日本の学校制度の変遷
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日本の学校制度の変遷(にほんのがっこうせいどのへんせん)では明治から現代の日本における学校制度のうつりかわりをまとめる(以下、戦前の教育課程はほとんど「學校」と表記するのが正しいが、漢字制限(当用漢字、常用漢字、教育漢字)により「学校」と書く)。
文部科学省ホームページ ~戦前の学校系統図表
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz198102/hpbz198102_2_185.html
目次 |
[編集] 大正~太平洋戦争初期の学制
師範学校令(1886年)、実業学校令(1899年)、中学校令(1899年)、専門学校令(1903年)、小学校令改正(1907年)、高等学校令(1918年)、大学令(1918年)によって確立された学制が以下のものである。戦前の教育課程は、概ね以下の4段階からなる。現在の学制とは異なり複線型教育の特色がかなり強い。
- 就学前教育機関
- 初等教育機関
- 中等教育機関
- 高等教育機関
- 最高学府
[編集] 就学前教育機関
- 幼稚園 1~3年制(3歳以上)→初等教育1
[編集] 初等教育機関
- 小学校尋常科 義務教育6年制(6歳以上)→中等教育1.2.3.5.6.7.8.9:補習科2年制 /(義務教育3年制(6歳以上)→初等教育2.3)
- (東京聾唖学校 4年制(9歳以上)/[新規入学] 8年制(10歳以上)→なし)
- (東京盲学校 5年制(10歳以上)/6年制(10歳以上)→なし)
[編集] 中等教育機関
- 小学校高等科 2年制(12歳以上)→中等教育4:補習科2年制 /3年制(12歳以上)→高等教育1:補習科2年制 /[女子のみ選択可] 1年制/2年制(12歳以上)→中等教育6(1年制では2年次、2年制では3年次編入)
- 実業学校予科 2年制(12歳以上)→中等教育4
- 実業学校乙種 3年制(12歳以上)→なし
- 実業学校甲種 3年制(14歳以上)→高等教育5:研究科 年限不定(17歳以上)
- 実業補習学校 3年制(12歳以上)→なし
- 高等女学校 4年制(12歳以上)→高等教育2.3:補習科2年制(16歳以上)→専攻科 年限不定(18歳以上)/5年制(12歳以上)→高等教育2.3:補習科1年制(17歳以上)→専攻科 年限不定(18歳以上)
- 中等学校 5年制(12歳以上)→高等教育3.4.5.6.7:補習科1年制(17歳以上)
- 高等学校尋常科 4年制(12歳以上)→高等教育6
- 徒弟学校 1~4年制(12歳以上)→なし
[編集] 高等教育機関
改正高等学校令により1919(大正8)年から高等学校入学資格が中学校第4学年修了となり、場合により中学校第5学年に在籍せず16歳以上から高等学校への入学が可能となった
- 師範学校 4年制(15歳以上)→なし
- 女子高等師範学校 4年制(16歳以上)→研究科1年制/2年制(20歳以上)
- 師範学校二部 1年制/2年制(16歳以上)→専攻科1年制(18歳以上)
- 専門学校 3年制/医学科4年制(17歳以上)→研究科 年限不定(20、21歳以上)
- 大学予科 3年制(16歳以上)/2年制(17歳以上)→大学1.2.3.4.5.6.7
- 高等学校高等科 3年制(16歳以上)→大学1.2.3.4.5.6.7:専攻科1年制(19歳以上)
- 高等師範学校 4年制(17歳以上)→研究科1年制/2年制(21歳以上)
[編集] 大学
- 帝国大学 3年制/医学科4年制(19歳以上)→大学院 年限不定
- 文理大学 3年制(19歳以上)(東京.広島)
- 商科大学 3年制(19歳以上)(東京.大阪)
- 商業大学 3年制(19歳以上)(神戸)
- 工科大学 3年制(19歳以上)(旅順)
- 工業大学 3年制(19歳以上)(東京.大阪, 1933年、大阪工大は大阪帝国大学工学部に編入)
- 医科大学 4年制(19歳以上)(千葉.岡山.金沢.長崎.新潟.熊本など)
[編集] 太平洋戦争末期の学制
青年学校令改正(1939年)、国民学校令(1941年)、中等学校令(1943年)によって以下の学制が成立した。中等学校令では、中学校令、高等女学校令、実業学校令を廃止し、高等学校は2年制、中等学校は4年制に年限短縮した。概ね以下4段階である。
- 就学前教育機関
- 初等教育機関
- 中等教育機関
- 高等教育機関
- 大学/大学院
[編集] 就学前教育機関
- 幼稚園 1~3年制(3歳以上)→初等教育1
[編集] 初等教育機関
