旭山
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旭山(あさひやま)は、北海道旭川市東旭川町倉沼にある、標高295.5mの山である。付近には全国的に知られている旭川市旭山動物園をはじめとする観光施設がある他、テレビ・FMラジオの送信所が建っている。
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[編集] 旭山テレビ・FM放送所
- 旭山テレビ・FM放送所は、HBC・STV東旭川テレビ・ラジオ放送所(アナログテレビ・AMラジオ)や、旭川市豊岡にあるNHK旭川放送局のAMラジオ送信所とともに、上川・留萌(留萌市など)・宗谷(稚内市など)・北空知地方(深川市、幌加内町など)の基幹送信所として位置づけられている。
- 旭山送信所は、出力に比して電波状態が非常に良好である上、指向性も全く無いため、上川地方中部だけでなく北部(士別市、和寒町、剣淵町など)や南部(富良野市など)の一部地域までテレビ・FM放送とも広範囲に渡って電波が飛んでいる。
- 上川地方北部や南部の一部地域においてのアナログテレビ放送では画像が良好でなくても電界強度が強い地域もあるため地上デジタル放送では鮮明な画像で受信できる可能性もある。機種にもよるが、上川地方北部ではNHKは和寒中継局の電波を受信するため旭山送信所から放送波でチャンネルスキャンにより選局・メモリーされるのは民放各局のみである(その後、上川地方北部では和寒のTVhを除く民放各局、名寄のTVhを除く民放各局とNHKの中継局が設置されることから旭山送信所から放送波でチャンネルスキャンにより選局・メモリーされるのはTVhのみとなる。)。
- 地上デジタル放送でも現時点では上川地方北部や南部の一部地域でも高性能UHFアンテナ(パラスタックアンテナなど)使用で映像が復調可能なレベルに達している。特にNHK教育、HBC、UHB、TVhはアンテナレベルが地元中継局のレベルには及ばないものの、それでも非常に高くなっている。NHK総合、HTBも日によっては非常に高いレベルになることもある。逆にSTVはERPが最も低いためかエリア外の地域では電波状態があまり良くなく、高性能アンテナを使用していてもアンテナレベルが低い傾向にある(STVについては2008年内に和寒と名寄にデジタル中継局が開局するため、上川地方北部では解消される予定)。
- FMラジオでも外部のFMアンテナを使用すれば普通に聴取できる。
- そのため、上川北部・南部の地域でも高性能UHFアンテナ(主にTVhを視聴する目的として)や5素子、8素子、10素子のFMアンテナを旭山に向けている世帯も存在する。
- アナログUHF・デジタルテレビ・民放FMは札幌放送局を親局とする同一の放送系統の範疇における中継局として扱われる。NHK旭川放送局はコールサインがあるので旭川放送局の親局となっている。また、民放デジタルテレビ放送は全社が中継局の扱いであり、コールサインは無い。
[編集] 地上デジタルテレビジョン放送送信設備
放送局名 | コールサイン /呼出名称 |
物理チャンネル | リモコンキーID | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NHK旭川総合 | JOCG-DTV | 15 | 3 | 1kW | 9.8kW | 道北圏 (上川・留萌・宗谷・北空知) |
16万4千世帯 | 2007年10月1日 |
NHK旭川教育 | JOCC-DTV | 13 | 2 | 9.5kW | 全国放送 | |||
HBC北海道放送 | HBC旭川DTV | 19 | 1 | 9.8kW | 北海道 | |||
STV札幌テレビ放送 | STV旭川DTV | 23 | 5 | 9.3kW | ||||
HTB北海道テレビ放送 | HTB旭川DTV | 14 | 6 | 9.5kW | ||||
UHB北海道文化放送 | UHB旭川DTV | 25 | 8 | |||||
TVhテレビ北海道 | TVh旭川DTV | 21 | 7 | 13kW |
- 物理チャンネルは手稲山送信所とまったく同じだが、STV、HTB、TVhの物理チャンネル番号が入れ替わっている。
[編集] 地上アナログテレビジョン放送送信設備
放送局名 | コールサイン /呼出名称 |
チャンネル | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
NHK旭川総合 | JOCG-TV | 9 | 映像1kW /音声250W |
映像12kW /音声3kW |
道北圏 (上川・留萌・宗谷・北空知) |
- | 1958年12月28日 |
NHK旭川教育 | JOCC-TV | 2 | 映像6.9kW /音声1.7kW |
全国放送 | 1960年11月1日 | ||
HTB北海道テレビ放送 | 旭川基幹中継局 | 39 | 映像10kW /音声2.5kW |
映像140kW /音声35kW |
北海道 | 1968年12月24日 | |
UHB北海道文化放送 | 37 | 映像115kW /音声29kW |
1972年4月1日 | ||||
TVhテレビ北海道 | 33 | 映像125kW /音声31kW |
1991年9月21日 |
[編集] FMラジオ放送
放送局名 | コールサインなど | 周波数(MHz) | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
NHK旭川FM | JOCG-FM | 85.8 | 音声500W | 音声2.9kW | 道北圏 (上川・留萌・宗谷・北空知) |
