杜荀鶴
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杜荀鶴(と じゅんかく、846年 - 904年(907年?))は、中国、晩唐の詩人。池州石台の人。字は彦之、九華山人と号す。京兆万年の杜氏、杜牧の末子ともされる。大順2年(891年)の進士。
朱全忠に気に入られ、翰林学士、主客員外郎、知制誥となる。琴詩に巧みな風流人であったが、権勢に驕り、他人には憎まれていた。人を殺そうとしていたところ、あるいは、殺されそうになっていたところ、その直前に病死したという。
[編集] 心頭を滅却すれば火も亦た涼し
塩山恵林寺の快川紹喜の辞世の偈「安禅は必ずしも山水を須ゐず、心頭を滅却すれば火も亦た涼し」は、碧巌録によるものであるが、もとは杜荀鶴の次の詩の転結句である。
- 夏日題悟空上人院 夏日悟空上人の院に題す
- 三伏閉門披一衲 三伏門を閉ざして一衲を披る
- 兼無松竹蔭房廊 兼ねて松竹の房廊を蔭う無し
- 安禅不必須山水 安禅は必ずしも山水を須いず
- 滅却心頭火自涼 心頭を滅却すれば火も自ずから涼し