利尻 (列車)
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利尻(りしり)とは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が札幌駅~稚内駅間を函館本線・宗谷本線経由で運転されていた夜行特急列車。2006年3月18日のダイヤ改正より、夏季のみの季節列車となり、2007年9月30日の運行をもって休止、2008年4月18日付で、JR北海道が廃止を発表し、運行を終了した[1]。
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[編集] 沿革
特に表記が無い場合は「利尻」を指す。
- 1958年 - 札幌駅~稚内駅間を函館本線・宗谷本線経由で運転する夜行準急列車「利尻」(りしり)として運転開始。
- 1966年 - 急行列車に昇格。
- 1968年 - 旭川駅~稚内駅間の昼行列車1往復を「利尻」とする。
- 1970年 - 旭川駅発着の「利尻」を「礼文」に改称。
- 1982年 - 14系客車に置き換え。
- 1991年 - 寝台客車を併結した気動車「キハ400形・キハ480形気動車」により運転開始。これにより、気動車と客車の混結列車として運行を行う体制を採ることとした。
- 1996年 - 深川駅~旭川駅間のトンネル工事(軌道の高さを下げる修繕作業)のため、稚内行き下り列車のみ滝川駅~旭川駅間を根室本線及び富良野線に迂回運転。通過する深川駅の利用者は列車代行バスで輸送。
- 2000年 - 座席車両をキハ183系気動車に変更し特急列車に昇格。
- 2006年3月 - ダイヤ改正に伴い臨時列車化。
- 2006年6月 - 特急「はなたび利尻」として、金・土・日・祝日と7月~8月の毎日のみ臨時列車として運転を開始。江別駅、美唄駅、砂川駅停車を廃止し、所要時間を短縮。
- 2007年9月30日 - 同日夜稚内出発の「はなたび利尻」の運行をもって運行を休止。
- 2008年4月18日付で、JR北海道が「はなたび利尻」の廃止を発表し、運行を終了した。[1]
[編集] 廃止時の運行概況
「スーパー宗谷」、「サロベツ」とともに、道央圏と道北を結んだ。稚内行の下り列車は主に利尻島、礼文島へのフェリー乗り継ぎ客が利用できた。近年は利用客が減少しており、2006年3月のダイヤ改正をもって定期運行を廃止し、夏季のみ運行の臨時列車となったが、利用の減少傾向にあることから2年の運行で廃止となった。
背景には稚内や離島への観光客減少や競合する都市間バスの運賃設定の安さや高速化、夜行便の設定が挙げられる。
[編集] 担当車掌区
- (上下):旭川車掌所
[編集] 運行時期・所要時間
夏季のみ運転。1日1往復(6月~9月)札幌駅~稚内駅間を下りは約6時間41分、上りは約7時間55分で結んだ。
[編集] 停車駅
札幌駅 - 岩見沢駅 - 滝川駅 - 深川駅 - 旭川駅 - 和寒駅 - 士別駅 - 名寄駅 - 美深駅 - 音威子府駅 - 天塩中川駅 - 幌延駅 - 豊富駅 - 南稚内駅 - 稚内駅
[編集] 使用車両
座席車
- キハ183系気動車「サロベツ」・「利尻」専用車(専用車が使用されない場合もあった)
- 自由席車1両(4号車)
- 指定席車2両(1・2号車)
- 専用車で運行の場合は指定席車である1・2号車のシートピッチは1,040mmで、自由席車の4号車と比べて100mm広くなっている。
座敷車(ゴロ寝カー)
- キハ183系気動車6000番台・お座敷改造車
- 指定席車1両(増21号車)6月~8月限定で連結される場合があった。但し、特急券の列車名は「利尻お座敷」となり、発売区間は札幌~南稚内・稚内間限定。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- 運行系統
- 同一形式で運行された夜行列車