名はリチャード・デイビス。ジェシカ・サンダーソンの双子の兄弟でヒオ・サンダーソンの祖叔父にあたる人物。
ロジャー・シュリー
リチャード・サンダーソンの死にあたり、オドーの副官として来日した米国UCAT暫定監査補佐。
夢砂の使い手。旧日本UCATに所属していた経験があり、その頃のツテを持ってオドーを補佐する。大城・至や原川・唯とはその頃に面識があった。腰が低く、少佐となった今でも彼等には頭が上がらない。日本UCATを去る際に佐山・浅犠が制作したゲオルギウス企画書を預けられた。またTop-Gや関西大震災の事実を知る数少ない人物の一人でもある。

[編集] 1st-G 

ブレンヒルト・シルト(声:豊嶋真千子
尊秋多学院の3年生で、美術部部長を勤める。常に黒猫と、1st-G全竜交渉後は小鳥を引き連れている。
その正体は1st-G長寿族最後の一人。市街派に属し、1st-Gを滅ぼしたジークフリードの監視役として尊秋多学院に入学した。幼少時代はナインという名前で、グートルーネやレギン、そしてジークフリードと共に暮らしていた。ジークフリードに対して複雑な感情を抱く。
1st-G崩壊後にハーゲンから鎮魂の曲刃を預けられた。また術式の元となった1st-G技術を用いる真性の魔女で、それらを解析して完成させた術式を使うLow-Gの魔女、ディアナ・ゾーンブルクとは事あるごとに衝突する。
アグレッシブかつヴァイオレンスな性格ではあるが、常に無表情なので一見して感情を察することが難しい。
黒猫(声:野田順子
ブレンヒルト・シルトが使い魔として使役する。1st-Gの種族ではなく、Low-G生まれの捨て猫。
妙に一言多い所があり、常にブレンヒルトに折檻を受けている。硬直しがちなブレンヒルトを導くことが多い。
小鳥
ブレンヒルト・シルトが保護し、以後溺愛する幼い野鳥。
一時は瀕死となったが、それがブレンヒルトとジークフリード・ゾーンブルクの繋がりを取り戻すきっかけとなった。その後も時折はジークフリードの世話になっているが、基本的にブレンヒルトの頭頂部を定位置として同行している。
ハーゲン(声:阪脩
「ハーゲン翁」と呼ばれる。1st-G王の弟で、賢者レギンの兄、そして王女グートルーネの叔父にあたる人物。
元々は1st-G冥界管理局長を勤め、鎮魂の曲刃も本来はハーゲンの持ち物だった。しかしLow-Gで市街派を維持するためにファブニール改と合一、搭乗には成功したが以後一切の離脱が出来なくなり、市街派を維持するためにファブニール改として行動した。
過激派ともいうべき市街派の長だが、本人は至って温和な性格をしている。1st-Gとの全竜交渉では運搬されるグラムを1st-Gの誇り、そして今後の行く末に必要な物として全軍を率いて奪取に向かった。
ファーゾルト
1st-Gの半竜で、語り部も勤める1st-G居留地の長。佐山・御言の対1st-G全竜交渉における事前交渉の相手となった。
基本的に穏やかな性格。身の安全のために1st-Gを裏切ったと市街派や息子のファーフナーからは厭われているが、本人は1st-Gとしての誇りを見失っていない。彼は恭順した1st-Gの者達がLow-Gに対して牙を剥かないという保証を示すため、過去に自らの翼を断った。
かなりの長命で、幼い頃の大城・一夫や新庄・運切の事を知っている。また穏やかではあるものの行動は過激であり、人の話を聞かない相手には反省を促すためとして縄で縛って崖から数日間逆さ吊りにする奇習を持つ。
ファーフナー(声:竹本英史
ファーゾルトの息子で、闇渡りの能力を持つ若き半竜。
ファーゾルトの息子にしては裏表共に苛烈な性格をしている。1st-G種族である事に誇りを感じ、しかし概念戦争後に生まれた帰化二世であるために1st-Gという故郷を知らない事に憤りを抱き、市街派へと身を移す。以降はその強引なまでの行動力から市街派若手の中心となり、彼等のリーダー格となっていた。
出雲・覚との戦闘で翼を切り落とされて敗北し、全竜交渉以降はファーフナーの元に戻る。
グートルーネ(声:小山裕香
今は亡き1st-Gの中心、ヴォータン王国の第一王女。
概念戦争において傷心した父、1st-G王によってその側から離され、賢者レギンの元で暮らしていた。やがて長寿族の生き残りナインを保護し、更に1st-Gを調査に来たジークフリード・ゾーンブルクを匿う。そして自分も含めた4人で一種の家族を形成し、絆を結ぶ。暴走したファブニールによって致命傷を負うも、生き残った民をLow-Gへ避難する様に指揮した。
レギン
今は亡き1st-G王の弟、賢者と名を馳せた人物。
傷心によって親元を離されたグートルーネの身元を引き受け、更にはナインやジークフリード・ゾーンブルクも保護する事となる。当初は侵略者であるジークフリードに疑心を抱いたが、やがては家族として繋がっていく。しかし裏切ったジークフリードから1st-Gを護るためにファブニールに搭乗、防衛しようとしたが殺されて概念核を奪われたとされている。

