兵頭二十八
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ひょうどう にそはち 兵頭 二十八 |
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本名 | 斉藤 浩 |
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生年月日 | 1960年 |
出生地 | 長野県 |
民族 | 日本人 |
ジャンル | 軍学者 |
主な作品 | |
『日本の防衛力再考』 『軍学考』 『武侠都市宣言』 |
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兵頭 二十八(ひょうどう にそはち、本名・斉藤 浩、1960年 - )は日本の軍学者 [1] 、よろずライター。
目次 |
[編集] 人物
長野県長野市出身。軍事・防衛関連の研究・評論を中心としつつその他様々なテーマでも言論活動を行う。
[編集] 来歴
- 高校卒業後いくつかの職を経て、1982年に陸上自衛隊に入隊(任期制自衛官)。東部方面隊に配属となる。
- 2年後の1984年、北部方面隊にて任期満了、除隊。
- 1988年、神奈川大学外国語学部卒業。
- 1990年、東京工業大学大学院理工学研究科社会工学専攻博士前期課程修了。
- 学位は理工学修士(東京工業大学)。
- 卒業後はライターとなる。現在は北海道函館市に在住。
[編集] 活動
「特定アジア勢力およびそのシンパによる英語インターネット圏に流布する“反日プロパガンダ”は諸外国の“侮日”を招来し、日本国の生存を危うくさせる域にまで達した」との見解をもつ。従来の保守派は国内だけで反日勢力と論争していたが、反日プロパガンダは既に諸外国に対して大々的に行われており、この状況を打開する必要がある、と論じる。このため、反日プロパガンダに対し確かな史料でもって英文で反駁する「史実を世界に発信する会(英語名 Society for Dissemination of Historical Fact)」と「篤志つうじ倶楽部」の設立を提案した。なお、休止状態が続いている「篤志つうじ倶楽部」の補助・後継として「英訳日本の歴史館」が発足した。内容は「篤志つうじ倶楽部」と同様、民間の愛国ボランティアによる英訳を掲示板に書き込んでいくというものである。
『諸君!』などの保守系論壇誌に頻繁に寄稿。定期連載は、『正論 (雑誌)』のコラム「cross line」及び『表現者』の「近代未満の軍人たち」。
[編集] 主張
[編集] 核武装
“軍事的合理性”という観点から日本国の核武装の必要性を主張している(核武装論)。アメリカの「核の傘」によって核抑止は事実上成立しているとの説や、アメリカと核兵器のシェアリングをすれば足りるという意見(日米共同核保有論)は、アメリカが自国が核攻撃されるリスクを犯して代わりに核報復をしてくれるとは考えにくいため、非常に疑わしいとしている。
日本に対して核ミサイルの照準を合わせ、精力的な工作を展開している中国を現時点での最大脅威とする。中国の都市人口は増え続けており、特に指導的エリート層は北京、上海などに集中しているため、対中核抑止は充分成り立つと主張している。
核武装の具体的な方法は「ニッポン核武装再論」で詳述され、費用的に安上がりなことが強調されているが、反面敵からの核攻撃への対応・防備に関しては何も語られていない(安上がりにならなくなるためと思われる)。
[編集] ミサイル防衛
日本国が導入しようとしている『日本版弾道ミサイル防衛』(BMD)はまったく無益であると断じる。BMD構想は日本に核武装をさせず費用と技術を日本から奪おうとするアメリカの策謀だとし、またマッハ20で飛来するミサイルを撃墜するなど技術的にも不可能だと論じる。
[編集] 憲法
