動物農場
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『動物農場』(どうぶつのうじょう、原題 Animal Farm)はジョージ・オーウェルの小説。
目次 |
[編集] 概要
飲んだくれの農場主を追い出して理想的な共和国を築こうとした動物たちであったが、指導者の豚が独裁者と化し、恐怖政治へ変貌していく過程を描く。スペイン内戦に自ら参加した体験を持つオーウェルが、人間を豚や馬などの動物に見立てることで20世紀前半に台頭した全体主義やスターリン主義への痛烈な批判を寓話的に描いた物語である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
人間の農場主が動物たちの利益を搾取していることに気づいた「荘園牧場」の動物たちが、偶発的に起こった革命で人間を追い出し「豚」の指導の下「動物主義」に基づく「動物農場」をつくりあげる。動物たちの仲間社会で安定を得た彼らであったが、不和や争いが絶えず、最後は理解できない混乱と恐怖に陥っていく。結果的に支配者が入れ替わっただけで人間の支配していた頃と変わらない抑圧的な農場となる。
[編集] 登場人物(動物)
- ナポレオン
- 雄豚。演説は苦手だが狡猾。後に独裁者となる。モデルはヨシフ・スターリン。
- スノーボール
- 雄豚。一時は主導権を握り風車建設計画や農場電化計画を推進するが、ナポレオンによって追放される。モデルはレフ・トロツキー。
- メージャー爺さん
- 雄豚。全ての動物の平等と自由を謳った「動物主義」を唱えるが、革命直前に病死。モデルはウラジーミル・レーニン。
- スクィーラー
- 雄豚。雄弁家で、相手を丸め込むのに長けている。ナポレオンの腰巾着。
- ボクサー
- 雄馬。働き者で力持ち。他の動物たちから尊敬されていてナポレオンも一目置く。常に「I will work harder.(わしがもっと働けばいいのだ!)」と言い続けてひたすら真面目に働く律儀者。しかし、病気になると売られてしまった。モデルはミハイル・トゥハチェフスキーを初めとする赤軍将校。
- 6匹の犬
- ナポレオンが密かに育てた犬の一群であり、忠実。敵対した動物を粛清する。後に子供もできたことで数が増える。モデルはチェーカーやGPU、その関連機関。
- ヒツジたち
- ナポレオンに反対する動物や、都合の悪い発言が出た時に、ある特定のスローガンを連呼して妨害する。モデルはコムソモール。
[編集] 登場人物(人間)
- ジョーンズ氏
- 荘園農場の持ち主。やり手だったが不運続きで飲んだくれていた。下男たちも怠けていたので革命で追い出される。取り戻そうと武装して戻ってくるがあえなく撃退される。モデルは帝政ロシアや白軍。
- ピルキントン氏
- 隣接するフォックスウッド農場の持ち主。大地主で動物農場と敵対していたが和解する。モデルは大英帝国。
- フレデリック氏
- 隣接するピンチフィールド農場の持ち主。抜け目がない。後に動物農場の占領を目論み侵攻する。一旦は風車を爆破するなど甚大な被害を与えるが反撃を受けて撤退する。モデルはナチス・ドイツ。
[編集] 日本語訳
- 『動物農場』高畠文夫訳 角川文庫 1995年 ISBN 4042334016
[編集] アニメ
- 『アニメ 動物農場』、ジョン・ハラス・ジョイ・バッチェラー(監督・製作) 1954年
日本語版 声の出演:熊倉一雄、槐柳二、納谷悟朗、峰恵研、村越伊知郎、山下啓介