機動刑事ジバン
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『機動刑事ジバン』(きどうけいじジバン)は、1989年(平成元年)1月29日から1990年(平成2年)1月28日までテレビ朝日系で毎週日曜日9:30 - 10:00(9話まで)、毎週日曜日8:00 - 8:30(10話から)に全52話が放送された、東映製作の特撮テレビ番組。およびその中に出てくる主人公の名前。「メタルヒーローシリーズ」の第8弾とされ、年号が平成になってから最初の作品でもある。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
メタルヒーローシリーズ | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第7作 | 世界忍者戦 ジライヤ |
1988年1月 - 1989年1月 |
第8作 | 機動刑事 ジバン |
1989年1月 - 1990年1月 |
第9作 | 特警 ウインスペクター |
1990年2月 - 1991年1月 |
目次 |
[編集] ストーリー
セントラルシティ署の青年刑事・田村直人は、犯罪組織バイオロンに襲われた五十嵐博士、孫のまゆみを救うために命を落とした。だが彼は、“ジバンプロジェクト”のドナーに選ばれ、サイボーグとして蘇った。普段は同僚たちと共に平刑事を装って捜査にあたっている直人は、ひとたびバイオロンの悪事を嗅ぎつけるや、銀色のボディに包まれた“機動刑事ジバン”に姿を変え、バイオロンを粉砕するのだ!
[編集] 概要
[編集] 特徴
メタルヒーローシリーズの8作目となる本作品は、『超人機メタルダー』以来となるロボットヒーロー物として制作されている。ただし、『メタルダー』や後年の『特捜ロボ ジャンパーソン』とは異なり、主人公であるジバンは純然たるロボットではなく、サイボーグとして扱われている。
これは1987年に公開された映画『ロボコップ』の影響を受けたものであり、その影響はこれ以外にもジバンの機械的な動作や、各種メカニックの描写などにも大きく現れている。元々『ロボコップ』自体も『宇宙刑事ギャバン』の影響を受けている部分もあり、ある意味では意趣返しともいえる。また、こうしたロボコップ的な動作は、前年に放送されていた『仮面ライダーBLACK RX』のロボライダーや、『特警ウインスペクター』のサポートドロイド、さらに『特捜ロボ ジャンパーソン』などに受け継がれている。
これ以外に特筆すべき点としては、本シリーズの主人公としては初めて、地球の公的機関に所属している設定となっている点や、後半にパーフェクトジバンが登場した事により投入された大型火器の登場が挙げられる。また、それまでヒーローが使用する車両は国産メーカーのものが中心だったが、本作品にてGMの車両が初めて使用された。これらの要素は以降の同シリーズ作品にも多く取り入れられており、そうした意味ではメタルヒーローシリーズのターニングポイントとなったと言える。
メインライターには杉村升が就任、以降『特救指令ソルブレイン』まで3作連続で担当。また『宇宙刑事ギャバン』以来プロデューサーを務めてきた吉川進、折田至の同シリーズにおける最後の担当作品となった。
[編集] 音楽関連
当番組の音楽は、当初は前作『ジライヤ』から若草恵が続投する予定だったが土壇場になってそれが不可能となったため、メタルヒーローシリーズとも縁が深い渡辺宙明に依頼が行われた。少ない作曲時間にも関わらず、コロムビアレコードのディレクターからの提案を受け、マリンバ等にウェイトを置いた力作を書き上げたものの、実際の作品には『イナズマン』、『ジャッカー電撃隊』、『大鉄人17』、『宇宙刑事シリーズ』等、過去に渡辺が担当した東映特撮作品からの流用が主に選曲されるという珍事態となった。これについては選曲担当の金成謙二の存在が大きいとされ、実際に彼が選曲を手がけた『特警ウインスペクター』や『重甲ビーファイター』などといった作品でも同様のケースが見られる。
特にジバンは一連の作品の中でも特にメイン音楽の放置及び旧作からの転用があまりにも目立ち、作品内におけるジバンという作品固有の音楽的な個性は完全に喪失していたと言っても良い。事実、主題歌並びにインスト以外でジバンのテーマを想像できるファンも少なく、何のために新曲を起こしたのか内外で問題になった。CD一枚は優にあるだけのストックを作曲したにも関わらず、流用の多用という状態に対し、渡辺はプロデューサーに抗議を行ったものの聞き入れて貰えなかったという。これ以降、渡辺宙明の名は劇伴については東映実写作品から長く姿を消す事となった。
