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水間鉄道水間線 - Wikipedia

水間鉄道水間線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

水間鉄道水間線
水間線内を走る1000系電車
水間線内を走る1000系電車
Strecke der 水間鉄道水間線
路線総延長 5.5 km
軌間 1067 mm
電圧 1500 V 架空電車線方式 (直流)
駅・施設・接続路線
HSTR HBHF
南海南海本線
STRrg BHFl
0.0 貝塚駅
eBHF
0.2 海塚駅 1972年廃止
BHF
0.8 貝塚市役所前駅
SBRÜCKE
国道26号
BHF
1.2 近義の里駅
KRZu
JR西阪和線
BHF
2.0 石才駅
BHF
2.8 清児駅
BHF
3.2 名越駅
BHF
4.3 森駅
BHF
4.7 三ツ松駅
BHF
5.1 三ヶ山口駅
SBRÜCKE
国道170号
KBFe
5.5 水間駅

水間線(みずません)は、大阪府貝塚市貝塚駅から水間駅までを結ぶ水間鉄道の唯一の鉄道路線

目次

[編集] 路線データ

  • 路線距離(営業キロ):5.5km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:10駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式

[編集] 概要

水間観音のある水間寺への参詣鉄道として建設された。沿線開発も進み通勤・通学路線となっている。 終点の水間駅の駅舎は、1926年の全通以来のもので、1998年に国の登録有形文化財に登録されている。

中間駅が全て無人駅であるため、車内で車掌による乗車券販売と車内検札がほぼ全区間にわたって行われており、検札鋏(けんさつきょう・検札に使うハサミ)を持った車掌が、鋏を鳴らしながら常に車内を行き来している。昨今の都会の路線においては、自動券売機自動改札機を設置しているが多いため、乗車券のみで乗車できる列車では、車内発券や車内検札自体がまれになっており、地方路線においても、バスのように整理券運賃箱を用いたワンマン列車が多くなっているなか、風情を感じさせる貴重な存在である。

水間鉄道も早朝深夜に限ってはワンマン運転を行っている。そのため、車両は車内に運賃箱も運賃表もあるワンマン仕様である。かつて終日ワンマン化したこともあったのだが、その際、主な利用客である高齢者層が新システムになじめなかったため、早朝深夜以外の時間帯は再び車掌を乗務させることにしたのである。

2007年にはPiTaPa導入を視野にスルッとKANSAI協議会に加盟した。

[編集] 運行形態

線内折り返しの列車が毎時3本運転されている。

[編集] 車両

車両は南海電気鉄道の中古車両を使用していたが、1990年に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧し、全車両を元東急7000系電車の7000系に置き換えた。2004年現在、2両編成5本の計10両を所有している。2006年から7000系の一部が更新改造され1000形に改番されている。

[編集] 利用状況

地域のお年寄りや学生の足であるだけでなく、途中の石才駅近辺には自動車教習所があり、そこに通う人々が多く利用する。さらに正月には水間観音への参拝客でにぎわう。

[編集] 輸送実績

水間線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年  度 輸送実績(乗車人員):万人/年度 輸送密度
人/km・1日
特 記 事 項
通 勤
定 期
通 学
定 期
定期外 合 計
1970年(昭和45年)     144.8 385.9    
1975年(昭和50年) 158.5 106.0 151.5 416.0 8,410  
1976年(昭和51年) 156.8 107.6 153.1 417.5 8,164  
1977年(昭和52年) 158.0 105.2 152.2 415.6 8,150  
1978年(昭和53年) 153.7 111.6 151.8 417.2 8,050  
1979年(昭和54年) 151.8 113.4 151.2 416.5 8,016  
1980年(昭和55年) 151.6 110.4 154.4 416.5 8,010  
1981年(昭和56年) 154.7 105.5 153.5 413.8 7,961  
1982年(昭和57年) 151.2 100.6 149.8 401.7 7,749  
1983年(昭和58年) 145.8 92.2 142.5 380.5 7,407  
1984年(昭和59年) 142.5 91.2 135.2 368.9 7,174  
1985年(昭和60年) 139.6 92.4 133.7 365.7 7,076 自動閉塞化
1986年(昭和61年) 135.4 85.3 127.7 348.4 6,777  
1987年(昭和62年) 130.7 76.3 121.4 328.4 6,416  
1988年(昭和63年) 123.4 68.3 112.7 304.4 5,997  
1989年(平成元年) 120.2 60.4 110.7 291.3 5,775  
1990年(平成2年) 121.4 63.4 110.8 295.6 5,748 架線電圧を1500Vに昇圧 冷房電車導入
1991年(平成3年) 124.3 57.3 113.7 295.3 5,783  
1992年(平成4年) 130.5 59.1 115.9 305.5 5,903  
1993年(平成5年) 133.9 59.0 118.6 311.5 5,948  
1994年(平成6年) 137.7 60.8 113.1 311.6 5,912  
1995年(平成7年) 137.5 60.3 110.2 308.0 5,798  
1996年(平成8年) 129.9 53.1 102.7 285.7 5,385  
1997年(平成9年) 124.6 54.9 97.0 276.5 5,187  
1998年(平成10年) 116.6 57.7 92.7 267.0 5,026  
1999年(平成11年) 109.0 60.0 92.4 261.4 4,941  
2000年(平成12年) 106.7 55.4 88.6 250.7 4,748  
2001年(平成13年) 102.9 56.3 83.1 242.3 4,570  
2002年(平成14年) 94.1 55.0 78.5 227.6 4,275  
2003年(平成15年) 88.5 55.0 76.8 220.3 4,079  
2004年(平成16年) 87.3 54.8 73.0 215.1 3,964  
2005年(平成17年)     72.9 214.2 3,947  
2006年(平成18年)            
2007年(平成19年)            