- | 1964年6月25日 (実用化試験局として) |
AIR-G' | 旭川中継局 | 76.4 | 音声1.7kW | 北海道 | 1982年9月15日 | ||
NORTHWAVE | 79.8 | 1993年8月1日 |
[編集] 送信所について
- HBCとSTVのアナログテレビ送信所については、諸事情から旭山には設置されておらず、東旭川町市街地にAMラジオと一体型になった送信所が設置されている(詳細はHBC・STV東旭川テレビ・ラジオ放送所を参照)。そのため、旭山と東旭川で送信アンテナの方向が異なる一部の周辺地域ではVHFアンテナ2つ(HBC・STV東旭川送信所受信のハイバンド用とNHK旭川放送局旭山送信所受信のオールチャンネル用)ならびにスタック用ミキサーを用意する必要がある。地上デジタルテレビ送信所に関しては両局ともHTB、UHBと共同使用の形で旭山に設置され、デジタルテレビ放送は既存施設を継続使用するNHK、TVhも含め、すべての局が旭山に集約された。これにより、アナログでは設置できなかったHBCとSTVもデジタル放送で旭山への設置が実現し、UHFのアナログ・デジタルテレビ放送受信はUHF受信アンテナ1本(特殊な場合を除く)で済むようになっている。FMラジオの送信所も旭山に集約されている。
- コミュニティFM局の旭川シティネットワーク(FMりべーる)の送信所は、北海道旅客鉄道(JR北海道)旭川駅構内(HBC旭川放送局局舎内)にある(コールサインはJOZZ1AB-FM、周波数は83.7MHz、空中線電力は20W)。
- AMラジオ放送の送信所は、NHK旭川放送局が旭川市豊岡に、HBCとSTVがアナログテレビと同様、旭川市東旭川町市街地にある。
- デジタルテレビ放送の送信所について
- NHK旭川とTVhは単独で既存施設を活用、ほかの民放各局は共同で送信所をNHKテレビ・FM放送の送信所隣に新設。
- 鉄塔・送信アンテナはTVhが自社の既存施設(1991年9月開局時のもの)をそのまま使用。ほかの民放はNHKテレビ・FM送信所と民放各局共同送信所の中間に新設された鉄塔からNHKともども送信。なおその送信アンテナはNHK旭川放送局使用分(2チャンネル分)とTVh以外の民放各局共同使用分(4チャンネル分)の2つに分かれる。
- UHBのアナログ放送送信所には民放FM2社の送信設備も併設されている。
- 送信所の建物の配置場所は東からTVh(アナログテレビ・デジタルテレビ)、HBC/STV/HTB/UHB(デジタルテレビ)、NHK(アナログテレビ・デジタルテレビ・FM)、HTB(アナログテレビ)、UHB(アナログテレビ)/AIR-G'/FMノースウェーブの順に並んでいる。
[編集] 放送エリア
- 前述のとおりであるが、基本的には上川中部の旭川市(神居町の一部は旭川台場中継局と深川中継局のエリア)と上川郡(テレビは上川町を除く)の全域。
- TVh(アナログテレビ。デジタルは後述)・AIR-G'・FMNORTHWAVEはそれだけではなく、上川北部(和寒町・剣淵町・士別市・名寄市)や上川南部(富良野市・上富良野町・中富良野町)も放送エリア(受信可能エリア)に含まれているが、地理的な状況やアンテナの性能などが悪い場合、受信できない場合もある。TVh以外の民放各局やNHK(テレビ・FMラジオ)も同様に受信できる場合があるが、それぞれ和寒中継局(テレビのみ。FMラジオは中継局がないため放送エリア内となる旭山送信所または名寄中継局から直接受信)、名寄中継局、富良野中継局などを通じて視聴・聴取できるため、大きく不自由を感じない(送信所個別による放送休止の場合を除く)。
- デジタルテレビについても、旭川送信所と旭川台場中継局以外はTVhの中継局が当面上川管内におかれないため、貴重なフルネットとして受信される視聴者も存在することになる。それでも、デジタルテレビにおいて鮮明な画像で受信できる地域はアナログテレビに比べても広範囲に及んでいる(デジタルテレビではERPが他局に比べて非常に強いため(ERPは他局が平均9kw台に対し、TVhは13kwもある))ことからアナログ波での難視聴からは完全に解消されたところも多い。
- こうしたことから、現在のTVhデジタルテレビの放送エリアは上川中部(旭川市(一部が旭川台場中継局と深川中継局)・東川町・東神楽町・比布町・愛別町・当麻町・美瑛町・鷹栖町)全域、和寒町・剣淵町・上富良野町全域、中富良野町・富良野市・士別市(旧朝日町域は視聴不可)・名寄市(旧風連町域を含む)の一部となっている。上川町や下川町は受信が難しくなるばかりか、残された美深町・音威子府村・中川町・南富良野町・占冠村では山々に囲まれていたり地理的な問題上、旭川送信所を受信できない。
- FMラジオは上記以外にも上川町、幌加内町、深川市などでも受信可能な場合がある(テレビ放送も受信できないことはないが、受信感度が劣化する場合もある)。
[編集] 備考
- デジタルテレビ放送の試験電波は2007年8月6日より発射され、映像・音声信号を付加した試験放送は9月7日より開始された。
- 民放アナログテレビは全社で音声多重放送非実施。このため、音声はモノラルである。なお、字幕放送、アナログデータ放送は利用できる(回線使用料を現状維持できるため)。これはHBC・STV東旭川テレビ・ラジオ放送所に関しても同様である。なおデジタルでは、アナログと異なり、付随するサービスがすべて利用できる。
- UHBアナログ放送、AIR-G'、FMノースウェーブは札幌局と同じ年月日に同時開局している。
[編集] 観光施設
- 旭川市旭山動物園
- 旭山公園
- 冬の公園「雪の村」(旧・旭山スキー場)