[編集] 放映時間の変更
本作品の10話以降は放送時間が変更されている。これは1989年春の改編において、現在も続く「サンデープロジェクト」が立ち上げられたことに伴い、それまで10:30 - 11:00に設定されていたABC制作ドキュメント枠が1時間前倒しされ、それに押し出される形で8時台に移動した。それまで「題名のない音楽会」を挟んで分断されていた8時台後半のABC制作アニメ枠(同時期に『新ビックリマン』へ移行)と放送時間が連続し、テレビ朝日系では日曜8時台が明確に子供向けの時間帯、9時台以降は大人向けの時間帯と明確に確立された。この日曜8 - 11時台の基本的な編成の枠組みは2008年現在も変わっていない。
[編集] 主な登場人物
[編集] 主人公サイド
- 田村直人(たむら なおと) = 機動刑事ジバン
- 本編の主人公。セントラルシティ署に勤務する刑事で、正義感が人一倍強い性格からバイオロンに襲われていた五十嵐博士とその孫まゆみを助けようとしてウニノイドに生身で挑み、命を落とす。瀕死の五十嵐博士が施したサイボーグ手術により機動刑事ジバンとして蘇ったが、完成直後に五十嵐博士が亡くなってしまった為に満足な調整を受けていない。よって、いつ機能停止に陥るかもわからないが、それでも彼は消える事の無い正義の心から警視庁秘密捜査官警視正としてバイオロンと戦う事を誓った。洋子の誕生日プレゼントを用意する事などから、彼女に気がないわけでもないようである。バイオロンを壊滅させた後は、完全な世界平和を目指し、まゆみに置手紙を残して旅に出る。
- 五十嵐まゆみ(いがらし まゆみ)
- ジバンの秘密を知る少女。五十嵐博士の孫娘でジバン誕生に立ち会った。手術が成功し完成したにも関わらず初起動に失敗したジバンだったが、最後は彼女の一筋の涙がジバンを稼動に導いた。また、破壊されたジバンを甦らせるための「鍵」を持つ。初期はジバンの助手的な役割を担っていたが、中盤バイオロンの作戦によって失踪、記憶を失う。以降は直人とは離れ離れとなり、早川良との逃避行を経て、終盤はバイオロンに囚われてしまう。後に直人の実の妹であることが判明する。
[編集] セントラルシティ署
- 片桐洋子(かたぎり ようこ)
- セントラルシティ署における直人の先輩刑事。かなりの行動派であり、愛銃はコルトガバメント。拳銃の腕は確かなもので、戦闘員程度なら、難なく倒せる。さらに車(白のマツダRX-7)の運転はかなり凶暴。ポニーテールにミニスカートあるいはボディコンの格好である事が多く、ピストルを撃つ際に、少しスカートを捲り上げる(腰を低くするため)。この時、テーマ曲らしきものが必ず流れる(実は『巨獣特捜ジャスピオン』挿入歌「いつの日平和が」の伴奏部分を編集したもの)。以前から疑ってはいたのだが、最終話で、直人がジバンである事を知る。
- 村松清志郎(むらまつ きよしろう)
- 捜査課長代理。自称エリートでシティボーイ。かなりのおっちょこちょいで自分がジバンであると勘違いしたこともある。洋子に好意を寄せているが相手にされていない。大抵、ドジを踏んで敵に捕まるのがお決まり。ジバンに絶対の信頼を置いている。
- 坂東武子(ばんどう たけこ)
- 捜査課長。初期のみの出演。
- 松本美智代(まつもと みちよ)
- 捜査課事務員。彼女と直人を含め刑事課のメンバーはたった5人というお粗末な体勢である。直人に気があるよう。
[編集] ジバン計画関係者
- 五十嵐健三博士(いがらし けんぞう)
- ジバンの開発者。対バイオロン用兵器製造計画、「JIBAN PROJECT」を密かに進めていた。しかし、その兵器即ちジバンはサイボーグであり、非人道的と感じた彼は中止するつもりでいた。だが、バイオロンに襲われた時に自分と大切な孫娘のまゆみを守るために命を落とした青年を死なせたくないという思いから、博士は自らも重傷の身である中、直人に手術を行うがその後まもなく力尽き、ジバンの活動する姿を見ることはなかった。また、国立科学アカデミーバイオ研究所の所長でもあり、その施設においてドクターギバ(ギバノイド)を誕生させてしまう。最終話において、ギバノイドの存在を知っていたかのようなシーンがある。(結果論であるが、)ジバンとドクターギバの両方の誕生に深い係わりを持つ人物であり、その意味で、この物語のキーパーソンであると言える。
- 柳田誠一(やなぎだ せいいち)
