第64回ヴェネツィア国際映画祭
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第64回ヴェネツィア国際映画祭は、2007年8月29日から9月8日までイタリア・ヴェネツィアで開催された。
金獅子賞を受賞したのはアン・リーの『ラスト、コーション』で、3年連続で中国の監督が受賞したことになる。
日本からはコンペティション部門に三池崇史の『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』、特別招待作品として北野武の『監督・ばんざい!』、オリゾンティ部門では青山真治の『サッド ヴァケイション』が上映された。。
目次 |
[編集] 上映作品
[編集] コンペティション部門
- オープニング作品『つぐない』:ジョー・ライト(イギリス)
- 『エラの谷(原題)』:ポール・ハギス(アメリカ)
- 『ジェシー・ジェームズの暗殺』:アンドリュー・ドミニク(アメリカ)
- 『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』:三池崇史(日本)
- 『スルース(原題)』:ケネス・ブラナー(アメリカ)
- 『ダージリン急行』:ウェス・アンダーソン(アメリカ)
- 『フィクサー』:トニー・ギルロイ(アメリカ)
- 『ラスト、コーション』:アン・リー(アメリカ・中国・台湾)
- 『レンブラントの夜警』:ピーター・グリーナウェイ(イギリス・ポーランド・カナダ・オランダ)
- 『12』:ニキータ・ミハルコフ(ロシア)
- 『Bangbang wo aishen (Help Me Eros)』:リー・カンション(台湾)
- 『En la ciudad de Sylvia』:ホセ・ルイ・グエリン(スペイン)
- 『Heya fawda (Chaos)』:ユーセフ・シャヒーン(エジプト)
- 『Il dolce e l’amaro』:アンドレア・ポルポラティ(イタリア)
- 『I’m not There』:トッド・ヘインズ(アメリカ)
- 『It’s a Free World…』:ケン・ローチ(イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン)
- 『La Graine et le mulet』:アブデラティフ・クシシュ(フランス)
- 『Les Amours d’Astrée et de Céladon (Romance of Astrea and Celadon)』:エリック・ロメール(フランス)
- 『L’ora di punta』:ヴィンチェンツォ・マーラ(イタリア)
- 『Nessuna qualità agli eroi (Fallen Heroes)』:パオロ・フランキ(イタリア・スイス・フランス)
- 『Redacted』:ブライアン・デ・パルマ(アメリカ)
- 『Shentan (Mad Detective)』:ジョニー・トー、ワイ・カーファイ(香港)
- 『Taiyang zhaochang shengqi (The Sun Also Rises)』:姜文(中国・香港)
[編集] 特別招待作品
- Venezia Maestri
- 『Cassandra’s Dream』:ウディ・アレン(アメリカ・イギリス)
- 『Cleópatra』:ジュリオ・ブレサネ(ブラジル)
- 『La Fille coupée en deux (A Girl Cut in Two)』:クロード・シャブロル(フランス)
- 『Disengagement』:アモス・ギタイ(ドイツ・イタリア・イスラエル・フランス)
- 『Chun-nyun-hack (Beyond the Years)』:イム・グォンテク(韓国)
- 『監督ばんざい!』:北野武(日本)
- 『Cristovão Colombo - O enigma (Christopher Columbus, The Enigma)』:マノエル・デ・オリヴェイラ(ポルトガル・フランス)
- Midnight out of competition
- 『Per un pugno di dollari』 (1964) (セルジオ・レオーネ)イタリア・スペイン・ドイツ - Restored Version
- 『天堂口(原題)』:陳奕利(中国・台湾・香港)
- 『REC』:Paco Plaza、Jaume Balagueró(スペイン)
- 『Far North』:アジフ・カパディア(イギリス・フランス)
- 『ブレードランナー ファイナル・カット』:リドリー・スコット(アメリカ)
- The Hunting Party リチャード・シェパード(アメリカ・クロアチア・ボスニア=ヘルツェゴビナ)
- 『The Nanny Diaries』:シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ(アメリカ)
- 『Nocturna』:アドリア・ガルシア、ヴィクトル・マルドナド(スペイン・フランス)アニメ