[編集] 2nd-G

鹿島・昭緒(かしま・あきお)
タケミカヅチを意味する2nd-G最高の軍神の姓を持つ、日本UCAT開発部主任。初対面の相手に対しても歩法を発動出来る、熱田・雪人と同等の達人である。
過去に最強の機殻剣としてフツノを製作し、その試行実験で鹿島・奈津(当時は高木姓)に大怪我と降雨恐怖症を抱かせる事故を引き起こした。以降彼は自らの力を厭い、試作型概念兵器のアドバイザーや出力調整に徹する。そして事故の責任をとるため、昭緒が事故を起こしたことを知らない奈津を妻に迎える。
全竜交渉をきっかけにして、強大な力である名前も犯した罪もそれによって得た幸いも、全て込みで生きていく覚悟を得る。
月読・史弦(つくよみ・しづる)
月読・京の実母で、2nd-G皇族の血筋にあたる女性。現日本UCAT開発部部長を勤める。
ツクヨミの姓により月光を操る能力を持っており、それも含めて機殻弓・月天弓を操る2nd-G最大戦力。彼女は当初UCATに入る事を拒んでいたが、亡夫、月読・有人の調査を条件に入社しており、佐山・御言同様UCAT空白期を知らない。
車の運転は荒く、性格は娘の京に受け継がれている。京に対する対応は放任主義で一貫しており、彼女がテュポーンと合一して死ぬかもしれない瀬戸際になっても一切動じず、むしろそれも一つの結果として受け入れる覚悟を見せた。
熱田・雪人(あつた・ゆきひと)
スサノオを意味する2nd-G最高の剣神の姓を持つ機殻剣使いの男。日本UCAT開発部警備部の所属で、鹿島・昭緒の旧友。
突出したアグレッシブかつヴァイオレンスな性格で、制約のない勝負事では一度も負けた事の無い程強い。歩法を多用する癖がある。
学生時代に田宮・遼子と同級生で、その頃から彼女に惚れているが遼子本人には気づいてもらえていない。佐山・浅犠と面識がある。
鹿島・奈津(かしま・なつ)
鹿島・昭緒の妻で、旧姓は高木。また彼との間に鹿島・晴美をもうけている。
過去に昭緒が引き起こした事故に巻き込まれ、左手の薬指と小指を失う重傷と、降雨恐怖症を得た。
父は日本神話を専攻する学者であり、自身もまた、学生時代に日本神話を研究していた。父の出版した八岐大蛇の絵本を持っており、それを晴美によく読み聞かせている。彼女自身はGも概念戦争も知らないLow-Gの一般人であり、夫がUCATで働いている事も、自分の巻き込まれた事故の原因が夫によるものだという事も知らない。
昭緒に合いたいと向かった先で事故に巻き込まれたことが要因として昭緒との結婚が決まったこと、料理も結婚前に昭緒の母に習ったことなど、昭緒に対して嘘をつき続けていることに負い目を持つ。
鹿島・晴美(かしま・はるみ)
鹿島・昭緒と鹿島・奈津の間に生まれた娘で、2nd-GとLow-Gの混血。まだ言葉どころか歩くのもままならない幼児であるが、昭緒にとっては大切な愛娘である。

