主よ御許に近づかん
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主よ御許に近づかん(しゅよみもとにちかづかん、英Nearer, my God, to Thee)とは、賛美歌の一つ。賛美歌320番、賛美歌21では434,435番。
原曲は元々民謡として以前より存在していたとも言われており、詩は19世紀に英国のサラ・アダムスによって作詞された。詞は旧約聖書創世記28章11~12節を基に作詞された。現在知られている旋律は米国のローウェル・メイスン(Lowell Mason)によって書き起こされた「ベサニー(Bethany)」である。ほかにもジョン・バッカス・ダイクス(John Backus Dykes)の「ホーベリー(Horbury)」や、サミュエル・セバスチャン・ウェズリー(Samuel Sebastian Wesley )の「コミュニオン(Communnion)」がある。メソジスト教徒は(ギルバートとサリバンの)アーサー・サリバン卿(Sir Arthur Sullivan)によって書かれた旋律「Propior Deo」を好む。
タイタニック号沈没の際、沈みゆく船の上で、タイタニック号のバンドメンバー(沈没で全員犠牲になる)が演奏したという。タイタニック号のバンドマスターのウォレス・ハートリーはこの歌が好きで、彼の葬式でそれを上演して望むと知られていた。彼は英国人で、メソジスト教徒で、「Bethany」だけではなく「Horbury」や「Propior Deo」を知っていたと予想される。
日本でもテレビアニメ「フランダースの犬」のBGMや、様々なタイタニックの映画の挿入曲として馴染みの多い讃美歌の一つ。