[編集] 収入実績

水間線の近年の収入実績を下表に記す。旅客運賃収入が増加した時期もあったが最近では減少している。 表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年  度 旅客運賃収入:千円/年度 運輸雑収
千円/年度
総合計
千円/年度
通勤定期 通学定期 定 期 外 手小荷物 合  計
1975年(昭和50年) 137,651 ←←←← 159,117     883 299,303
1976年(昭和51年)   ←←←←          
1977年(昭和52年)   ←←←←          
1978年(昭和53年)   ←←←←          
1979年(昭和54年)   ←←←←          
1980年(昭和55年)   ←←←←          
1981年(昭和56年)   ←←←←          
1982年(昭和57年)   ←←←←          
1983年(昭和58年)   ←←←←          
1984年(昭和59年)   ←←←←          
1985年(昭和60年)   ←←←←          
1986年(昭和61年) 207,220 ←←←← 225,247 0 432,467 4,093 436,560
1987年(昭和62年) 146,087 49,690 215,436 0 411,213 6,856 418,069
1988年(昭和63年) 141,144 45,509 204,976 0 391,629 6,652 398,271
1989年(平成元年) 156,394 46,714 222,252 0 425,360 3,140 428,500
1990年(平成2年) 153,560 47,527 213,988 0 415,075 5,563 420,638
1991年(平成3年) 157,515 42,929 219,179 0 419,623 9,663 429,286
1992年(平成4年) 164,215 44,287 220,637 0 429,139 10,686 439,825
1993年(平成5年) 168,028 44,374 224,334 0 436,736 11,348 448,084
1994年(平成6年) 171,546 45,591 214,896 0 432,033 11,071 443,104
1995年(平成7年) 170,604 44,879 212,139 0 427,622 11,945 439,567
1996年(平成8年) 173,655 42,796 214,570 0 431,021 10,665 441,686
1997年(平成9年) 166,658 43,769 203,001 0 413,428 10,051 423,479
1998年(平成10年) 156,962 45,964 194,225 0 397,151 8,864 406,015
1999年(平成11年) 147,755 48,034 193,915 0 389,704 9,052 398,756
2000年(平成12年) 144,493 44,179 186,028 0 374,700 8,491 383,191
2001年(平成13年) 138,936 44,128 174,374 0 357,438 7,300 364,738
2002年(平成14年) 126,910 42,657 163,972 0 333,539 10,813 344,352
2003年(平成15年) 118,955 40,699 160,559 0 320,213 14,314 334,527
2004年(平成16年) 116,884 38,984 152,589 0 308,457 14,712 323,169
2005年(平成17年)              
2006年(平成18年)              
2007年(平成19年)              

[編集] 歴史

[編集] 幻の分岐延長計画

清児駅から分岐し泉佐野市南部の犬鳴を経て和歌山県粉河(現紀の川市)まで延長する計画があった。1950年に清児~粉河間の鉄道敷設免許を取得し、資金調達のため1953年に紀泉鉄道という別会社を設立して着工したものの、資金不足で工事は中止された。1963年に水間鉄道は紀泉鉄道を吸収合併し、維持していた免許も1967年に山越えとなる犬鳴~粉河間が当面開通の見込みが無いとの理由で当時の運輸省より免許返納を勧められたため失効、残る清児~犬鳴間も何度か第三セクター方式で再起が試みられたが、資金調達の目処がつかず、1996年にこの区間の建設も断念し、免許も失効して計画は立ち消えとなった。

2006年現在、清児駅付近の住宅地内に残っていた用地は宅地化され、熊取町七山付近に痕跡が一部残るのみで、熊取ニュータウンの中央部に都市計画道路と一緒に確保されていた用地は殆ど宅地化された(熊取ニュータウン内には、敷地への立入りを禁ずる看板には水間鉄道のほかに道路管理者の名前も見える)。

[編集] 駅一覧

全列車が各駅に停車

駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
貝塚駅 - 0.0 南海電気鉄道:南海本線 大阪府貝塚市
貝塚市役所前駅 0.8 0.8  
近義の里駅 0.4 1.2  
石才駅 0.8 2.0  
清児駅 0.8 2.8  
名越駅 0.4 3.2  
森駅 1.1 4.3  
三ツ松駅 0.4 4.7  
三ヶ山口駅 0.4 5.1  
水間駅 0.4 5.5  
  • 近義の里駅と石才駅の間で、JR西日本阪和線立体交差しているが、交差地点の近辺には両路線ともに駅はなく、接続はしていない。
  • 貝塚駅より0.2kmの地点には、かつて海塚駅があった(1925年~1972年)。開業当時はこの駅が起点駅であったためか、線内の距離標(キロポスト)は、現在でもこの地点を基準として設置されている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

マルチメディア
水間鉄道水間線に関連するマルチメディアがあります。
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