[編集] 3rd-G

月読・京(つくよみ・みやこ)
2nd-G皇族、月読・史弦の娘で、当代2nd-G皇女に相当する女性。
本人は2nd-Gの事を知らず生活していた。しかし就職活動の帰り道にテュポーンと荒帝の戦いに巻き込まれ、3rd-G残党の本拠地に連れ去られる。本拠地でのさまざまな行動でアポルオンや自動人形たちに認められ、アポルオンの子を身ごもり、3rd-G王の后となる。
3rd-Gとの全竜交渉後は3rd-Gの暫定指導者として立ち振る舞いつつ出雲UCATに所属する。
アポルオン
3rd-Gの王族で、当代の王にあたる青年。ギリシャ神話で言う所のアポロンに相当。太陽(朝から昼までの時間)を司る能力を有する。
概念戦争時代には3rd-Gの次代を継ぐ者として多くの民に期待され、圧政を強いるゼウスに反抗する穏健派だった。しかしゼウスの指揮で自らを信じる民や妹であるアルテミスすら失い、反抗する事を諦めてゼウスに従った。そして飛場・竜徹に殺されるもアルテミスの計らいによって死を免れる。以降全ての事に諦め、何も考えていない振りをしながらただ漫然に生活していた。
概念戦争では2人乗り仕様の水色の武神に、アルテミスと共に搭乗していた。しかし飛場・竜徹によって破壊され、操縦槽をテュポーンに移し替えられたため、全竜交渉ではテュポーンを駆る。
3rd-Gの全竜交渉の末にテュポーンの呪いから解放され、武神の操縦槽で肉体を再構成するために眠りに就く。
アルテミス
3rd-Gの王族で、アポルオンの妹。月(夜から深夜までの時間)を司る能力を有する。
概念戦争次代に生殖能力が欠如していると診断され、武神の部品に変えられ水色の武神の副搭乗者となる。飛場・竜徹との戦いでアポルオンと共に武神ごと破壊されて死ぬ筈だったが、アポルオンを生かすためにテュポーンを乗っ取り、死を入れ替えて概念核の力を借りる事によってアポルオンを不完全ながらも生き長らえさせる。その精神はテュポーンに宿り、自らの死の瞬間を思い出すとアポルオンの意識を奪い、暴走する。
3rd-Gの全竜交渉の末に、アポルオンの再構成を成すとともに冥府に入る。
クロノス
3rd-Gの前王。概念戦争初期は彼が王だったが、後に息子のゼウスによって王位を奪われて幽閉される。
王であると共に優れた技術者であり、各種自動人形や武神を開発し、荒帝の開発にも関わった。幽閉された後も武神等の兵器開発には駆り出されており、飛場・美影を合一させる自動人形ボディも開発した。美影が奪われた後にゼウスの目を盗んで護国課に現れ、荒人を荒人・改へと改修する。シビュレはこの際に荒人・改を修理する助手として連れてこられ、その後護国課に預けられた。
自らの肉体を荒帝の部品へ変えた。
ゼウス
父クロノスを幽閉し、3rd-G王となった人物。アポルオンとアルテミスの実父。
3rd-Gが生き残るために概念戦争において悪政ともいうべき政策をとり、「穢れ」と呼ばれる罪の数々を作る。またレアを殺して飛場・美影を奪い、9th-Gと共にLow-Gを侵攻した。概念戦争末期には自ら冥府に落ちたと偽りアポルオンに王を継がせ、相談役として灰色の武神に搭乗した。
美影を取り戻しにきた飛場・竜徹と戦い、死亡する。その際に死にかけたアポルオンを自動人形達に渡し、どんな手段でも生き長らえさせようとした。