- 警視庁秘密調査室統括責任者であり、五十嵐博士の助手としてジバン計画にも携わっていた。最初は直人をジバンにすることに反対したが、五十嵐博士の熱意に負けてサポートを行いジバンを誕生させる。直人にいつまで生きられるかわからない事を告げつつ五十嵐博士の遺志を継ぎバイオロンと戦う事を諭し、直人に警視正の階級を与えた。その後も立場上常時ではないもののジバンをサポートしていた。しかし終盤、ジバン基地へとバイオロンが攻撃するよう仕向けることでその本拠地を突き止めるものの、この攻撃を受けた際の崩壊に巻き込まれ殉職した。
- ボーイ
- ジバン基地全般を管理する第6世代コンピュータ。後にハリーの体に移植されハリーボーイとなる。
- ハリー / ハリーボーイ
- ハリーは板倉博士が開発した、第6世代コンピュータ内蔵で世界60カ国語以上を話すマスコットロボット。その姿は、映画スターウォーズに出てくるドロイド、R2-D2を彷彿とさせるものである。平和主義な性格で、戦いによる解決を全面否定していたが、バイオロンに捕らえられた板倉博士を救出するために電気ショックで戦い、一度は機能停止するも、メモリーチップが無事であった為に修理されて後に再登場を果たす。再び機能停止に追い込まれた後、ボーイと合体してハリーボーイとなり、失踪したまゆみに代わる助手的な役割も担うことになった。しかし終盤、ジバン基地が攻撃を受けた際、崩壊に巻き込まれ全機能を停止した。その後直人の手で墓が立てられた。
[編集] その他
- 早川良(はやかわ りょう)
- ある事件の容疑者として警察に追われている青年。記憶喪失になったまゆみを助けた事からまゆみと行動を共にするようになる。最後は、まゆみに着けられた指輪爆弾を投げ捨てた際の爆発に巻き込まれて、命を落とす。
[編集] 犯罪組織バイオロン
- ドクター・ギバ
- 犯罪組織バイオロンの首領。その正体は五十嵐博士が所長を勤めていた国立科学アカデミーバイオ研究所の廃液処理場から誕生したバイオノイド・ギバノイド。数々のバイオノイドを作り、犯罪を起こす。
- マーシャ
- ドクター・ギバの側近の女性の人工生物。カーシャと行動を共にする。
- バトルスタイルに変身でき、その姿は「バトルマーシャ」と呼ばれる。最終話でドクターギバに処刑される。
- カーシャ
- マーシャと同じく人工生物。
- カーシャ同様バトルスタイルに変身でき、その姿は「バトルカーシャ」と呼ばれる。マーシャ同様、最終話にドクターギバに処刑される。
- ブビ
- ドクター・ギバに作られた人工生物。巨大化能力を持つ。バイオロン基地でのカーシャとマーシャのおしゃべりを煙たがっている。
- ムク
- ブビと同じく人工生物。毛むくじゃらで鳥の雛の様な姿だが鋭いくちばしを有している。
- バイオロン崩壊後はブビとともにまゆみに引き取られる。
- マッドガルボ
- ジバンに度重なる敗退をしたドクター・ギバが生み出した「ジバンキラー」でジバンと同等もしくはそれ以上の能力を有する。80%が金属、20%が有機物質で作られている。
- 鋭い剣、ダイダロスファイヤーも防ぐ盾、バイオバズーカ、ガルボアンカー等の武器を持つ。また、「黒牙」というバイカンと同性能のサイドカーを所有している。
- 中盤にて宇宙生物の力でパワーアップし、最終的には盗み出したジバン計画の設計図から全ての性能においてジバンを上回る同型のサイボーグとなるが、51話において、「無の境地」に立ったジバンとの一騎打ちの末、ジバンエンドにより致命傷を受け、最後はオートデリンガーで倒される。ジバンエンドを受けても倒れなかった、唯一の敵でもある。
- マスク
- 戦闘員。
- クイーンコスモ
- 28話より登場。ある科学者が採取した宇宙生物を取り戻しに来た、月にて誕生した謎の女性型生命体。強力な「ムーンパワー」を使う。騎士のような分身・ゴーレムコスモを作り出せる。当初、宇宙生物をめぐってバイオロンと敵対していたが、ジバン打倒のために手を組む。
- その正体は月で誕生した怪物コスモとよばれる生命体で、常に浮遊し、破壊光線や溶解液を武器とする。また、ジバンの電子機器を狂わせる虫も用いる。体は、マクシミリアンソードも通用しない強度を持つ。地球にて自分の仲間とともに「女だけの帝国」を建国しようとしたがジバンに阻止されオートデリンガーの前に敗れる。
[編集] ジバンの戦力
セントラルシティ署の田村直人刑事がサイボーグ化された警視庁秘密捜査官。階級は警視正。普段は田村として生活しており、必要に応じて自在にジバンに変身する(壁をすり抜けたら、もう変身という事もあった)。青い光に包まれた後、ジバンに変身したケースもある。しかし、サイボーグとは言え、比較的、人間の時と大差ない生活ができるようである(例えば、劇中において、まゆみとアイスを食べるシーンがある)。