現在有効とされている日本国憲法の成立は国際法上無効であり、かつ「日本国憲法」を貫く精神は日本人の国防意識に甚大な悪影響を与えるものだとして、「改憲」でも「護憲」でもない「無効憲法の破棄宣言」及び新憲法の制定を政府に求めている。連合軍占領下の西ドイツ人が「新憲法の制定」の命令を断固拒否して、代わりに「西ドイツ基本法」を制定したのに比べ、戦後の日本ではドイツでもイラクでもありえない多数の「土下座主義者」「自主的密告者」が発生し、押し付け憲法を受け入れてそのまま廃棄もしてこなかったのは、平和主義ではなく単に強者に媚びているだけだと批判。拉致された自国民を武力で取り戻そうともしない卑怯な態度では、状況が激変すれば日本の町人はたちまち排外フーリガンと化すだろうと指摘、日本の近代は武士道の延長の上にしかありえないと主張している。
[編集] 靖國神社
靖國神社には戊辰戦争で官軍側として戦死した無名の下級兵卒が祀られておらず、その後の戦役においても合祀の基準が明確でないことから、靖國を全国民的な愛国顕彰施設(戦死した英霊が漏れなく全員祀られている)とするためには霊璽簿によって戦死者が合祀される方式を改める必要がある、と主張している。
[編集] 文民統制について
戦前の日本政府に軍部の統制ができなくなったのは統帥権問題の他に、外国には必ずある政府直属の武装警察が日本には存在せず(アメリカの場合は更に州兵、及びSWATなど警察、またミリシア、銃を持った一般市民が存在)、政府に逆らう軍人を文民の武力で抑止できなかったから(文民統制欠如)だと主張している。
[編集] 侵略の定義
別宮暖朗(信託銀行、ロンドンの証券調査会社パートナーを経て、現在は近現代史家として共著含め10冊の本を出版)説の影響を受け、侵略国とは「作戦計画に基づいて先制攻撃をかけた側」とする。大日本帝国も締結したパリ不戦条約に違反したかどうかが問題であり、「戦場がどこか」「民族自決の大義」などでは判定されないと指摘。
1928年以降の日本軍の先制攻撃で始まった満州事変、太平洋戦争は日本の侵略となるが、1937年8月の支那事変(日中戦争。国民党軍の上海の日本租界への計画的先制攻撃――第二次上海事変――により開戦)は、蒋介石-中華民国の侵略であり、まず非難されるべきは中国側の重大な条約破りであるとする。
中国に対しては日本が全面的に悪いとし、また真珠湾攻撃を自衛とする日本の多くの論者は侵略の定義を誤っていると主張している。
[編集] 市民と町人の違い
古代ギリシャ、ローマでは「市民」とは重装歩兵として戦争に行く人々の事であり、戦争に行く義務が無い人々は奴隷と呼ばれていた事、中世西洋の城塞都市では城壁防護が市民の義務であった事を指摘。それに比べて日本の大都市の町人は、戦争は武士がやるものと考えており、自分の権利を戦い守るという発想自体がない事が、「マック憲法」を無効にできない大きな原因であると主張している(押し付け憲法)。
[編集] 近代主義
明治維新と同時に示された「五箇条の御誓文」は、現在の目から見ても極めて公正で開明的なものだった。しかしその後につくられた教育勅語では、「身内」と「他者」をあからさまに区別して、「法の平等」及び他者に対しての「説明責任」「公的な約束を守る事」を事実上否定していたと指摘。
“教育勅語で育った世代”が日本の中枢を占めるようになると、長期的な日本の国益や信用、国際条約を守ることよりも、次第に「身内」の利益が優先されるようになり、最終的に「最強の中立国アメリカ」に先制軍事攻撃をしかけ、危うく日本が共産勢力に占領される寸前になるほどの大惨敗を喫したのに、「米英の経済制裁が悪い」「ユダヤの陰謀」などと都合の悪い事を他者のせいにする意見が多いのは問題だ、と指摘。
今こそ“シナ儒教に基づく不平等な教育勅語”を捨て、五箇条の御誓文の精神に立ち返るべきだと主張している。
[編集] 兵器研究に対する態度
一式47粍戦車砲をソ連軍の45ミリ砲のコピーと書いたり、『「日本有事」って何だ』『日本海軍の爆弾』では装甲に関する間違った知識を述べている箇所や、デルタ出版の「帝国陸海軍の戦闘車両」においても、写真の間違った説明や思いこみによる兵器の有用・無効を論じている記事がある(一式、四式砲戦車の実践における解説などは事実と反対である)。このように兵器に関して論じている書籍については、他の兵器研究書籍と内容を検証する必要があるだろう。