モイラ1st
モイラシリーズの(恐らく量産型自動人形でも)1号機で、3姉妹の長女とされる。
人間管理という役目の一端として記憶偽造の能力を持ち、モイラ3rdの記憶封印と組み合わせて人間の記憶管理を行う。量産型自動人形の指導者として他よりも判断基準が高く設定されている。
戦闘ではモイラ3rdと共に自動人形達の指揮、特に重力レールガンの指導と弾丸の補充役を勤める。
モイラ2nd
モイラシリーズの2号機で、3姉妹の次女とされる。
人間管理の内、記憶や体調といった人間の機微を感知する能力に長けている。3rd-G本拠地に迷い込んだLow-Gの一般人に恐れられ表情も言葉も失っていたが、月読・京が本拠地に来たことでそれらを取り戻した。
戦闘では精密制御能力を活かした多重並列での重力制御を行い、最大8体の遠隔操縦型武神を同時に操る。
モイラ3rd
モイラシリーズの3号機で、3姉妹の末っ子とされる。
人間管理の一環として記憶封印の能力を持ち、モイラ1stの記憶偽造と組み合わせて人間の記憶管理を行う。その言動は幼く、またハイテンションである。
戦闘ではモイラ1stの補佐として自動人形達の指揮をとる。
ヴァイオレット
3rd-G残党側の自動人形。本来の名前は「13th」で、月読・京の計らいによってスミレの名を得た。
他に比べて能力が劣るため、京が現れる前は誰に対しても遠慮する内向的な性格だった。しかし京との出会いにより改善され、当初に比べて明るくなった。ボディとの相性が芳しくないが、逆にそれが固有の特性となって高い戦闘力を弾き出している。日頃の失敗や長田・竜美との戦闘によりスペアボディがすべて壊れたため、武神用のボディになった事もある。
ギュエス
赤いスーツを着込んだ女性の姿をしたヘカトンケイルシリーズの1体で、近接戦闘を担当する。
普段は袖に軟質金属の剣を仕込んでおり、重力制御によってそれを硬化・制御して戦う。また専用の赤い遠隔操縦武神を持っており、短時間だが操る事が出来る。ヘカトンケイルシリーズで唯一3rd-Gの全竜交渉後も残っている機体で、全竜交渉後は月読・京と共に出雲UCATの所属となる。感情こそ無いが使命感の強い性格をしており、京が3rd-G残党の本拠地に入ってきた当初は信用せず、京と衝突した。
アイガイオン
八百屋装束をした巨漢。ヘカトンケイルシリーズの1体で、精密で高出力な重力制御能力を持ち、中距離・広域戦闘を担当する。
普段は情報収集の意味も込めて八百屋で働いており、そこの家族達とは縁が深い(八百屋の人々はアイガイオンが自動人形だとは知らない)。好戦的な性格で、戦闘を数少ない娯楽の1つとしている。面倒見の良い面もあり、自動人形達の侍女服や花を揃えてきた。
戸田・命刻との戦闘で致命的損傷を負い、後にコットスと共に長田・竜美とアレックスに挑んで破壊される。
コットス
武神ボディを持つ自動人形で、ヘカトンケイルシリーズの1体。無数の砲台を装備しており、長距離戦闘を担当する。
概念戦争中クロノスが唯一完成させた「自動人形による武神の搭乗技術」を採用した機体。会話能力が低い。普段は武神同然に格納庫で待機する。
風見・千里との戦闘で大破寸前まで破壊され、後にアイガイオンと共に長田・竜美とアレックスに挑んで破壊される。

