ロードランナー
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『ロードランナー (Lode Runner)』は、Brøderbund社から1983年に発売されたアクションパズルゲーム。『バンゲリングベイ』『チョップリフター』とともに、バンゲリング帝国三部作の一つである。後に上級編として『チャンピオンシップロードランナー』も発売された。
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[編集] 概要
ゲームの目的はステージ内にある金塊を敵に捕まらずに回収し脱出すること。プレイヤーキャラクターは穴を堀るためのレーザーガンを装備しており、床に穴をあけて下の階層に移動したり、掘った穴に敵を落としたりして障害をクリアしていく。アクションゲームにして、パズル性も兼ね備えている。
オリジナルはunix用に源を発する。Apple IIシリーズ用が有名だが、国産PCやアーケードゲームを始め様々な機種に移植されている。
[編集] 地形
- 空白
- 何もない場所。落下中に左右に移動することはできない。ただし、ロボットに乗って落下している場合は左右に移動が出来る。
- レンガ
- 足場となる地形。ランナーはレーザーガンで隣の足元のレンガを掘ることができる。一定時間が経つと再生する(ゲームによって時間が異なる)。これに巻き込まれるとアウト。テクニックを応用すれば、タイミングをずらして掘ったりできる(通称、時間差掘り)。
- ブロック
- 足場となる地形。レンガと違い掘る事は不可能。
- ハシゴ
- ランナーが上下方向に移動するために使う。左右移動も可能である。ハシゴの真下のレンガは掘れない。
- 隠れハシゴ
- 金塊を全て集めると出現する、画面の最上段に届くハシゴ。
- バー
- 空中に設置されている棒。これを伝って左右に移動することができる。方向キー下で、手を離して飛び降りることも可能。真下にあるレンガは掘れない。
- トラップ
- 見た目はレンガと同じだが、踏み込むと落ちる落とし穴。この中からレンガを掘ることもできる。横から入ることはできない。
- 透明レンガ
- 一部のゲーム(アイレム版ロードランナーなど)に登場する隠しレンガ。一度掘ると姿を現す。
- 動かせるブロック
- ごく一部のゲーム(アーケード版ロードランナーⅣなど)に登場する特殊パーツ。左右に動かせ、スペースの上にも浮く。
[編集] ロボット
ランナーの邪魔をして来る唯一の敵。1ステージにつき最大3体(チャンピオンシップロードランナーでは最大5体)出現する。1度でも触れてしまうとアウト。ただし、ロボットの上に乗った場合はミスにならず、足場代わりに使うことが可能。レンガに埋めて倒す事が出来るが、ステージ上部から復活する。レーザーガンは一切効かない。
[編集] ハドソン版
日本では、ハドソンがファミリーコンピュータ用に移植したものが特に知名度が高い。ファミコン初のサードパーティー製ソフトとして知られているが、実は同時開発されたナッツ&ミルクの方が3日早く発売されている。
またファミコン初のスクロール画面(横)を備えたゲームでもある。アップル版では1キャラクターが半角1カーソル分だったため全画面にマップを表示できスクロールの必要はなかったが、ハドソン版ではキャラクターの大きさの都合により全マップを表示するためにスクロールが採用されている。
1画面分のステージが作れるエディットモードが搭載されており、ファミリーベーシック用のテープレコーダーを使用することでデータを保存することも出来た。『チャンピオンシップロードランナー』の登場以降は、時間差や敵の頭上渡りなどの技を多用する者も多くなり、様々な遊び方ができるため、ゲーム発売後何年も長く親しまれた。また、ハドソンが発売していたカセットテープ付き雑誌『カセットメディア』では、オリジナルステージの投稿を募集し、優秀作品を付録のカセットテープに収録するという試みも行われた。
レンガを掘った穴が埋まる直前にもう一度掘ると透明になる、掘った穴の下のはしごからランナーの頭半分だけ出して埋まるのを待つとそのレンガはすり抜けられるようになるなど様々なバグがあり、これらがファミコン特集番組などで紹介されていく過程で「バグ」や「裏技」という言葉が一般的になった。
このゲームの主人公ランナー君が、かつては悪の手先として働かされていたロボット(グラフィックはこのゲームの敵キャラのもの)だったというスピンオフストーリーが、後の人気シリーズとなる『ボンバーマン』である。PCエンジン用に発売された『バトルロードランナー』では、ブラックボンバーマン(黒ボン)が敵役として登場する。
2005年12月には、ファミコン版のロードランナーとチャンピオンシップロードランナーを収録した『ハドソンベストコレクション Vol.2 ロードランナーコレクション』がゲームボーイアドバンス用で発売された。
[編集] 主なコンシューマー移植作
- システムソフト
- ロードランナー(PC-9801用)
- ロードランナー(PC-8801用)
- ロードランナー(PC-6001用)
- ロードランナー(PC-6601用)
- ロードランナー(PC-8001mkII用)
- チャンピオンシップロードランナー(PC-9801用)
- チャンピオンシップロードランナー(PC-8801用)
- 保存版ロードランナー(PC-9801用)
- ソフトプロ
- ハドソン
- アイレム - 「スーパーロードランナー」の名がつく3作は、アーケード版4作がベースとなっている。
- セガ - 実開発はコンパイルが担当。
- ロードランナー (SG-1000用)
- チャンピオンシップロードランナー (SG-1000用)
- バンダイ
- ハイパーロードランナー (ゲームボーイ用)
- T&Eソフト
- ロードランナーツイン ジャスティとリバティの大冒険 (スーパーファミコン用)
- 任天堂
- ソニー
- パック・イン・ビデオ
- ロードランナー ~失われた迷宮~(PCエンジン用)
- バンプレスト
- ロードランナー for WonderSwan (ワンダースワン用)
- 彩京 - アイレム版の要素を色濃く受け継いでいる。漫画家の吉崎観音が操作性や敵のアルゴリズムなどのゲームバランス部分の監修を行った。
- パトラ
- サクセス
- ロードランナー (ゲームボーイアドバンス用)
- SuperLiteシリーズ ロードランナー レジェンドリターンズ(プレイステーション用)
- NEC
- ロードランナー(同社製のPC-100に付属した国産機初の移植版。開発はシステムソフト。)
- 亜流
- ファンキーモンキー(PC-9801用) - 基本ルールは同じだが画面が六分割され、一ヶ所だけ赤い四角になっていて、ゲーム中でも15パズルの様に入れ換える事が出来る。プレイヤーが赤い四角に入ってしまうと、画面全体が徐々に赤くなって一回ミスとなる。
- エクシング
- ロードランナードムドム団のやぼう (ゲームボーイカラー用)
[編集] その他の話題
- 日本においてはユーザの大半が勘違いしているが、 Road(道路)ではなく Lode(坑道)がタイトルの由来である。
- パソコンといえば組み込みBASICであった当時、パソコンでプログラミングを行わずゲームマシンとしてしか使わない人を、カセットテープからプログラムをLOADしてRUNするだけの人という意味でロードランナー (Load Runner) と呼ぶことがあった。
- 1985年のつくば万博で、ソニーは2000インチの巨大テレビ(ジャンボトロン)を展示し、これを用いたゲーム大会を開催した。その際のゲームとして採用されたのはMSX版のロードランナーだった。なお大会が開催されたのは1985年8月11日、参加資格は小学校4年生から中学校3年生までの男女。参加者は事前に申し込みをした中から抽選で選ばれた。