[編集] 著作
[編集] 単著
- 『日本の陸軍歩兵兵器』(銀河出版、1995年)
- 『日本の防衛力再考』(銀河出版、1995年)
- 『ヤーボー丼――いかにして私たちはくよくよするのを止め、核ミサイルを持つか』(銀河出版、1997年)
- 『たんたんたたた――機関銃と近代日本』(四谷ラウンド、1998年)
- 『有坂銃――日露戦争の本当の勝因』(四谷ラウンド、1998年)
- 『日本海軍の爆弾』(四谷ラウンド、1999年)
- 『武侠都市宣言!――戦後「腐れ史観」を束にして斬る』(四谷ラウンド、2000年)
- 『「日本有事」って何だ――「超カゲキ」vs「常識」問答』(PHP研究所、2000年)
- 『軍学考』(中央公論新社・中公叢書、2000年)
- 『日本のロープウェイと湖沼遊覧船――Japanese Ropeways and Excursion Lake-boat』(教育システム、2000年)
- 『パールハーバーの真実――技術戦争としての日米開戦』(PHP研究所、2001年/PHP文庫、2005年)
- 『「新しい戦争」を日本はどう生き抜くか』(筑摩書房・ちくま新書、2001年)
- 『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』(四谷ラウンド、2001年)
- 『日本人のスポーツ戦略――各種競技におけるデカ/チビ問題』(四谷ラウンド、2002年)
- 『沈没ニッポン再浮上のための最後の方法――軍学者が語る!』(PHP研究所、2002年)
- 『学校で教えない現代戦争学――文民のための軍事講座』(並木書房、2002年)
- 『「戦争と経済」のカラクリがわかる本――アングロサクソン「常勝」の秘密』(PHP研究所、2003年)
- 『ニュースではわからない戦争の論理』(PHP研究所、2003年)
- 『ニッポン核武装再論――日本が国家としてサバイバルする唯一の道』(並木書房、2004年)
- 『あたらしい武士道――軍学者の町人改造論』(新紀元社、2004年)
- 『精解五輪書――宮本武蔵の戦闘マニュアル』(新紀元社、2005年)
- 『日本有事――憲法を棄て、核武装せよ!』(PHP研究所、2006年)
- 『日本の戦争Q&A』(光人社、2008年)
- 『逆説・北朝鮮に学ぼう!-ヘタレの日本に明日はない』(並木書房、2008年)
- 『【新訳】孫子』(PHP研究所、2008年)
[編集] 共著
- (宗像和広)『陸軍機械化兵器』(銀河出版、1995年)
- (宗像和広)『日本の海軍兵備再考――なぜ帝国はアメリカに勝てなかったか?』(銀河出版、1995年)
- (宗像和広/三貴雅智/小松直之)『並べてみりゃ分かる第二次大戦の空軍戦力』(銀河出版、1997年)
- (板橋しゅうほう)『ヘクトパスカルズ』(文藝春秋 <コミック>、1997年)
- (小松直之)『イッテイ――13年式村田歩兵銃の創製』(四谷ラウンド、1998年)
- (小松直之)『日本の高塔――写真&イラスト』(四谷ラウンド、1999年)
- (宗像和広)『日本陸軍兵器資料集――泰平組合カタログ―ミリタリー・ユニフォーム8』(並木書房、1999年)
- (別宮暖朗)『戦争の正しい始め方、終わり方――小さな戦争が大きな戦争を食い止める…』(並木書房、2003年)
- (別宮暖朗)『技術戦としての第二次大戦――日本vs中ソ米英篇』(並木書房、2005年)
- (籏谷嘉辰)『日本刀真剣斬り――陸軍戸山流で検証する』(並木書房、2006年)
- (中西輝政編)『「日本核武装」の論点 国家存立の危機を生き抜く道』(PHP研究所、2006年)
- (別宮暖朗)『大東亜戦争の謎を解く――第二次大戦の基礎知識・常識』(光人社、2006年)
- (別宮暖朗)『東京裁判の謎を解く───極東国際軍事裁判の基礎知識]』(光人社、2007年)
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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