[編集] 4th-G

草の獣
4th-Gの概念によって動物化した植物達。6脚のトカゲに似た外見であり、個体それぞれに意思はない。彼等は複数あるように見えて一つであり、現出する「草の獣」という体も、外部との対話を円滑に進めるために地面から生えている植物から捻出した、一種のインターフェイスである。その形状は自在に変化させる事が可能で、作中では椅子の形をした草の獣も確認されている。
彼等の食料は熱エネルギーであり、それは主に生物が運動する事によって体内に生じる余剰熱、つまりは疲労である。ある程度の草の獣が密集すると大きな自重が発生し、それを支えるために自然と熱が発生するため、彼等は大多数でさえあれば動いたり考えたりしなくても、生きていくことが出来る。
全竜交渉後は奥多摩UCATの大浴場で働いている。
ムキチ
4th-G概念核を有し、草の獣達を指揮する存在。その正体を概念戦争時代に解き明かしたのは佐山・薫だけだった。正体は水を体とする概念竜であり、ムキチは草の獣の内部に宿りその身を調整すると同時に情報を共有する事が出来た。しかしあくまでも身の内に宿るだけであるため草の獣とは別個体である。

[編集] 5th-G

黒陽(こくよう)
漆黒のカラーリングが施され、概念核を内蔵した5th-G最強の大機竜。
元々は5th-Gに侵攻してきた敵から人類を護るために開発された防衛用機竜だった。概念戦争時代に「要塞化された惑星が無ければ5th-Gから争いが無くなる」と考え2つの惑星を破壊し、護るべき5th-G人類を死滅させたという矛盾から暴走したとされている。実際は9th-Gが放った細菌兵器によって苦しむ5th-G人類を見かねた惑星を破壊したことで暴走した。
5th-Gの概念戦争にて宵星砲の砲撃を受けて大破、北海道近海に沈んだ。60年間で自身に修復と改造を施し、全竜交渉時には双胴ボディの非変形型機竜へと進化して現れたが、概念戦争時代の記憶を殆ど失っていた。サンダーフェロウとの戦いの中で記憶を取り戻し、内蔵していた概念核をサンダーフェロウに受け渡し、その後北極星へ向かう様に天に昇って完全に崩壊する。
白創(はくそう)
純白のカラーリングが施され、概念核を内蔵したた5th-Gの大機竜。
全長300m超過の巨体に6枚羽を有する、5th-Gの気象管理用機竜だった。だが黒陽が暴走してからは機竜の長として黒陽に対抗した。概念戦争における黒陽との決戦後、ショートル3を除く他の全機竜と共に宵星砲と合一、ヴェスパーカノンとなった。
ショートル3
概念戦争時代においてLow-Gに墜落し、そして護国課と協力する様になった機竜。
単体では唯一黒陽の装甲を穿てる武装、宵星砲を持っていた。概念戦争当時にリチャード・サンダーソンを乗せ5th-Gに導いた。概念戦争における黒陽との決戦で、宵星砲による砲撃で黒陽を大破させたが自らも大破し、その存在は失われたと思われていた。
サンダーフェロウ
ヒオ・サンダーソンを幼少の頃より護り続けていた名無しの機竜。以前の名前を捨てたことで以前の記憶も失っており、機体性能を引き出せず、姿も光学迷彩で完全に隠されていた。5th-Gの全竜交渉中に黒陽からヒオを護るために現れ、そこで初めて自分の存在を知らしめる。一度は拒絶されるがダン・原川の諭しがあってヒオと和解、「雷の眷属の同志(サンダーフェロウ)」の名を与えられて完全に覚醒する。
機体は青と白にカラーリングされている。その正体は60年間で自身の修復と改造を行い、自らの名を放棄したショートル3である。
単独でも活動できるが自分はヒオの能力であるとしているため、彼女が呼ぶ、もしくはその身に危険が迫った場合以外は自律行動をとらない。操縦はダン・原川、機体制御はヒオ・サンダーソンが行う。

[編集] 6th-G

全竜交渉部隊のロベルト・ボルトマンの項を参照。

[編集] 7th-G

一光(いっこう)
7th-Gの概念核を宿した4老人の長男。保有する固有概念は「力は無限となる」。
武具の使用技術に特化した肉体を持ち、無列を使用した。
二順(にじゅん)
7th-Gの概念核を宿した4老人の次男。保有する固有概念は「真実のみとなる」。
身体能力強化に特化した肉体を持ち、加速系の符を用いた。
三明(みつあき)
7th-Gの概念核を宿した4老人の3男。保有する固有概念は「解り合えるものはない」。
後方支援に特化しているため、単純な戦闘力では4兄弟中最弱。天地戯画・一丸を使用した。
四吉(よんきち)
7th-Gの概念核を宿した4老人の4男。保有する固有概念は「世界は一瞬で真逆となる」。
4兄弟最高の戦闘力と引き換えに最も頭が悪い。固有武装である生殖攻殻「大聖」を使用した。
兄弟中唯一個性を出すため、エキセントリックな性格と言動と語尾を見せ、髪を黒く染める。

[編集] 8th-G

ワムナビ
8th-G概念核を保有している概念竜。
物理的な体は持たず、共有されたワムナビの遣い達の意識から漏れ出した余剰分の意識から生じた、意識生命体とも言うべき存在。ワムナビの遣い達の中では熱量と情報としてしか存在しておらず、ワムナビを一部でも手に入れるためにはワムナビが実在出来る程度までワムナビの遣いを集める必要がある。概念核もワムナビが保有しているため、8th-Gの概念核を得る事は非常に難しい。
ワムナビの遣い
8th-Gに存在する、概念の力によって意思と行動力を得た熱エネルギーであり、一種のエネルギー生命体である。当初はエネルギー剥き出しだったが、長い年月の中で鉱物に宿る事で無駄な熱の発散を抑える手段を手に入れた。彼等は思考でも熱量を稼ぐ様になり、自らの思考によって発生した熱を自らの糧とする。彼等は周囲のワムナビの遣いと意思を共有する事によって莫大な計算速度を獲得する能力を得た。
4th-Gの草の獣達が完全に1つの意思であったのに対し、ワムナビの遣いは個性を持って分化しつつ、しかし意識の共有も出来る1つの生物にもなる事が出来る。
暇なときはしりとりをすることで熱を得ている。

