城田憲子
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城田 憲子(しろた のりこ、1946年7月4日 - )は、元日本スケート連盟フィギュアスケート強化部長。立教大学出身。元アイスダンス選手。
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[編集] 経歴
アイスダンスの選手として1965年・1966年の全日本選手権を2連覇(旧姓湯沢)。
現役引退後は審判の道に進み、「ISUレフェリー」の国際審判員資格を持っている(フィギュアスケート種目、アイスダンス種目)。日本国内の数々の競技会においてもテクニカルコントローラーや演技審判を務めてきた。
1995年に日本スケート連盟理事に就任、1997年に同フィギュアスケート強化部長に就任し、長野五輪・ソルトレイク五輪・トリノ五輪の3大会で監督を務めた。
独自の強化育成方針に従い、「全国有望新人発掘合宿(野辺山合宿)」や「全日本強化合宿」を通した選手全体の底上げに取り組み、日本フィギュア界の礎を築いた。一方で、2006年4月、連盟の国際事業委員会によるずさんな不正経理が発覚し、2006年6月30日をもって理事を辞任した。
- 日本のフィギュアスケート強化への関与
1992年、「第二の伊藤みどりを育てよう」のスローガンのもと、8歳~12歳の子どもスケーターを集めての長野県野辺山で才能発掘合宿がスタートした。「トップで戦える選手を3名作る。1人に頼っていては重圧に勝てない。育成には10年かかる。長野は参加、ソルトレイクは挑戦、トリノは勝負の五輪。」と後に彼女は語っている。
トップダウンでの強化育成を行う方針により、これと見出した才能を持つごく一握りの選手にごく若年のうちから手間と経費と国際試合派遣機会を重点的に集中させて選手を育て上げ鍛えていった。見込んだ選手が海外でスケートを学べるよう働きかけたり、外国人コーチや外国人振り付け師、外国の競技関係者との間に入って調整したりする役も買っていた。こうしたことは彼女のお気に入りの一部の選手を過度に優遇しているとの批判も買い、「日本のフィギュアスケートの陰の女フィクサー」と揶揄されることもある。才能を見込んだ選手は小学生のうちから経験を積ませるために強く推して国際大会に派遣したり、逆に出場枠があるにもかかわらず期待できないとの理由で年長選手を試合に派遣しないことがあったりするなど、その強権的な采配はフィギュアスケートファンの間でもたびたび話題にされた。成績を残した選手を自らが育て上げたとの自負もあってか「メダルをとらせる」「五輪のために育ててきた」といった形で選手を従属的に位置づける言い回しをすることもあったため反感をもたれることも多々あったとされる。
一方で、10年計画として日本スケート連盟に見出された選手たちは確かに一定の成績を残しており、彼女の育成手腕・試合派遣プランにも一定の評価をする声もある。2001年世界ジュニア選手権1位・2006年トリノ五輪出場・2007年世界選手権銀メダルの高橋大輔、わずか14歳にしてシニアの国際大会に派遣されその後1998年長野五輪出場・2002年ソルトレイクシティ五輪4位・2003年世界選手権銅メダルの本田武史、2002年ソルトレイクシティ五輪4位・2003年世界選手権銅メダルの村主章枝、2003年世界ジュニア選手権1位の太田由紀奈、2004年世界ジュニア選手権1位・2006年トリノ五輪出場・2007年世界選手権1位の安藤美姫、1998年長野五輪出場・2004年世界選手権1位そして2006年トリノ五輪金メダルの荒川静香らの活躍をその一例と見る向きもある。
[編集] その他
- よく間違われることだが、城田は国際競技会の派遣や強化育成、選手とコーチの橋渡しなどを統括していたのであり、過去も現在も特定の選手のコーチをしたことはない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部サイト
フィギュアスケート 全日本チャンピオン – アイスダンス |
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