そのボディはジバンファイバー製で銃弾も弾く。力は鉄骨も持ち上げ、スピードはサラブレッド並み。動力は電気エネルギー。(その為、長時間の戦闘には不向きで、エネルギー切れに陥りそうになった事もある)。
[編集] 基本武装
- マクシミリアン TYPE-3
- ジバンの右腿に収納されている3種類に変形する武器。(テレビのオープニングでは、左手首の甲を右の拳でスタンプの様に叩くと飛び出す仕掛けになっていたが、その形式ではほとんど用いられなかった)。
- マクシミリアンスティック
- マクシミリアン TYPE-3 が変形した十手。電流のディスクローズショックを放つ。
- マクシミリアンガン
- マクシミリアン TYPE-3 が変形した光線銃。通常の破壊光線の他、人間に化けたバイオノイドの正体を暴くサーチバスター、マクシミリアンの全エネルギーを放出して大ダメージを与えるラストシューティングという光線も発射可能。
- マクシミリアンソード
- マクシミリアン TYPE-3 が変形した剣。エネルギーを集める事で光り輝く必殺武器になる。敵に突進してすれ違いざまに斬りつけ、振り向きざまに縦斬りを決めるジバンエンド、ジャンプして降下しながら剣を振り下ろすジバンハーケンクラッシュ、ダイダロスで飛行しながら敵を斬るジバンフライングクラッシュという必殺技があり、ジバンエンドが最も多用された。
- 電子手帳
- ジバンの腹部に収納されている電子手帳。ジバンの身分証明書であり、名乗りを上げる際に提示する他、1から9までの3桁の暗証番号の入力により専用マシンやダイダロスを呼ぶ。(「1→5→3」のコードでたいていのメカを呼び寄せる)。
- マルチワーカー
- ジバンの右腕に内蔵されており、使用時にせり出してくる。大型の針・ニードリルやハイパービームを発射可能。バイオノイドとの格闘戦の際、一種の暗器として威力を発揮した。パーフェクトジバンへの強化改造の際に取り外された。
- グリップガン
- ジバンの左腕に内蔵されているワイヤー付き手錠。本編未使用。パーフェクトジバンへの強化改造の際に取り外された。
- 高機動システムウェポン ダイダロス
- 普段はレゾンのトランクに格納されており、電子手帳で呼び出す事でジバンの元に飛んでくる新装備。背中に装着する飛行ユニットと2連装ビーム砲の2種類の使い方が可能であり、ビーム砲モードのダイダロスボンバードは、ビルのワンフロアも一撃で破壊する必殺光線ダイダロスファイヤーを発射する。飛行ユニットは、宇宙遊泳に使われる、フライトユニットを連想させるフォルムである。パーフェクトジバンに強化された後は、専ら飛行ユニットとして用いられる事が多くなった。
[編集] パーフェクトジバン
中盤にて強化されたマッドガルボらに完全に破壊され、機能停止したジバンが3つの新兵器を得て強化復活した姿。これらの武器は、いずれも使用時にジバンの元に自動的に転送されて装備される。これらの要素によりノーマルのジバンと比較して50%のパワーアップを果たしている。それ以外に外見の変化は無いが、強化されたマッドガルボの攻撃にもびくともしないところから装甲の強化なども行われたようだ。
なお、パーフェクトジバン改造後も強化武装の一つであるダイダロスは普通に使用できる。一度だけフル装備状態で戦った。
- オートデリンガー
- ジバン最強の大型火器。弾丸を高速連射するサブマシンガンモードとダイダロスの30倍以上の破壊力を誇る最強必殺技ファイナルキャノンモードの2種類のモードがある。
- ニードリッカー
- 右腕に装着する大型ドリル。ドリルの刃を発射する事も可能。これの追加に伴い、それまで使用していたマルチワーカーは取り外された。ジバンが一度敗北を喫したサイノイドの角を容易く破壊するほどの硬度を持つ。
- パワーブレーカー
- 左腕に装着する大型シールド。先端に強力なパワーハンドが付いている。そのパワーで敵を絞め上げたり、遠方へ投げ飛ばしたり出来る。
[編集] メカニック
どのメカもスケルトンブラックをカラーの基調とし、非常に多くの電飾が施されているのが特徴である。3機とも第6世代のコンピューターを搭載されており、人間と同じく会話までこなせる。またこれらは、ジバンと意識がシンクロしており、ジバンが機能停止すると、これらも機能停止してしまう(34話でジバンが破壊された直後、ジバン基地で3体とも動かなくなった)。数々の戦闘でジバンをサポートしてきたが、最終決戦にて3機とも大破してしまった。