[編集] 9th-G

ハジ
元9th-G大将軍。現「軍」のリーダー。命刻と詩乃の養父。概念戦争では3rd-Gや5th-Gへの攻撃を指揮する。サルバとサハルナズの結婚の祝いの出撃でLow-Gへ遠征する。9th-Gに帰還した際、サルバ戦死の罪を着せられるが、サハルナズがザッハークの起動部品になることで救われる。アブラムとの戦闘で片目を失い、失った片目に停止の複製概念を埋め込んでいる。9th-G滅亡後、Top-Gに亡命する。
サルバ
元9th-Gの王。現Low-G八大竜王、アブラム・メサム。詳細は八大竜王の欄に記述。
サハルナズ
ハジの妹。サルバと婚約していた。概念戦争中にザッハークの部品に変えられる。

[編集] 10th-G

ヨルス
10th-Gの神族で出雲・覚の祖母。延命処置を施している。通称は「期待はずれ」のヨルス。「期待はずれ」は彼女のもつ固有概念でもあり、その効果は「相手の期待したこととまったく逆のことが必ず起きる」というものである。

[編集] Top-G

戸田・命刻(とだ・みこく)
Top-Gにおける佐山・御言。
再生と進化の賢石が身体に埋め込まれており、死ぬ事は無い。Top-G消滅以降は軍で育てられ、竜美に鍛えられた。
田宮・詩乃(たみや・しの)
Top-Gの生き残りの中で、「偽者」がいない人物。
何事にも一生懸命な性格のため命令には疑問を持たない。単身で日本UCATに乗り込んだ際にひどい目に会う。
両親から貰った賢石により犬の霊を操り、人間を対象とした意思強制の力を持つ。
長田・竜美(ながた・たつみ)
Top-Gにおける飛場・竜司。一時期、竜司の義姉でもあった。機殻剣・美明を使用する。
戦闘機やサンダーフェロウを単身圧倒するなど無類の強さを誇る。
アレックス
Top-Gにおけるヒオ・サンダーソン。マイナス概念に侵され、生き残るために機竜と合一している。
自称、正義の味方。独自の正義感を持つが、その言動は電波系。
新庄・由起夫(しんじょう・ゆきお)
新庄・運切の父親。由起緒の夫であり、Top-Gにおける由起緒。
不可能とされていた概念創造を研究しており、由起緒から知らされたゲオルギウス製造装置も彼の手による。
彼自身はTop-G消滅の際に佐山・浅儀に運切を託し、自らをゲオルギウスに変える。
ノア(Arch型自動人形0号)
ノアの制御を司る自動人形。新庄・由起緒に作られ、彼女を象った容姿を持つ。

[編集] Low-G

田宮・遼子(たみや・りょうこ)
田宮家を切り盛りする。警備会社を運営する女経営者だがかなりの天然。佐山・御言を抱いた事がある。
田宮・孝司(たみや・こうじ)
遼子の弟で姉へのツッコミ担当。姉とは対照的にしっかりした人物である。包丁さばきの腕は確かで、熱田・雪人にも認められている。
田宮・僚(たみや・りょう)
遼子と孝司の先祖。東京大空襲の際に身重で入院していたが、新庄・要が避難用のバスの席を譲ってくれたおかげで助かった。その恩義として、以来田宮家は佐山家に仕えている。
飛場・トシ(ひば・とし)
飛場・竜徹の妻。竜司の祖母。八大竜王時代から現在に至るまで、変わらず竜徹のエロ行動に制裁を続けている。
風見 父
テレビ番組の企画の仕事をしているが、企画内容は色物である。自分の番組を映像記録として残さないことを信念としている。
風見 母
元売れない昭和アイドル。現在は専業主婦。出した曲は人々の記憶に残っているが、本人を知るものは少ない。
関西大震災の折にチャリティーコンサートを企画したが、自分へのこだわりから結局唄えず、以来唄う事を封じていた。

以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。



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