平和 (麻雀)
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平和(ピンフ)とは、麻雀における役のひとつ。1翻。読んで字のごとく「ひらあがり」、つまりシンプルな和了を意味する。
現行ルールでは、面子が全て順子であり、かつ雀頭が役牌でなく、待ちが両面待ちの場合に成立する。なお、通常のルールでは門前に限り成立し、副露した場合は成立しない。
[編集] 概要
成立しやすく、また他の役と複合しすいため、タンヤオとともに麻雀における基本の役といわれている。なお、タンヤオとピンフが複合したものは、略してタンピンと呼ぶ。タンピンでさらに立直をした場合は、メンタンピン、さらにドラが2つある場合は、メンタンピンドラドラと呼ばれる。
順子が4組あり、牌の種類が多く含まれるため、確率的に裏ドラの可能性が高いとされる(但し、乗った場合の平均枚数まで考慮した期待値では、並びトイツのない七対子よりは劣る)。
歴史的には、副底と門前加符以外の符がつかないこと、つまり符のない和了(最低点の和了)を平和と呼んでいた。やがて時代が下り、1翻役として認められるようになった。
ツモ和了の場合は2符が付くため成立しなくなるはずであるが、この2符を無視して平和の成立を認めるルールもある(門前清自摸和とも複合する)。これを平和ツモあり、自摸八などという。このルールは、主に関東で一般的であるが、関西でもフリー雀荘を中心に普及している。詳細は麻雀の得点計算を参照。
なお、「平和ツモなし」のルールでは、ツモ和了の場合は和了形に関わらず通常通り自摸2符を付けるので、結果として平和は成立しない。
両面・3面聴牌でもやのような待ち(いわゆるノベタン→両面単騎や3面単騎)では平和にならない。初心者は間違えて和了宣言をしやすいので特に注意。
副露した平和形については、実質的に、10符の符役と見なす慣習がある(101競技連盟などでは明記されている。この場合においてもツモ符2符との重複は出来ない)。もちろん、符役であるから和了資格を満たすことは出来ない。また、ブー麻雀では副露した平和を認める他、国際ルールでは成立条件が簡略化されており、順子4組の和了は全て平和と見なすようになっている。
[編集] 平和になる牌姿とならない牌姿
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- 待ち。順子4組で符がなく、待ちも両面であるため、平和が成立する。の場合はタンヤオもつく。
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- 自風・場風・三元牌いずれでもない場合に限り、字牌が雀頭であっても平和は成立する。上の牌姿では、南家でも南場でもなく、南がオタ風の場合に限り平和が成立する。
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- 上の牌姿は一見するとの嵌張待ちのように見えるが、の両面待ちである。麻雀では点数が高く取れるように面子を分解できるので、四萬ではなく一萬を雀頭とし、二萬と五萬の両面待ちとみることで平和が成立する。五萬で和了った場合は平和のみだが、二萬で和了った場合は一盃口が複合する。
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一翻 | 立直X / 一発X / 門前清自摸和X / 平和X / 一盃口X / 断ヤオ九(X) / 役牌 / 嶺上開花 / 槍槓 / 海底撈月 / 河底撈魚 / (ドラ)/ (裏ドラX) |
二翻 | ダブル立直X / 七対子X / 三色同順↓ / 一気通貫↓ / 混全帯ヤオ九↓ / 三色同刻 / 対々和 / 三暗刻 / 三槓子 / 混老頭 / 小三元 |
三翻 | 二盃口X / 純全帯ヤオ九↓ / 混一色↓ |
六翻 | 清一色↓ |
役満貫 | 四暗刻X / 大三元 / 四喜和 / 字一色 / 緑一色 / 清老頭 / 国士無双X / 九蓮宝燈X / 四槓子 / 天和X / 地和X /(数え役満) |
その他 | 流し満貫 |
X 門前役/↓喰い下がり役 |