- 国民学校初等科 義務教育6年制(6歳以上)→中等教育1.2.3.8.9.10
- (聾唖/盲学校初等部 6年制(6歳以上)→中等教育11)
[編集] 中等教育機関
- 国民学校高等科 2年制(12歳以上)→中等教育4.5.6.7.[女子のみ選択可]中等教育8(2年次編入)
- 実業学校 4年制(12歳以上)→専攻科1年制/2年制(16歳以上)[国民学校高等科からの進学](男子)3年制/(女子)2年制(14歳以上)
- 青年学校普通科 2年制(12歳以上)→中等教育4.5
- 青年学校(男子) 5年制(14歳以上)→高等教育:研究科 年限不定(19歳~)
- 青年学校(女子) 3年制(14歳以上)→高等教育:研究科 年限不定(17歳~)
- 青年師範学校予科 2年制(14歳以上)→高等教育1
- 師範学校予科 2年制(14歳以上)→高等教育2
- 高等女学校 4年制(12歳以上)→高等教育2.3:専攻科(16歳以上。2年制/3年制):高等科(16歳以上。2年制)
- 中等学校 4年制(12歳以上)→高等教育1.2.4.5.6.7:実務科1年制(16歳以上)
- 高等学校尋常科 4年制(12歳以上)→高等教育7
- (聾唖/盲学校中等部 4年制/5年制(12歳以上)→なし)
[編集] 高等教育機関
- 青年師範学校 3年制(16歳以上)→研究科1年制(19歳以上)
- 師範学校 3年制(16歳以上)→研究科1年制(19歳以上)
- 女子高等師範学校 4年制(16歳以上)→研究科 年限不定(20歳以上)
- 高等師範学校 4年制(16歳以上)→研究科 年限不定(20歳以上)
- 専門学校 3年制/医学科4年制(16歳以上)→研究科 年限不定(19歳以上)
- 大学予科 2年制(16歳以上)→大学1.2.3.4.5.6.7
- 高等学校高等科 2年制(16歳以上)→大学1.2.3.4.5.6.7
[編集] 大学
- 帝国大学 3年制/医学科4年制(18歳以上)→大学院 年限不定
- 文理大学 3年制(18歳以上)(東京.広島)
- 商科大学 3年制(18歳以上)(東京.大阪, 1944年、東京商大は東京産業大学に改称)
- 商業大学 3年制(18歳以上)(神戸, 1944年、神戸商大は神戸経済大学に改称)
- 工科大学 3年制(18歳以上)(旅順)
- 工業大学 3年制(18歳以上)(東京)
- 医科大学 4年制(18歳以上)(千葉.岡山.金沢.長崎.新潟.熊本など)
[編集] 学校教育法制定当初の学制
教育基本法(1947年)、学校教育法(1947年)、国立学校設置法(1949年)によって、既存の高等教育機関及び、帝国大学を併合して各地に新制国立大学が作られた。中等教育機関は新制高等学校へと昇格した。6・3・3・4制がとられ義務教育の範囲が中学校にまで拡充され、強力な単線型教育に改められた。
戦後の教育課程は、概ね以下の6段階からなる。
- 就学前教育機関
- 初等教育機関
- 前期中等教育機関
- 後期中等教育機関
- 高等教育
- 大学院
[編集] 就学前教育機関
- 幼稚園 1~3年制(3歳以上)→初等教育1
- (盲/聾/養護学校の幼稚部 1~3年制(3歳以上)→初等教育2)
[編集] 初等教育機関
- 小学校 義務教育6年制(6歳以上)→前期中等教育1
- (盲/聾/養護学校の小学部 6年制(6歳以上)→前期中等教育2)
[編集] 前期中等教育機関
- 中学校 義務教育3年制(12歳以上)→後期中等教育1.入学資格不定1
- (盲/聾/養護学校の中学部 3年制(12歳以上)→後期中等教育2)
[編集] 後期中等教育機関
- 高等学校 (通常制課程)3年制(15歳以上)→高等教育1.2:専攻科 年限不定(18歳以上)(定時制課程)4年制(15歳以上)→高等教育1.2:専攻科 年限不定(19歳以上)
- (盲/聾/養護学校の高等部 3年制(15歳以上)→なし)
[編集] 高等教育機関
- 大学 4年制/6年制(18歳以上)→大学院1/専攻科 年限不定
- 短期大学 2年制/3年制(18歳以上)→高等教育1/専攻科 年限不定
[編集] 大学院
- 大学院の修士課程 2年制(22歳以上)→大学院2【修士】
- 大学院の博士課程 3年制(24歳以上)【博士】
[編集] 入学資格不定
入学資格は、各校が定める。
- 各種学校 3ヶ月以上
[編集] 現在の学制
学校制度を参照。
学校教育法が数度にわたって改正され、徐々に複線型教育に近づいたという声もある。なお、進学先の記載については、主に学校教育法の規定によった。文部科学省令や文部科学省告示などにより、同年齢を対象とする学校には入学や編入学が認められている場合が多い。