ワーズ・ワース
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ワーズ・ワース | |
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対応機種 | PC-9801VX以降(PC98) X68000(X68k) FM TOWNS(TOWNS) Windows95/98/98SE/Me(Win95) Windows98SE/Me/2000/XP(XP) ※本項ではPC98版、X68k版、TOWNS版を総括して「DOS版」と記述する。 |
発売元 | エルフ |
開発 | エルフ |
発売日 | 1993年7月22日(PC98) 1993年8月27日(X68k) 1993年9月30日(TOWNS) 1999年3月25日(Win95) 2004年10月29日(XP) |
価格 | 税込9,240円 |
ジャンル | 3DRPG |
レイティング | 18禁 |
キャラクター名設定 | 可 |
エンディング数 | 4 |
セーブファイル数 | ?
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メディア | FD:12枚(PC98/X68k) CD-ROM:1枚(TOWNS) CD-ROM:2枚(Win95) DVD-ROM:1枚(XP) |
画面サイズ | 640×400 4bit(PC98) 768×512 4bit(X68k) 640×480 4bit(TOWNS) 640×480 16bit(Win95/XP) |
BGMフォーマット | FM音源(DOS) PCM音源(Win95/XP) |
キャラクターボイス | 無し(DOS) 主人公以外有り(Win95/XP) |
CGモード | 有り |
音楽モード | 無し(DOS) 有り(Win95/XP) |
回想モード | 無し(DOS) 有り(Win95/XP) |
メッセージスキップ | 無し |
オートモード | 無し |
備考 | PC98版とX68k版はハードディスクインストール可能。TOWNS版、Win95版、XP版は要ハードディスク。 Win95版とXP版以外は全てロットアップ済み。 |
『ワーズ・ワース』(WORDS WORTH)は、1993年7月22日にエルフより発売されたアダルトゲーム。及び、それを原作として1999年8月25日に発売されたグリーンバニーのアダルトアニメ。
略称は『WW』。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] アダルトゲーム版
[編集] 概要
制作当時のエルフにおける代表作『ドラゴンナイト』と、『同級生』の開発チームが手を組んだことで話題となった作品。ゲームシステムや操作画面レイアウトに1人視点の4方向3DダンジョンRPGを採用した点では前者、過激なセックスシーンにアイコンクリック方式を採用して官能小説風のテキストで描写する点では後者の特徴が色濃く出ている。
シナリオは2部構成。中盤で劇中の時間が20年経過し、後半が始まる。
1999年にはWin95へリメイク移植された。全キャラクターのデザイン変更、主人公以外のフルボイス化、ダンジョンや戦闘キャラクターのビデオカード能力に依存した360度方向移動と3DポリゴンCGへの変更、戦闘パートのリアルタイム化、後述のアダルトアニメ版スタッフによるオープニングムービーの追加などが施されたが、過激なセックス描写やそれに纏わるキャラクターの性格描写に関しては、時代の趨勢に合わせてか控え目に変更されている。
[編集] スタッフ
- シナリオ - 蛭田昌人
- DOS版キャラクターデザイン、原画 - 悠理愛
- Win95版&XP版キャラクターデザイン、原画 - りんしん
- 音楽:与猶啓至
[編集] ストーリー
どこかの世界の、いつかの時代。