- レゾン
- ジバンが事件現場に向かう際、最も頻繁に使用される専用パトカーで、バンパーのあたりにレーザーレールガンを装備している。左ハンドル車。また、ジバンを収容するための、緊急避難装置が右のドライバーシートにある(34話でマッドガルボに破壊されたジバンを、車内に収容した)。ベース車はGMの3代目ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(中期型)。その装備は「防御」に重点がおかれている。パーフェクトジバンに改造された35話以降では、オートデリンガーをドアの上に装備できるようになった。
- バイカン
- ジバン専用のオートバイ。バイクの特性上、車より小回りが利くので状況によってレゾンと使い分けされるのだが、大抵はレゾンが使用されるため影が薄い。ノーズ部分にバズーカのバルーガ砲を装備している。その装備は「攻撃」に重点がおかれている。
- スパイラス
- 飛行型のバイオノイドを追撃する際使用されるステルス VTOL 戦闘機。レーザーバルカンが武器。
[編集] 対バイオロン法
犯罪組織バイオロンを取り締まるために国家上層部が取り決めた法。ジバンが敵を倒す際は、この対バイオロン法を読み上げながら攻撃を加えるのが、お決まりの場面となっている。ただし、第一条、第九条のような「機動刑事ジバンはあらゆる人を逮捕できる」「機動刑事ジバンは、自身が「あらゆる生命体の平和を破壊する人間」と認定すれば、即死刑の執行が出来る」と拡大解釈が可能な、現実の法律として存在した場合において危険極まりない内容、第二条のような法務大臣の管轄下にある刑の執行を国家公安委員会に属する警察官が独断で実行できる規定などの現行法令との矛盾も存在する。また、第六条の様な「法律として成立していない条文」も存在する。ファンの間では、「ジバンが何やっても許される法律」として有名である。
- 第一条
- 機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる
- 第二条
- 機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することができる
- (補足)場合によっては抹殺することも許される
- 第三条
- 機動刑事ジバンは、人間の生命を最優先とし、これを顧みないあらゆる命令を排除することができる
- 第五条
- 人間の信じる心を利用し、悪のために操るバイオロンと認めた場合、自らの判断で処罰する事ができる
- 第六条
- 子どもの夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い
- 第九条
- 機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる
2005年に人権擁護法案が国会に提出されかかった際、この法案の問題点が対バイオロン法の問題点と似通っていたことから、同法案に反対するジバンを視聴していた世代によって皮肉をこめたパロディが作成されたことがある。このパロディにおいては前述した第一条、第二条、第六条、第九条が特に同法案の問題点と通じるものがあるとされていた。
[編集] キャスト
[編集] レギュラー・準レギュラー
- 田村直人 = 機動刑事ジバン(声):日下翔平
- 五十嵐まゆみ:間下このみ
- 片桐洋子:榎田路子
- 村松清志郎:小西邦夫
- 坂東武子捜査課長:渡辺マリ
- 松本美智代:岡崎ゆきえ
- 五十嵐健三博士:伊豆肇
- 柳田誠一:石濱朗
- ボーイ(声):伊倉一恵
- ハリー / ハリーボーイ(声):溝口綾
- 早川良:小林良平
- ドクター・ギバ:レオ・メンゲティ
- ドクター・ギバ(声):飯塚昭三
- マーシャ / バトルマーシャ(声):河合亜美
- カーシャ / バトルカーシャ(声):古川明美
- ブビ(声):神山卓三(1~38話)、大山豊(39~52話)
- ムク(声):菊地毅
- マッドガルボ(声):弥永和子
- クイーンコスモ、ゴーレムコスモ:朝倉陽子
- ナレーション:大平透
[編集] 主なゲスト出演者
- 警視庁捜査一課刑事・池田:栗原敏(2話)
- 怪力銀行強盗・中川:加地健太郎(2話)
- 篠原ユキ:湯原弘美(4話)
- 篠原コウイチ:佐藤功(4話)
- 板倉博士:宮寺康生(5話)
- 高山:伴直弥(6話)
- 村上ミコ:中野美穂(7話)
- ミコの兄・健太:内田崇吉(7話)
