小京都
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小京都(しょうきょうと)とは、古い町並みや風情が京都に似ていることから、各地に名づけられた街の愛称である。室町時代以降、各地の大名が京都を真似た町づくりをし、それが小京都の起源となった。
小京都と呼ばれる地域が集まる団体として「全国京都会議」が存在する。全国京都会議は京都市を含む二十六市町により、1985年に結成された。1988年の第4回総会で加盟基準が次のように定められた。
- 京都に似た自然と景観
- 京都との歴史的なつながり
- 伝統的な産業と芸能があること
以上3つの要件の一つ以上に合致しておれば常任幹事会で加盟を承認される。全国京都会議には小京都のほか、「本家」である京都市も参加し、事務局を同市観光協会内においている。
なお、全国京都会議に加盟していなくても、観光宣伝などを目的とした自称、他称の「小京都」は多い。
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[編集] 小京都一覧
[編集] 全国京都会議加盟自治体
全国京都会議でポスターを作製しているので、鉄道駅等で目にする機会も多い。
- (京都府京都市)
- 青森県弘前市
- 岩手県盛岡市
- 岩手県遠野市
- 宮城県柴田郡村田町
- 宮城県大崎市岩出山地区
- 秋田県仙北市角館町
- 秋田県湯沢市
- 山形県酒田市
- 山形県山形市
- 栃木県栃木市(「小江戸」とも)
- 栃木県足利市
- 栃木県佐野市
- 茨城県古河市
- 埼玉県比企郡小川町
- 埼玉県比企郡嵐山町
- 神奈川県足柄下郡湯河原町
- 新潟県加茂市
- 長野県飯山市
- 長野県飯田市
- 愛知県西尾市
- 愛知県犬山市
- 富山県南砺市城端地区
- 石川県金沢市
- 福井県小浜市
- 岐阜県高山市
- 岐阜県郡上市八幡町
- 三重県伊賀市上野地区
- 兵庫県篠山市
- 兵庫県豊岡市出石町
- 兵庫県たつの市龍野町
- 鳥取県倉吉市
- 島根県松江市
- 島根県鹿足郡津和野町
- 岡山県津山市
- 岡山県高梁市
- 広島県尾道市
- 広島県竹原市
- 山口県山口市
- 山口県萩市
- 愛媛県大洲市
- 高知県四万十市中村地区
- 福岡県朝倉市秋月地区
- 佐賀県小城市小城町
- 佐賀県伊万里市
- 熊本県人吉市
- 大分県日田市
- 大分県杵築市
- 宮崎県日南市飫肥地区
- 鹿児島県南九州市知覧町
[編集] 過去に全国京都会議に加盟していた自治体
[編集] その他の小京都
以下に挙げるのは、「るるぶ」シリーズなどの旅行雑誌や観光ガイドブック、鉄道雑誌などで「小京都」として紹介されたことがあるところである。中には全国京都会議に加盟している小京都とも遜色のないところもあるが、ライターの趣味的感覚で書かれていたり、地元観光関係者の自称であることが多い。ただし、こうした中にも全国京都会議への加盟を認められるところがある。
- 青森県黒石市
- 岩手県西磐井郡平泉町
- 宮城県白石市
- 山形県米沢市
- 山形県鶴岡市
- 福島県会津若松市
- 福島県喜多方市
- 茨城県笠間市
- 茨城県常陸太田市
- 栃木県那須烏山市
- 栃木県大田原市黒羽町
- 群馬県桐生市
- 群馬県甘楽郡甘楽町
- 千葉県香取市佐原地区(「小江戸」とも)
- 千葉県佐倉市
- 千葉県夷隅郡大多喜町(「小江戸」とも)
- 東京都世田谷区烏山寺町
- 山梨県甲州市塩山地区
- 新潟県長岡市与板町
- 長野県小諸市
- 長野県長野市松代町
- 長野県須坂市
- 長野県上高井郡小布施町
- 長野県伊那市高遠町
- 岐阜県飛騨市古川町
- 静岡県伊豆市修善寺地区
- 静岡県周智郡森町
- 滋賀県近江八幡市
- 滋賀県長浜市
- 京都府亀岡市
- 奈良県橿原市今井町
- 島根県大田市
- 山口県下関市長府地区
- 徳島県美馬市脇町
- 香川県善通寺市
- 愛媛県喜多郡内子町
- 福岡県柳川市
- 長崎県島原市
- 大分県竹田市
- 大分県臼杵市
旅行雑誌などで「小京都」と紹介されるところはこのほかにもあるが、中には北海道函館市や小樽市、神奈川県鎌倉市、沖縄県那覇市首里などを「小京都」としているものもある。しかし、函館・小樽は街並みの形成が幕末~明治期であり、京都とのつながりも薄い。また、一般的には京都・奈良と並びかつての全国政権の所在地として「古都」と称される鎌倉、さらには琉球王国の都として、歴史的背景を異にする首里などを「小京都」と捉えることには疑問の余地がある。また、京都府亀岡市が、あまり「小京都」と呼ばれないのは、京都観光の一部に含まれることが多く、定着しなかったためである。