教育研究全国集会
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教育研究全国集会(きょういくけんきゅうぜんこくしゅうかい)は、日本教職員組合が主催する全国的な教育に関する研究集会である。略称は全国教研(ぜんこくきょうけん)。
[編集] 概要
1950年6月、朝鮮戦争が勃発し、再軍備や戦後民主教育を見直す逆コースともいわれる教育政策のもとで日本教職員組合はスローガン「教え子を再び戦場に送るな、青年よ再び銃を取るな」を採択し、戦後教育に関する運動を開始し、1951年11月、栃木県日光市で第1回全国教育研究大会を開いた。これが現在の教育研究全国集会の始まりである。その後、日本教職員組合は毎年1回の教育研究全国集会を開催、現在に至っている。第1回大会では文部政務次官も参加して天野貞祐文部大臣(当時)の挨拶を代読している。また、最近も内閣総理大臣、文部科学大臣等からの挨拶が寄せられるほか、開催地の教育長等が挨拶している。
全体集会では記念講演があるのが恒例で、講演者は矢内原忠雄・南原繁ら東京大学総長、都留重人・大内兵衛・湯川秀樹・家永三郎・日高六郎らの学者、阿部知二・桑原武夫・中野好夫・堀田善衛・木下順二・林光・重松清・C・W・ニコルらの文学者・芸術家、羽仁節子・太田堯・山住正己・国分一太郎らの教育学者・教育者等が行っている。なお、2007年度の全体集会(2008年2月2日予定)では広田照幸の講演が予定されていたが、会場として予定していたプリンスホテルに使用を拒否されたため、中止となった。
分科会は日本語教育(国語教育)、外国語教育、社会科教育等の約10の教科関連のものと、人権教育、障害児教育、国際連帯の教育、平和教育等約15の問題別・課題別のものの他、「教育格差と学力保障」のような、その時々の教育課題に応じた「特別分科会」などに分かれている。
[編集] 関連書籍
- 『日本の教育』(全国教育研究集会の報告。一ツ橋書房から毎年一冊刊行。)