ピーター・ハミル
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ピーター・ジョセフ・アンドリュー・ハミル(Peter Joseph Andrew Hammill、1948年11月5日 - )はイギリスのシンガーソングライター、ギタリスト、ピアノ奏者、キーボード奏者。ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター(VDGG)の創設者である。
目次 |
[編集] 来歴
- 1967年:クリス・ジャッジ・スミスとVDGGを結成。
- 1969年:レコード会社の要請により、VDGGのメンバーを集めてソロ・アルバム制作、後にVDGG名義の「The Aerosol Grey Machine」となる。
- 1971年:1st「Fool's Mate」録音。VDGG以前に作曲されていたが、VDGGにふさわしくないとされていた曲を中心に構成されており、VDGGのアウトテイク的性格が強い。
- 1972年:VDGG解散。バンド解散中に「Chameleon In The Shadow Of The Night」、「The Silent Corner And The Empty Stage」、「In Camera」を録音。
- 1974年:「Nadir's Big Chance」録音。これがきっかけでVDGG再結成。
- 1978年:VDGG解散。これ以降ソロ活動が中心となる。サウンドも打ち込み、多重録音が多くなる。
- 1981年:「Sitting Targets」録音。ツアーのためにKグループを結成。同編成で「Enter K」、「Patience」、ライヴ「The Margin」を録音。
- 1986年:「Skin」録音。再び打ち込み、多重録音が多くなる。(途中キーボード弾き語り作品「And Close As This」があるが)
- 1991年:エドガー・アラン・ポーの小説「アッシャー家の崩壊」を基にしたロック・オペラ「The Fall Of The House Of Usher」を台本:クリス・ジャッジ・スミス、作曲:ハミルで制作。
- 1993年:久しぶりにバンド編成(ハミル、ジョン・エリス(g)、ニック・ポッター(b)、マニー・エライアス(ds)、デヴィッド・ジャクソン(sax/f))で「The Noise」を録音。ツアーのために同編成からエリスとジャクソンが抜け、スチュアート・ゴードン(vlin,g)が加わった状態でザ・ノイズ・バンドを結成。ライヴ「There Goes The Daylight」を録音。
- 1994年:「Roaring Forties」録音。演奏はザ・ノイズ・バンドだが、ジャクソン参加、ポッター不在の曲もある。ツアーのためにphカルテット(phQ)を結成。
- 1996年:「X My Heart」録音。演奏はphカルテット。
- 1997年:「Everyone You Hold」録音。これ以降断片的ににエライアス、ジャクソン、ゴードンがゲスト参加する以外は全てハミルが楽器を演奏している。
ガイ・エヴァンス&ピーター・ハミルでライヴ。ここではVDGGとしても演奏している。
- 2003年:この年の暮れ、心臓発作で倒れるが大事には至らず。
- 2004年:VDGG再結成。
- 2006年:「Singularity」録音。全ての楽器をハミルが演奏している。
[編集] 音楽性
内省的且つ哲学的な詞世界、唯一無二のボーカルを前面的に出した音楽である。サウンドは時期により、バンドサウンド、弾き語り、打ち込み、多重録音と様々であるが、常に自らのボーカルを主眼に置いている。時々インストゥルメンタル作品も作製する。
[編集] ソロ活動中のバンドについて
ハミルはVDGG以外にもツアーのために幾つかバンドを結成している。
Kグループ(K Group)(1981年~1984年)
- K / ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/guitar/piano
- Fury / ジョン・エリス(John Ellis) - guitar
- Mozart / ニック・ポッター(Nic Potter) - bass guitar
- Brain / ガイ・エヴァンス(Guy Evans) - drums
この編成で「Enter K」、「Patience」、ライヴ「The Margin」を録音している。
ザ・ノイズ・バンド(The Noise Band)(1993年)
- ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/guitar
- Hooly / スチュアート・ゴードン(Stuart Gorrdon) - violin/guitar
- Mozart / ニック・ポッター(Nic Potter) - bass guitar
- Max / マニー・エライアス(Manny Elias) - drums
この編成でライヴ「There Goes The Daylight」を録音している。
phカルテット(phQ)(1994年)
- ピーター・ハミル(Peter Hammill) - vocal/guitar
- Jaxon / デヴィッド・ジャクソン(David Jackson) - sax/flute
- Hooly / スチュアート・ゴードン(Stuart Gorrdon) - violin
- Max / マニー・エライアス(Manny Elias) - drums
この編成でのツアーはベース不在。
この編成で「Roaring Forties」(ハミルがキーボードも演奏)、「X My Heart」(ハミルがベース/キーボードも演奏)を録音している。
この3人は「Everyone You Hold」以降のほとんどのアルバムに断片的に参加している。(一緒にではないが)
[編集] ディスコグラフィ ー
[編集] ソロ
[編集] スタジオ・アルバム
- Fool's Mate (1971年)
