石垣カフェ
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石垣カフェ(いしがきかふぇ)とは京都大学で2005年に行われた学生運動、およびその過程で作られた仮設構築物のこと。
京都大学本部キャンパス北西端の百万遍交差点に面した石垣を撤去して、歩道を整備することを大学が2004年秋に発表した。この石垣が学生のサークル活動や政治的主張のための立て看板の場として機能していたことを理由に一部の「学生」が反発。2005年1月より工事の中止を求める「学生」が占拠して、珈琲1杯50円・24時間営業のカフェをはじめた。この事件は、MBSなど一部マスコミで取り上げられた。
この頃、京大は折田先生像という独特の存在によってインターネット上で有名な存在になっていた。その折田先生像を取り上げたサイトから石垣カフェのサイトにリンクされたこともあり、この事件はたちまちネット上に広がった。
また、同年4月には学生たちがカフェ裏にプレハブの長屋を建設し、「いしがき寮」として分譲するとの発表がスポーツ紙などに掲載された。1部屋2万円との破格な値段であり、京大生のみならず美大生など10名ほどが入居したとされる[1]。こうした活動は、教職員やほとんどの学生とは無関係に行われた。
工事の延期を余儀なくされた大学は「学生」側と数回話し合いの場を設けた。2005年8月4日の第3回話し合いで、「学生」側の提案を大学が採用するとの合意がなされ、石垣カフェは8月16日の五山送り火に合わせて自主撤去された。「学生」側の提案では石垣や樹木を保存しつつ、歩行者や車椅子向けの「森の小道」を設けるとした。
2006年3月31日、両者の合意した計画の下、本部構内百万遍門改善整備が竣工し、百万遍南東角に面した「新百万遍門」のほか側道が完成した。