- 小林:沼田爆(8話)
- 漫画家志望・星山:小野寺丈(23話)
- 川本メイ:国実百合(26話)
- 小太郎:竜小太郎(30話)
- 山地学:橋本巧(31話)
[編集] スタッフ
- 原作:八手三郎
- 連載:テレビマガジン、おともだち、たのしい幼稚園、テレビランド
- プロデューサー:宇都宮恭三(テレビ朝日)、吉川進、折田至、堀長文(東映)
- 監督:小西通雄、岡本明久、宮坂清彦、三ツ村鐵治、小笠原猛
- 脚本:杉村升、藤井邦夫、高久進、扇沢延男(扇澤延男)、鷺山京子、荒木憲一
- アクション監督:金田治、山岡淳二、山田一善、村上潤
- 撮影:瀬尾脩、小泉貴一、工藤矩雄、松村文雄
- 助監督:宮坂清彦、石田秀範、前嶋守男、岩原直樹
- 特撮監督:矢島信男
- 音楽:渡辺宙明
- キャラクターデザイン&SFXアドバイザー:雨宮慶太
- イラスト:野口竜
- 制作:テレビ朝日、東映、ASATSU
[編集] 主題歌
- OP「機動刑事ジバン」
- ED「未来(あした)予報はいつも晴れ」
共に作詞:山川啓介、作曲:鈴木キサブロー、編曲:和泉一弥、歌:串田晃
[編集] 放送リスト
放送日 | 話数 | サブタイトル | 登場バイオノイド、その他 | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
1989/1/29 | 1 | 僕のかわゆい少女ボス | カメレノイド(人間体:岩城力也) | 杉村升 | 小西通雄 |
1989/2/5 | 2 | 大好き! ナオトお兄ちゃん | ネコノイド(人間体:加地健太郎) | ||
1989/2/12 | 3 | へんな男とおばけ野菜 | ドロノイド(人間体:林家源平/声:依田英助) | 岡本明久 | |
1989/2/19 | 4 | すてきなバラのプレゼント | バラノイド(人間体:大木正司) | 藤井邦夫 | |
1989/2/26 | 5 | 三大メカ出動! アイドルロボを救出せよ! | タコノイド(人間体:団巖) | 杉村升 | 宮坂清彦 |
1989/3/5 | 6 | 割れた恐竜の卵のひみつ | ハゲタカノイド(人間体:上田忠好) | 高久進 | |
1989/3/12 | 7 | 恐怖のハクションおじさん! | カゼノイド(人間体:平松慎吾) | 藤井邦夫 | 小西通雄 |
1989/3/19 | 8 | デコボコ! 東京モグラ地図 | モグラノイド(人間体:速水昌治) | 扇澤延男 | |
1989/3/26 | 9 | 猫になった子犬 | ハイエナノイド | 高久進 | 三ツ村鐵治 |
1989/4/2 | 10 | パパはパパじゃない!? | アクムノイド 夢の中の怪物 |
藤井邦夫 | |
1989/4/9 | 11 | 少女と戦士の心の誓い | ウニノイド(声:依田英助) | 杉村升 | 岡本明久 |
1989/4/16 | 12 | 危うし! 洋子先輩 | ドラゴン | 高久進 | |
1989/4/23 | 13 | 哀しみの少年を救え | スカンクノイド(声:西尾徳) | 杉村升 | 小西通雄 |
1989/4/30 | 14 | 愛の大逆転ゲーム! | キラーノイド(声:岸野一彦) | 藤井邦夫 | |
1989/5/7 | 15 | オオカミ男はピアノ好き | オオカミノイド(人間体:岡本美登) | 扇澤延男 | 岡本明久 |
1989/5/14 | 16 | おれは透明人間だぞ!! | クラゲノイド(声:依田英助) | 高久進 | |
1989/5/21 | 17 | 誕生! 対ジバン必殺兵器 | アゲハノイド(声:太地琴恵) | 杉村升 | 小西通雄 |
1989/5/28 | 18 | 母と娘・悲しみの果てに | アゲハノイド ヒトデノイド |
||
1989/6/4 | 19 | 電子手帳返上! | チュウシャノイド(声:丸山詠二) | 岡本明久 | |
1989/6/11 | 20 | 町にお金が降って来た! | カネノイド(声:依田英助) | ||
1989/6/18 | 21 | スズ虫・毒虫・ゲリラ虫 | ムシノイド | 高久進 | 三ツ村鐵治 |
1989/6/25 | 22 | マユミがいた!! | ハンターノイド(声:森篤夫) | ||
1989/7/2 | 23 | マンガを喰いすぎた怪物 | ヤギノイド(声:丸山詠二) | 扇澤延男 | 岡本明久 |
1989/7/9 | 24 | ようこそ!! 大霊界へ | ジサツノイド | 高久進 | |