剣と魔法が普通に用いられるそこには、地上に住む「光の一族」、地下に住む「影の一族」という2つの部族があった。互いを不可侵として平和な日々を送っていた彼らは、間に置かれている「ワーズ・ワースの石板」と呼ばれるものを自分達の守護神と定め、信奉していた。その石板には不思議な記号が記されているが、何故かどちらの部族にもそれを読める者は存在しない。
そんなある日、何者かがワーズ・ワースの石板を砕き、その破片を影の一族の住まう地下城の各所へバラ撒いてしまった。
どちらも自分達の仕業ではないと主張する光の一族と影の一族は、果てには互いを犯人と決め付けてしまう。この時を境に、2つの部族は長きに渡る熾烈な戦いへと身を投じたのである。
それから、100年以上が過ぎた。
影の一族の王・ウォトシーカに溺愛されている一人息子にして主人公・アストラルには、友人達と共に戦うことも許されず、いつも地下城の中心部で比較的非力なモグラやクモを相手にする、退屈な毎日しか与えられない。婚約者である美女・シャロンにも、歯痒さを通り越して見放されつつあった。
だが、ある日…。
[編集] キャラクター
声優名はアダルトアニメ版のもで、Win95版やXP版は非公表。
[編集] 影の一族
生物学的に人間とされる種だけではなく、獣人やモンスターとされる種も含め、構成されている。また、光の一族の何倍にも渡る寿命を持つ。
- アストラル
- 声 - 園村健
- 主人公。影の一族の王子。当時のエルフ作品の定番どおり一見冴えないキャラクターだが、シナリオが進むに連れて頭角を現していく。また、精力も定番どおり絶倫。シナリオ後半では、ポルックスと名乗ることになるが…。
- シャロン
- 声 - 仲水里江
- ヒロインの1人。凄腕の剣士で、主人公の婚約者。自分より強い男にしか興味を示さない性格。王子という立場からも実戦に参加できないアストラルには歯痒い思いをしているが、彼の上達に伴い見直すことになり、やがて…。
- ニーナ
- 声 - 中野恵美
- ヒロインの1人。猫系の獣人の少女。地下城にある剣士訓練所に勤めている。アストラルに想いを寄せており、献身さでは他の誰よりも上。そして…。
- DOS版での髪色や服装は某TVアニメ作品のヒロインのパロディーであるが、Win95版へのリメイク移植に当たってはパロディー色を全て払拭し、より獣人らしい容姿へと変更された。
- カイザー
- 声 - 沢田丈一
- 一族最強の剣士。非の打ち所の無いキザな美形であり、その実力もあって主人公のことは蔑視している。シャロンに好意を持っている。
- スタリオン
- 声 - 古本信也
- アストラルの友人。馬系の獣人で、頭部は馬そのもの。「種馬」を意味する名前どおり、性欲の権化と言っても過言ではない。戦いの最中に光の一族の美女を捕らえては、強姦することが生き甲斐。
- ハイド
- 声 - 詩子
- アストラルの友人。俊敏な体術を活かしての探索が得意だが、好戦的な者が多い影の一族にしては優し過ぎる性格が欠点。
- カトラ
- 声 - 高島勉
- アストラルの友人。いわゆるスケルトンの騎士だが、表情は豊か。
- デルタ
- 声 - 詩子
- シナリオ後半から登場。戦力としては全く役立たずの美女で、専らエロ専門の役回り。
- キャロット
- 声 -
- 妖精。他力本願な性格。掌に乗るほど小さい少女の姿をしており、ウィリアムに狙われる。
- ウォトシーカ
- 声 - 所沢隆士
- 影の一族の王で、アストラルの父。常に玉座に腰掛けて戦いの行方を見据えながら、息子の心配ばかりしている。
- テッシオ
- 声 - 長嶋聡一
- ウォトシーカの側近。いかにも小悪党といった様子を漂わせながら、常に玉座の横で控えている。
- ワイス
- 声 -
- 主人公に様々な助言を与えてくれる、気さくな老人。DOS版では男(ワイスじいさん)だが、Win95版やXP版では女(ワイスばあさん)。
- アリアドネ
- 声 - 河山佳乃
- あるキャラクターが産み育てた幼い娘で、シナリオ終盤の重要な存在となる。
[編集] 光の一族
影の一族と違い、生物学的に人間とされる種のみで構成されている。寿命は現実世界の人間と同じ。
