叡山電鉄デオ300形電車
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叡山電鉄デオ300形電車(えいざんでんてつデオ300がたでんしゃ)は、叡山電鉄(1986年3月までは京福電気鉄道叡山線)で1988年まで使用されていた鉄道車両。1959年に同線の輸送力増強目的で製造された。
[編集] 概要
叡山線初、かつ京福としても初めてのカルダン駆動車両。1959年に日立製作所で301・302の2両が製造された。ころ軸受を使用した空気バネ台車や応荷重装置付きの多段式電動カム軸式制御装置、AMA電空併用ブレーキ[1]など当時の最新技術を取り入れ、75kw×4のモーターは当時の大手私鉄の電車に匹敵する出力で、設計上の最高速度は100km/h(弱め界磁使用時。但し同線では未使用)とデオ200形以上に京阪線への乗り入れを意識している。外観においても埋め込み式の貫通幌を備えた一段くぼんだ貫通扉を有した全金属製車体で、全長16.14mは歴代叡電車両で最大のものである。
乗り切れないほどの混雑でないラッシュ前後時には単車での乗降時間の増加を加減速性能で取り戻すほどの実力を持っていたが、電空併用ブレーキの調整が難しいのかブレーキ音が激しく、沿線からの苦情も多かった。またその長さで2両連結時は有効長がぎりぎりとなる(特に出町柳駅)関係や、集電容量の問題で各車のポールを使用しなければならない等のことがあり、なかなか連結運転の機会には恵まれなかった。
結果、新機能が仇となって運転や保守面で扱いにくい車両となり、単行運用が主であったことから同一目的のデオ730形に代替するため、1988年に30年足らずで廃車となっている。なお、デオ730形は名目上は本形式からの代替車だが、実際には京阪の廃車発生機器が使用されている。
[編集] 脚注
- ^ 電気ブレーキと空気ブレーキを1つの制御器で取り扱う方式。現在の電車の主流である。但し長距離山岳線など連続してブレーキを使用する車両では加熱の問題で空気ブレーキの連続使用ができない為、電気ブレーキと空気ブレーキは別の制御器で取り扱う。デオ300形以外の叡山線車両は現在に至るまで後者の方式である。
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現行車両 | 営業用:デオ900形 - デオ800系(800・850番代、810番代) - デオ700系(710形、720形、730形) - デオ600形 事業用:デト1001形 |
過去の車両 | 営業用:デナ500形(阪神831形電車) - デオ300形 - デオ200形 - デナ21形(20番代、120番代) - デナ11形 - デナ1形 事業用:デワ101形 |