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レイキャヴィーク - Wikipedia

レイキャヴィーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

位置
位置

レイキャヴィークReykjavík)は、アイスランド首都である。日本語ではレイキャビクレイキャビックとも表記される。

目次

[編集] 概要

市街遠景
市街遠景

アイスランド島南西部のレイキャネース半島の根元に位置し、ファクサ湾に面する港湾都市である。首都としては世界最北の北緯64度8分に位置する。市名は「煙たなびく湾」という意味で、最初の上陸者が近郊の温泉から上る湯煙を炎の煙と見間違えて名づけた地名と言われている。

人口は市内のみで約11万人、周囲の市を含めた首都圏全体で約18万人である。アイスランドの全人口の約6割がこの一帯に集中している。

近海は世界有数の好漁場で、古くから水産業が産業の根幹を占める。さらに近年は水産業依存からの脱却を図っており、低い所得税率、欧米の中間という地理条件、充実したインフラ網を活かして外国資本の積極誘致を行っている。

市内の暖房・給湯システムは地熱の熱エネルギーのみで維持されており、自然エネルギーとの共存が図られている。他にも燃料電池自動車水素を供給する水素ステーションを建設し、それを利用した路線バスを世界で初めて運行するなど、クリーンエネルギー政策の点では世界をリードしている。

  • シーズンになれば、街中からでもオーロラを頻繁に観測でき、住民にとっては何の珍しさもないそうである。大都市である、一般の服装で過ごせるといった点で、世界で最も気軽にオーロラを鑑賞できるポイントと言える。
  • アイスランドでは新年を打ち上げ花火で祝う習慣があり、元旦を迎えた瞬間は花火が街の空を埋め尽くすほどになる。
  • 市内ではを飼うことが法律で禁止されているが、申請することで飼えるので、この法律は実質ないのと同じである。
  • 世界で最も人口1人当たりの本屋の密度が高い町、とこの町の人たちは自称している。

[編集] 気候

気候区分西岸海洋性気候(Cfc)に属する。

アラスカフェアバンクス、東シベリアヤクーツクといった同緯度の地域と比べ、非常に温暖であることが最大の特徴である。先に述べた地域は真冬ともなると-50℃を観測する事があるが、レイキャヴィークの最低気温は寒い日でも-10℃程度にしかならない。この気候は沖合を流れる暖流(メキシコ湾流)、南から吹く偏西風、そしてアイスランド島が持つ地熱に起因している。一方で夏は気温が上がらず、最も暖かいときでも最高気温は15℃ほどにしかならない。年間を通じて冷涼な温度範囲で気温が推移する気候である。

年間の降雨・降雪は平均213日に上り、晴天が少ない。しかし降水量自体はそれほど多くない。また偏西風が海上から直接吹き付けるために風が非常に強く、そのため天候の変化も激しい。

北極圏に近接しているため、冬至の頃には1日に4時間ほどしか日照がなく、逆に夏至の前後では数十分間しか日が沈まない。

レイキャヴィークの平均最高気温・最低気温・降水量
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間
平均最高気温 2°C 3°C 4°C 6°C 10°C 12°C 14°C 14°C 11°C 7°C 4°C 2°C 7.4°C
平均最低気温 -2°C -2°C -1°C 1°C 4°C 7°C 9°C 8°C 6°C 3°C 0°C -1°C 2.7°C
平均降水量 89mm 64mm 62mm 56mm 42mm 42mm 50mm 56mm 67mm 94mm 78mm 79mm 779mm

[編集] 歴史

8世紀、アイスランドに上陸したヴァイキングたちは、元々住んでいた家の柱を海に投げ入れた。漂流した柱が流れ着いた場所を定住地とするのが、当時のヴァイキングたちの慣習だったのである。柱は島の南部から南西部の湾に漂着、慣習どおりそこが彼らの定住地となった。アイスランドのサガによれば、これがレイキャヴィークの始まりとされている。

しかし、その後長い間は人口100人ほどの小さな港でしかなかった。アイスランドの中心として発展を始めたのは、宗主国デンマーク以外との自由交易が認められるようになった19世紀以降である。

19世紀末になると、ヨン・シグルズソンによる独立運動の中心地となり、1918年にデンマーク王権下での独立を達成し、レイキャヴィークはアイスランドの首都となった。そして1944年第2次世界大戦ドイツがデンマークに侵攻したのを機に完全独立を果たした。

[編集] 観光

メインストリート周辺
メインストリート周辺
チョルトニン湖
チョルトニン湖
  • 国会や首相官邸などの政府機関が市内に集中しているが、どれも驚くほど小規模で、アイスランドという国のスケールをうかがい知ることができる。チョルトニン湖の湖畔には市庁舎が建ち、周辺は市民の憩いの場となっている。
  • 郊外には街全体に供給する温水を貯蔵するペルトランと呼ばれる施設がある。内部には街を見渡す展望レストラン、歴史博物館がある。
  • 車で40分ほどの郊外に、世界最大の露天温泉として有名なブルーラグーンがある。シャトルバスが運行されており、レイキャヴィークを拠点として多くの人が訪れる。

[編集] 交通

  • 電車地下鉄は無いが、バスの路線網が充実している。前述したとおり、燃料電池自動車のバスが数台運行している。
  • 市街地のすぐ南にレイキャヴィーク空港があり、アイスランド全土の都市と国内線で結ばれている。かつては国際空港としても機能していたが、現在その機能はケフラヴィーク国際空港に譲っている。こちらの空港までは車で約45分を要する。

[編集] レイキャヴィーク出身の人物

[編集] 姉妹都市

[編集] 外部リンク

ウィクショナリー



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