- マリア
- 声 - 芳田愛姫
- 女魔導師。容姿こそ男の目を惹く淑やかな美女だが、侮ると痛い目を見る実力の持ち主。生真面目かつ潔癖で、争いを好まない性格。
- ダルク
- 声 -
- 精悍で勇敢な女剣士。しかし、名乗りの割には貧弱。
- シルヴァーナ
- 声 - 山野美々
- 男言葉を使う強気でお転婆な女剣士。最強と名乗る割には弱く、アストラルにも歯が立たない。ダルクと組んで再戦を挑むが、2人とも…。
- サブリナ
- 声 -
- 女騎士。剣の腕前はそれなり。シナリオ前半で影の一族から受けた拷問の影響か、後半では何かに付けて拷問を行いたがるようになる。
- ペルシャ
- 声 -
- サブリナの部下を務める女剣士。戦いには向かない穏やかな性格で、専ら苛められ役。Win95版、XP版、アダルトアニメ版ではペルシア。
- ベルベル
- 声 -
- 妖艶かつ淫乱な女魔導師。キノコを使った魔法を好むが、その副作用を解除するために行ったアストラルとのセックスが元で、老化が極端に遅くなってしまう。
- クラブ
- 声 - 陶山章央
- トラップの名人。大口叩きの小悪党。
- ノーマン
- 声 -
- 剣士。かなりの見栄っ張り。必殺技は某有名漫画作品のそれのパロディー。
- エポ
- 声 -
- 褐色の肌が眩しい女剣士。豪気さと淑やかさの二面性を持つが、剣の腕前は彼氏のノーマン共々今一つ。シナリオ後半では剣士を引退し、道具屋へと転職する。
- DOS版での容姿は某TVアニメ作品のヒロインのパロディーである(会話内容にもそれを伺わせる箇所が存在する)が、Win95版へのリメイク移植に当たってはパロディー色を全て払拭した容姿へと変更された。
- ミュー
- 声 - 山野美嶺
- ヒロインの1人。マリアの娘。母譲りの美貌を持ち、大人しい性格。ポルックスへ一途な想いを寄せるあまり、大胆な行動に出ることも…。
- ベガ
- 声 -
- ダルクの娘。美貌と性格と剣の腕前は母譲りだが、結婚願望は非常に強い。
- エオリア
- 声 -
- シルヴァーナの娘。美貌と性格は完璧に母譲り。故に剣の腕前も…だが、媚薬を飲まされると、母以上に貪欲な性癖が露となる。
- リタ
- 声 - 千代
- サブリナの娘。戦いには消極的で、非常に臆病な性格。剣の腕前も母には大きく劣る。
- アルゴ
- 声 -
- 剣士。金への執着心が強く、戦いの目的もそれ。
- リゲル
- 声 -
- 剣士。女への執着心が強く、戦いの目的もそれ。
- ファブリス
- 声 - 藤木郁也
- カイザーやシャロンも敵わない一族最強の実力を持つ、熟年の剣士。しかし、性格はどこか間が抜けている。実力を上げたアストラルに片腕を斬り落とされたことが元で剣士を退き、シナリオ後半では王座に就く。
- ウィリアム
- 声 -
- ファブリスの息子で、ミューの婚約者。お坊ちゃま育ちの弱虫である上、実力は皆無。また、ロリコンの気がある。
- メンザ
- 声 - 長田雄裕
- ファブリスの側近。テッシオ同様の怪しい雰囲気を持つ。
[編集] ワーズ・ワースの人々
[編集] 概要
『野々村病院の人々』とのクロスオーバー番外編。XP版でのみプレイ可能。シナリオは2部構成になっており、前編は『野々村病院の人々』の主人公である海原琢磨呂が『ワーズ・ワース』の世界を、後編は『ワーズ・ワース』のヒロインの1人であるシャロンが『野々村病院の人々』の世界をそれぞれ巡る。ゲームシステムは前編が『ワーズ・ワース』、後編が『野々村病院の人々』に準拠。
なお、XP版のパッケージ原画も含めて描き下ろし部分のシャロンは『ワーズ・ワース』本編とはやや異なる絵柄で描かれているが、これはWin95版から5年が経過したことで、りんしんの絵柄が変化していたためである。
[編集] アダルトアニメ版
[編集] 概要
アダルトゲーム版と同名タイトルで、Win95への移植に合わせてのアニメ化となった。キャラクターデザインはWin95版準拠となっているが、制作時期やWin95版より過激なセックス描写などからも、シナリオはDOS版を下敷きとしたことが伺える。
