土石流
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土石流(どせきりゅう)とは、土砂が水(雨水や地下水)と混合して、河川・渓流などを流下する現象のこと。土砂災害の原因の一つ。山津波(やまつなみ)ともいう。
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[編集] 発生のメカニズム
土石流の発生は主に集中豪雨が引き金となる場合が多い。一般に、渓流の勾配15°以上で発生しやすく、2°近辺で停止・堆積するとされている。
発生のメカニズムは大きく次の3つに区分される場合が多い。
①渓流内に堆積している不安定な土砂が、集中豪雨等による異常な出水のはたらきで流動化し、土石流となる場合。
②集中豪雨、あるいはその他の自然現象が原因となり発生した山腹崩壊(土砂崩れ)の崩壊土砂が、多量の湧水や表流水を得て流動化し、渓流内に流れ込みそのまま土石流化する場合。 なお、このケースの物理的なメカニズムはいまだに解明されていない。
③集中豪雨、あるいはその他の自然現象が原因となり、地すべりや山腹崩壊が発生した際、その崩壊土砂により河川が一時的に閉塞されて天然ダムを形成する。その後、湛水に伴う水位上昇により、それが決壊して土石流化する場合。
また、火山の噴火に伴う融雪、火山湖の決壊、地震による山体崩壊などに起因することもある。
[編集] 鉄砲水との区別
流れてきたものが土砂の割合が多ければ土石流、水分の割合が多ければ鉄砲水と区別される。
[編集] 対策
治山、砂防により行われる治山ダム、砂防ダムなどの発生源対策、地域住民の避難態勢の構築が重要である。
[編集] 避難の目安
土石流の発生は、雨量計で把握できないゲリラ的な集中豪雨が引き金となる場合もあるので、地元自治体からの避難勧告はもとより、地域住民の自発的な判断による早めの自主避難が重要である。特に、上流域での突発的な雷雨には十分な注意が必要である。自分たちのいる場所では天気が良くても、上流域で集中豪雨などがあれば、河川の水位が突然上昇して濁流に飲み込まれたり、中州に取り残されるといった事故が後を絶たない。上流域に大きな雷雲がかかったときや、山の方から聞いたこともない音(地鳴り、山鳴り)がする、ふだん水が流れていない箇所から水が噴き出した、急に河川の水量が減ったなど聞き慣れない、見慣れない現象が起きた場合は、速やかに避難すべきである。
また、一概にいえないものの、大きな河川より普段は流量も少なく幅も狭いが傾斜が急である河川で発生することが多い。土石流危険渓流に指定されている河川には特に注意すべきである。