[編集] オリゾンティ(ホライゾン)部門
- 『サッド ヴァケイション』:青山真治(日本)
- 『Cochochi』:Laura Amelia Guzman、Israel Cárdenas(メキシコ・イギリス・カナダ)
- 『Die Stille vor Bach (The Silence Before Bach)』:Pere Portabella(スペイン)
- 『Exodus』:ペニー・ウールコック(イギリス)
- 『Geomen tangyi sonyeo oi (With the Girl of Black Soil)』:チョン・スーイル(韓国)
- 『L'Histoire de Richard O.』:ダミアン・オドゥール(フランス)
- 『Mal nascida』:ジョアン・カニージョ(ポルトガル)
- 『Médée Miracle』:トニーノ・デ・ベルナルディ(イタリア・フランス)
- 『Searchers 2.0』:アレックス・コックス(アメリカ)
- 『Sügisball (Autumn Ball)』:Veiko Õunpuu(エストニア)
- 『Xiaoshuo (The Obscure)』:LÜ Yu(中国)
[編集] オリゾンティ・ドキュメンタリー部門
- 『Anabazys』:Joel Pizzini、パロマ・ローシャ(ブラジル)
- 『Andarilho』:カオ・ギマラエス(ブラジル)
- 『Il passaggio della linea』:ピエトロ・マルチェロ(イタリア)
- 『Jimmy Carter Man from Plains』:ジョナサン・デミ(アメリカ)
- 『Kagadanan sa banwaan ning mga engkanto (Death in the Land of Encantos)』:Lav Diaz(フィリピン)
- 『L’Aimée』:アルノー・デプレシャン(フランス)
- 『Lou Reed's BERLIN』:ジュリアン・シュナベール(アメリカ)
- 『Madri』:バーバラ・クピスティ(イタリア)
- 『San (Umbrella)』:杜海濱(中国)
- 『Staub (Dust)』:ハルトムート・ビトムスキー(ドイツ)
- 『Wuyong (Useless)』:賈樟柯(中国)
- Evento Orizzonti
- Dall’altra parte della luna (Dario Baldi・Davide Marengo)イタリア
- Callas assoluta (Philippe Kohly)フランス・ギリシャ
- Carlo Goldoni Venezian (Leonardo Autera・Alberto Caldana)イタリア
- Empire II (エイモス・ポー)アメリカ
[編集] 受賞結果
- 金獅子賞:ラスト、コーション(アン・リー)
- 監督賞:ブライアン・デ・パルマ(Redacted)
- 男優賞:ブラッド・ピット(ジェシー・ジェームズの暗殺)
- 女優賞:ケイト・ブランシェット(I'm not There)
- マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞):Hafsia Herzi(La Graine et le mulet)
- 金オゼッラ賞(脚本):ポール・ラヴァーティ(It's a Free World...)
- 金オゼッラ賞(撮影):ロドリゴ・プリエト(ラスト、コーション)
- 審査員特別賞:La Graine et le mulet(Abdel Kechiche)、I'm not There(トッド・ヘインズ)
- 生涯功労賞:ニキータ・ミハルコフ
[編集] 審査員
[編集] コンペティション部門
- チャン・イーモウ(監督/中国)、審査委員長
- カトリーヌ・ブレイヤ(フランス/監督)
- ジェーン・カンピオン(ニュージーランド/監督)
- エマヌエーレ・クリアレーゼ(イタリア/監督)
- アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(メキシコ/監督)
- フェルザン・オズペテク(トルコ/監督)
- ポール・ヴァーホーヴェン(オランダ/監督)
[編集] オリゾンティ部門
- グレッグ・アラキ(アメリカ/監督)審査委員長
- フレデリック・ワイズマン(アメリカ/監督)
- Hala Alabdalla Yakoub(シリア/監督)
- ジョルジア・フィオリオ(イタリア/写真家)
- Ulrich Gregor(ドイツ/批評家)
[編集] エピソード
- 会場の屋外に掲げられている各国の旗のうち、台湾の国旗が、中国大使館の抗議で外されたことが分かった。中国は、「台湾の旗を外さなければ、審査員長を務める中国のチャン・イーモウ監督を引き揚げさせ、中国作品の出品を取り消す」と通告。映画祭は、この要請に従った。映画祭当局は「国際連合もイタリアも、国としての台湾を認めていない」ことを理由に挙げたといわれている。