本位貨幣
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本位貨幣(ほんいかへい)は、その国の貨幣制度が金、もしくは銀に裏づけされている場合(金本位制・銀本位制)に、その平価に相当する一定量の貴金属を含み、実質価値と標記額面との差の無い貨幣のことである。硬貨とは本来はこの本位貨幣を表すことばである。
本位貨幣は、補助貨幣と異なり、使用枚数などの制限の無い無制限通用力を有しているので、「無制限法貨」と呼ばれる。また、本位貨幣は自由鋳造、自由融解が認められている。実際には本位貨幣は流通に十分な量が確保できない場合もあり、この本位貨幣との兌換を前提とした銀行券(兌換紙幣)が発行される。
日本では新貨条例により1871年から発行された旧金貨の1、2、5、10、20円と、貨幣法により金平価を半減した新金貨の5、10、20円がある。いずれも1987年5月31日限りで廃止となった。
イギリスでは1816年に法的に世界で最初に金本位制が採用され、ソブリン金貨と呼ばれる本位金貨が鋳造され流通した。この金貨は現在も発行されているが、もはや本位金貨としての役目は終え、地金型金貨としての発行である。