1989/7/16 | 25 | 女神サマをぶッとばせ! | バクハノイド(声:依田英助) | 杉村升 | 小笠原猛 |
1989/7/23 | 26 | 竜に釣られたグルメ美女 | リュウノイド(声:西尾徳) | 扇澤延男 | |
1989/7/30 | 27 | 愛するわが子は悪魔の子 | ムカデノイド | 杉村升 | 小西通雄 |
1989/8/6 | 28 | パパはドクターギバ?! | ゾウノイド | ||
1989/8/13 | 29 | 集団見合いで大ドンデン! | ダブルノイド・兄 ダブルノイド・弟(声:篠田薫) |
扇澤延男 | 岡本明久 |
1989/8/20 | 30 | 美少年小太郎一座の怪人 | カブキノイド(声:依田英助) 怪物人間 |
鷲山京子 | |
1989/8/27 | 31 | 真夏の夜のニンジャ合戦 | シノビノイド(声:依田英助) バイオ下忍 |
高久進 | 三ツ村鐵治 |
1989/9/3 | 32 | パールの涙は金色の海に | ディストノイド(声:丸山詠二) | 藤井邦夫 | |
1989/9/10 | 33 | ガルボに咲いた千年ハス | ライギョノイド(声:西尾徳) ガルボの化身(演:垣内かおる) |
鷲山京子 | 小西通雄 |
1989/9/17 | 34 | 壮絶! ジバン死す | サイノイド(声:依田英助) | 杉村升 | |
1989/9/24 | 35 | パーフェクトジバンだ! | 岡本明久 | ||
1989/10/1 | 36 | 夢見るチャンバラ怪物! | チャンバラノイド(人間体:高橋利道) | 扇澤延男 | |
1989/10/8 | 37 | 私は世界一の美女 !? | カメノイド ゴーレムコスモ |
杉村升 | 小西通雄 |
1989/10/15 | 38 | 故郷だよ、おっ母さん! | キノコノイド(声:岸野一彦) | 扇澤延男 | |
1989/10/22 | 39 | マユミの指輪爆弾!! | ヤドカリノイド(声:丸山詠二) | 杉村升 | 小笠原猛 |
1989/10/29 | 40 | 大反乱!! お化け時計 | パンサーノイド | 高久進 | |
1989/11/12 | 41 | 脱線! じゃじゃ馬婦警 | ウワバミノイド(声:依田英助) | 荒木憲一 | 三ツ村鐵治 |
1989/11/19 | 42 | 怪物ロックンロール! | ナマズノイド(声:山口健) ティラノザウルスノイド |
扇澤延男 | |
1989/11/26 | 43 | ジバンを刺した洋子…! | コブラノイド 宇宙ビールス |
藤井邦夫 | 小西通雄 |
1989/12/3 | 44 | 子供になった天才科学者 | スイトルノイド(声:依田英助) 宇宙蝶 |
鷲山京子 | |
1989/12/10 | 45 | 恐怖の人間スルメ作戦! | イカノイド | 荒木憲一 | 岡本明久 |
1989/12/17 | 46 | 好き! 二人のお兄ちゃん | 怪物コスモ(クイーンコスモ) 宇宙生命体 |
杉村升 | |
1989/12/24 | 47 | 激突! クリスマス決戦!! | ユニコーンノイド | 高久進 | 小笠原猛 |
1989/12/31 | 48 | 年忘れバイオロン退治! | ツリガネノイド(声:依田英助) | 扇澤延男 | |
1990/1/7 | 49 | あばかれたジバン基地 | ニセハハノイド(声:太地琴恵) | 鷲山京子 | 小西通雄 |
1990/1/14 | 50 | 二人を結ぶ点と線 | 偽ジバン(マッド・ガルボ) | 荒木憲一 | |
1990/1/21 | 51 | 幻のマユミを斬れ! | マッド・ガルボ | 杉村升 荒木憲一 |
岡本明久 |
1990/1/28 | 52 | 愛の最終決戦!! | ギバノイド(ドクターギバ) マーシャ、カーシャ |
杉村升 |
[編集] 前作との繋がり
第31話「真夏の夜のニンジャ合戦」に橋本巧が前作『世界忍者戦ジライヤ』の山地学役で出演したことから、『ジライヤ』と『ジバン』は世界観が繋がっているという説もあるが、単なるファンサービスあるいは楽屋ネタにすぎないという見方もある。なお、田村直人を演じた日下翔平は『ジライヤ』にも紙忍折破として出演している。
[編集] 放映ネット局
- 東京都、関東広域圏 ANB〔現:EX〕 テレビ朝日
- 北海道 HTB 北海道テレビ放送
- 青森県 RAB 青森放送
- 岩手県 IBC岩手放送
- 宮城県 KHB 東日本放送
- 秋田県 ABS 秋田放送
- 福島県 KFB 福島放送