VHS/LD/DVDで発売。本編5巻+外伝2巻の全7巻。各巻30分。
- VOL.1 - 「光と影の伝説」
- VOL.2 - 「神々の戯れ」
- VOL.3 - 「伝説の剣士」
- VOL.4 - 「光、影そして闇」
- VOL.5 - 「煌めきの果て」
- 外伝 前編 - 「奔流の中で…」
- 外伝 後編 - 「怒涛の中へ…」
2001年にはVOL.1からVOL.5までを80分に再編集した『総集編』と、DVD3枚にノーカットで再収録した『スペシャルコレクションDVD-BOX』、2002年には『外伝』2巻、2003年には全7巻の単品廉価版が発売された。なお、『スペシャルコレクションDVD-BOX』にのみ、5分の新作映像として後日談(DOS版におけるハーレムエンドに相当)が収録されている。
2005年12月23日には、ハピネット・ピクチャーズより総集編のUMD版が発売された。
[編集] スタッフ
- 原作 - エルフ「ワーズ・ワース」
- 企画 - 金木怪男、天地悠大
- プロデューサー - 雅太郎、越中おさむ、Show隈部(外伝)
- スーパーバイザー - Dr.POCHI
- 監督 - ふくもとかん(VOL.1~5、総集編)、富井恒(外伝)
- 脚本 - 杜野幼青
- 絵コンテ - ふくもとかん(VOL.1、VOL.2、VOL.4、VOL.5、総集編)、杜野幼青(VOL.3、外伝)
- 演出 - 土支田一香(外伝)
- キャラクターデザイン - りんしん、秋野空(外伝)
- 作画監督 - りんしん(VOL.1~5、総集編)、秋野空(外伝)
- 美術監督 - 池端茂(VOL.1~5、総集編)、佐藤正行(外伝)
- 色彩設計 - 宮川はれみ(VOL.1~5)、野口稔(外伝)、中田亮大(総集編)
- 撮影監督 - 森口洋輔(VOL.1~5、総集編)、長谷川洋一(外伝前編)、植田慎也(外伝後編)
- オフライン編集 - 闇黒堂蠧魚(総集編)
- 音響監督 - 岩田靖弘(VOL.1~5、総集編)、響楽士(外伝)
- 音楽 - 修羅徹
- アニメーション制作 - アームス
- アニメーション制作協力 - スタジオ九魔(外伝)
- 製作 - グリーンバニー
[編集] 文献
[編集] 書籍
- エルフ監修公式ゲームガイド
- ワーズ・ワース 完全ガイド
- 発行所 - 辰巳出版
- 初版 - 1999年7月
- 価格 - 税込2,100円
- Win95版のムック本。
- ワーズ・ワース パーフェクト・ファイルズ
- 発行所 - 辰巳出版
- 初版 - 2001年3月
- 価格 - 税込2,100円
- アダルトアニメ版のムック本。
[編集] 小説
アダルトアニメ版のノベライズ。全て著者は三井秀樹2P、発行はケイエスエス、価格は税込900円。
- ワーズ・ワース 影の一族(前篇) - 2001年10月1日初版
- ワーズ・ワース 影の一族(後篇) - 2001年12月1日初版
- ワーズ・ワース 光の一族(前篇) - 2002年5月1日初版
- ワーズ・ワース 光の一族(後篇) - 2002年8月1日初版
- ワーズ・ワース 完結篇 - 2002年11月1日初版
[編集] 備考
- 幻のセガサターン版
- 1997年頃、アダルトゲームからの移植が盛んであったセガサターン(SS)へ本作も移植しようとの企画が、エルフで立ち上がった(SSへは前年、『野々村病院の人々』で参入済み)。キャラクターデザインもDOS版から一新し、『ドラゴンナイト』のタイトルを借りた形(理由は不明)で、ゲーム雑誌にも勢揃いしたキャラクター付きの第一報がカラーページで掲載されたが、その後セガが18禁枠を撤廃したため企画は立ち消えに。開発途中だったデータはWin95版として再利用され、ようやく陽の目を見た…という逸話が残っている。
[編集] 関連項目
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