ヘーシオドス
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ヘシオドスは古代ギリシアの叙事詩人。紀元前700年ごろ活動したと推定される。『神統記』、『仕事と日(仕事と日々)』の作者として知られる。
父親は元は商人であったが破産してボイオティアに住み開拓農家として父や弟と農耕に励んだ。また、しばしばムーサ崇拝の地であるヘリコン山を訪れた。『神統記』によれば、ヘシオドスが羊を飼っているとき、突然にムーサが詩人としての才能をヘシオドスに与えたという。
『仕事と日』によれば、弟との遺産相続をめぐる裁判に巻き込まれた。地元の領主は弟からの賄賂を受けてヘシオドスが自分に忠実でないと難じて遺産である筈の土地を没収して弟に与えてしまった。このため、憤懣やるせなかった彼は旅に出て詩人として生活するようになったのだと言う。
彼の最期については、古代にすでに異伝があり、トゥキディデスの伝えるロクリスに没したとする説と、7世紀の資料の伝えるオルコメノスに没したとする説がある。
今日ヘシオドスの真正な作品と一致して認められるのは『仕事と日』のみである。『神統記』の作者には論争があるものの、ヘシオドスの様式に極めて近いことは間違いがない。
『仕事と日』は勤勉な労働をたたえるとともに、怠惰と不正な裁判を非難している。また、同書の一部分が世界最初の農事暦であると考えられている。『神統記』は神々の誕生と戦いを描き、ゼウスの王権の正当性を主張している。