フィンガー・ピッキング
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フィンガー・ピッキング(Finger Picking)とは、ギターなどの撥弦楽器を、ピックなどを使わず、指先と爪を使って弾き、演奏する奏法。指弾き。一般に親指はフィンガーと呼ばずサムと呼ぶため、ツーフィンガーやスリーフィンガーと言った場合の数に親指は含まれない。
主にクラシック・ギター、アコースティックギター、ウッドベース等、アコースティックで使用されるが、エレクトリックギターなどでロックなど他の音楽ジャンルでも使用される。ただし、クラシック・ギターにおけるフィンガーピッキング奏法は厳密な取り決めが数多くあるのに対し、ロックやポピュラー音楽での奏法にはこれといった取り決めはほとんどなく、演奏者が独自に技法を開拓する場合がほとんどであるため、両者は別ものと考えるのが正しい。
また、ベースにおいては、アコースティック・ベース、エレクトリックベース、音楽ジャンルを問わず、ピック奏法に加え、フィンガー・ピッキングが用いられる事が多い。スラップ奏法やタッピング奏法などに移行しやすいため、特にテクニカルなプレイを好むプレイヤーはフィンガー・ピッキングを好む傾向がある。
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[編集] ツーフィンガーピッキング
[編集] 人指し指と中指
コントラバスやベース・ギターに於けるフィンガー・ピッキングとしては最も一般的な奏法で、音楽のジャンルに問わず活用される。ピック奏法に比べると輪郭やアタックがぼやけがちだが、ニュアンスの変化は比較的付けやすい。
[編集] 親指と人指し指
詳細はツーフィンガー奏法を参照
[編集] スリーフィンガー・ピッキング
人差し指から薬指までを順番に動かし、速いフレーズに対応する奏法。一般的に、薬指は他の指に比べて動かし辛く力が弱いためピッキングがバラつきやすい。また運指が複雑になることからツーフィンガー奏法よりも高度な技術が必要とされる。この奏法を使用する有名なベーシストには、元MR.BIGのビリー・シーン、ドリーム・シアターのジョン・マイアングが挙げられる。ビリー・シーンはこの奏法に小指を含めたフォーフィンガー・ピッキングを行うこともある。
[編集] アポヤンドとアル・アイレ
- アポヤンド
- ピッキングした指が低音側の隣の弦に触れる弾き方。
- アポヤンドとは、スペイン語で「寄りかかる」と言う意味。
- アル・アイレ
- ピッキングした指が隣の弦に触れない弾き方。
- アル・アイレとは、スペイン語で「空中に」と言う意味。