副知事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
副知事(ふくちじ)は、都道府県において知事を補佐し、その補助機関たる職員の担任する事務を監督する、地方自治法に定められた特別職の公務員である。知事が欠けたときにはその任務を代行する。
目次 |
[編集] 人数・任期
地方自治法の第161条第2項において、都道府県には副知事を1名置くことが定められている。ただし、特別に条例で定めることで、2名以上の副知事を置いたり、副知事を置かなかったりすることができる。小さい県では副知事が1名であることもあるが、多くの都道府県では条例により複数の副知事を置いており、大阪府の副知事の定数は3名であり、東京都の副知事の定数は4名である。
副知事の任期は4年であるが、知事は任期内であっても副知事を解職することができる。また、副知事が任期中に辞職を申し出る場合、20日以上前に知事(知事が欠けている場合は都道府県議会)に申し出て、その承認を受けなければならない。このほか、住民からのリコールにより失職することがある。
[編集] 選任方法・資格
副知事は知事が指名し、都道府県議会の同意を得て選任される。このため、知事と都道府県議会の多数派とが対立している場合、副知事が任命できない事態が起こりうる。
成年被後見人や禁錮以上の刑の執行中であるなど、公職選挙法に定める選挙権・被選挙権を有しない者は副知事になることができない。衆議院議員・参議院議員やその他の常勤の地方公共団体職員、検察官、警察官、公安委員会委員、なろうとしている都道府県が発注する業務を請け負う会社の役員等も副知事になることができない。
総務省(旧自治省)のキャリア官僚を副知事とする例がしばしば見られる。
[編集] 職務
地方自治法では、副知事の職務は知事を補佐し、その補助機関たる職員の担任する事務を監督することとされている。具体的には、知事に代わって業務の詳細について検討を行なうほか、専決権によって知事の判断を必要としない、重要でない事案についての最終決定を行なう。複数の副知事がいる都道府県では、多くの場合、副知事ごとに担当分野が定められており、副知事は定められた分野に関して上記の職務を行なう。
また、副知事には知事が欠けたとき、その代理をする職務もある。具体的には、知事が病気で入院する、逮捕される、海外出張に行くなどで容易にその意志決定ができない状態になったときに、職務代理者として知事の代わりに都道府県の代表として業務を行なう。このとき、複数の副知事がいる場合には、あらかじめ知事から指定された者、席次が上の者、年齢が上の者が職務代理者を勤め、それでも定まらない場合にはくじで職務代理者を定める。
その際、公文書等においては「○○県知事職務代理者○○県副知事 某」のように表記される。
[編集] 著名な副知事
- 野中広務(元京都府副知事、元官房長官)
- 片山虎之助(元岡山県副知事、前参議院議員)
- 太田房江(元岡山県副知事、前大阪府知事)
- 坂東真理子(元埼玉県副知事、昭和女子大学学長)
- 斎藤健(元埼玉県副知事)
- 浜渦武生(元東京都副知事)
- 猪瀬直樹(東京都副知事)