- 新潟県 NT21〔現:UX〕 新潟テレビ21
- 山梨県 UTY テレビ山梨
- 石川県 ITC 石川テレビ放送
- 福井県 FBC 福井放送
- 長野県 TSB テレビ信州
- 静岡県 SKT 静岡けんみんテレビ〔現:SATV 静岡朝日テレビ〕
※放送時間が8:00~に移動後はこの時間に自社製作DIY番組「住まいの110番」放送していた関係で遅れネットで放送した。 - 愛知県、中京圏 NBN 名古屋テレビ放送
- 大阪府、近畿広域圏 ABC 朝日放送
- 鳥取県、島根県 BSS 山陰放送
- 岡山県、香川県 KSB 瀬戸内海放送
- 広島県 HOME 広島ホームテレビ
※放送時間が日曜8:00に移動後は、以前からこの時間に放送していた自社製作ドキュメンタリー番組「新・ふれあいシリーズ」(広島県経済連[現:JAグループ広島]の一社提供)の枠移動ができなかった関係で、土曜7:00に6日遅れで放送した。 - 山口県 KRY 山口放送
- 徳島県 JRT 四国放送
- 愛媛県 EBC テレビ愛媛
- 高知県 KUTV テレビ高知
- 福岡県、佐賀県 KBC 九州朝日放送
- 熊本県 TKU テレビ熊本(1989年2月 - 9月)→KAB 熊本朝日放送(1989年10月 - 1990年1月)
- 大分県 TOS テレビ大分
- 宮崎県 UMK テレビ宮崎
- 鹿児島県 KKB 鹿児島放送
[編集] 映像ソフト化
- 本作の劇場版は東映ビデオからリリースされており(VHS、セル・レンタル共通)、2007年12月発売の「東映特撮ヒーロー THE MOVIE BOX」のDVDにも収録されている。
- 2005年5月から10月まで、東映チャンネルの「GO!GO!ヒーローズ」にて再放送された。
[編集] エピソード
- キカイダーのような変身ポーズや掛け声といった描写はほとんど無く、「物陰などに隠れた次の瞬間にはジバンになっている」等しており、どのように変身しているかは謎である。しかし、変身シーンに相当する描写が全く無かった訳ではない。劇中での変身シーン的なものとして、爆発の中で青白い光に包まれてジバンになるシーンと、柳田に警視正に任命され田村直人から一瞬でジバンになるシーンが存在する。さらに、ロダンの「考える人」の銅像に成りすまし、その身体を破って出現するというイレギュラーな登場もしている。どうやって化けたのかは不明。
- ジバン及びサポートメカの電飾の数はメタルヒーローの中でも屈指の多さである。
- この番組でまゆみを演じた間下このみは、当時人気子役として大ブレークしていた。詳細は該当記事などを参照。
- 日曜8:00に移動した際には、フルネット局でも広島ホームテレビ等のように、地元スポンサー等の関係で既存のローカル番組を移動できず、遅れネットとなった局も一部にあった。
- 青森放送などのクロスネット局や、広島ホームテレビなどフルネット局でも遅れネットで放送した局では時間移動後もスポンサーは同じだったが、クレジットはクロスネット局・遅れネット局から出していた。局によっては画質・音質もやや落ちた状態で放映された。
[編集] 放映枠上の前後番組
テレビ朝日系 日曜9時台後半(1989年1月 - 1989年3月、本番組までメタルヒーローシリーズ) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
機動刑事ジバン
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テレビ朝日系 日曜8時台前半(1989年4月 - 1990年1月、本番組よりメタルヒーローシリーズ) | ||
がまかつ 日本列島釣りある記
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機動刑事ジバン
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宇宙刑事シリーズ | ギャバン - シャリバン - シャイダー |
80年代作品 | ジャスピオン - スピルバン - メタルダー - ジライヤ - ジバン |
レスキューポリスシリーズ | ウインスペクター - ソルブレイン - エクシードラフト |
90年代作品 | ジャンパーソン - ブルースワット - ビーファイター - BFカブト - カブタック(Vシネマ) - ロボタック(Vシネマ) |
関連 | VR Troopers - ビートルボーグ - 宇宙刑事魂 - コンパチ - 大集合 - レンスト |