- Chameleon In The Shadow Of The Night (1973年)
- The Silent Corner And The Empty Stage (1974年)
- In Camera (1974年)
- Nadir's Big Chance (1975年)
- Over (1977年)
- The Future Now (1978年)
- PH7 (1979年)
- A Black Box (1980年)
- Sitting Targets (1981年)
- Enter K (1982年)
- Patience (1983年)
- Loops And Reels (1983年)(3曲以外インストゥルメンタル)
- Skin (1986年)
- And Close As This (1986年)
- In A Foreign Town (1988年)
- Out Of Water (1990年)
- The Fall Of The House Of Usher (1991年)
- Fireships (1992年)
- The Noise (1993年)
- Roaring Forties (1994年)
- Sonix (1996年)(1曲以外インストゥルメンタル)
- X My Heart (1996年)
- Everyone You Hold (1997年)
- This (1998年)
- None Of The Above (2000年)
- Unsung (2001年 Hammill/Sonix名義)(インストゥルメンタル)
- What, Now? (2001年)
- Clutch (2002年)
- Incoherence (2004年)
- Singularity (2006年)
[編集] ライヴ・アルバム
- The Margin (1985年)
- Kグループとして
- Room Temperature (1990年)
- ニック・ポーーター(b)、スチュアート・ゴードン(vln)がサポート
- There Goes The Daylight (1993年)
- ザ・ノイズ・バンドとして
- The Peel Sessions (1995年(1974年、1977年、1979年、1988年録音))
- 1977年テイクにはグラハム・スミス(vln)がサポート
- Typical (1999年(1992年録音))
- Veracious (2006年(1999年、2001年、2004年録音))
- スチュアート・ゴードン(vln)がサポート
[編集] コンピレーション
- The Love Songs (1984年)(原曲にオーバーダビング、再録音等をしている)
- The Storm (Before The Calm) (1993年)
- The Calm (After The Storm) (1993年)
- Offensichtlich Goldfisch (1993年)(原曲にドイツ語ボーカルを差し替えている)
- After The Show (1996年)
- The Thin Man Sings Ballads (2002年)
[編集] シングル
- Red Shift Part 1 / Red Shift Part 2 (1973年)
- Birthday Special / Shingle Song (1975年) (Rikki Nadir名義)
- Crying Wolf / This Side Of The Looking Glass (1977年)
- If I Could / The Future Now (1978年)
- The Polaroid / The Old School Tie (1979年) (A面:Rikki Nadir名義)
- My Experience / Glue (1981年)
- Paradox Drive / Now More Than Ever (1982年)
- Film Noir / Seven Wonders (1983年)
- Just Good Friends / JGF Instrumental (1985年)
- Painting By Numbers / You Hit Me Where I Live (1986年)
[編集] バンド・グループ
ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター
ガイ・エヴァンス & ピーター・ハミル
- Guy Evans & Peter Hammill / Spur Of The Moment (1988年)(インストゥルメンタル)
- Guy Evans & Peter Hammill / The Union Chapel Concert (1997年)
- VDGG名義での“Lemmings”を収録している。
ロジャー・イーノ & ピーター・ハミル
- Roger Eno & Peter Hammill / The Appointed Hour (1999年)(インストゥルメンタル)
[編集] 主なセッション参加作品
- Colin Scot / Colin Scot (1971年)(バッキング・ボーカル)
- Le Orme / Felona E Sorona (1973年)(英語詞)
- Robert Fripp / Exposure (1979年)(ボーカル)
- Peter Gabriel / Peter Gabriel IV (1982年)(バッキング・ボーカル)
- Miguel Bosé / Bandido (1984年)(作詞)
- Alice / Il Sole Nella Pioggia (1989年)(共作/ボーカル)
- Chris Judge Smith / Democrazy (1991年(1967年~1977年録音))(ギター/ベース/ハーモニウム/バッキング・ボーカル)
- Peter Gabriel / Us (1992年)(バッキング・ボーカル)
- Stranglers / The Stranglers And Friends: Live In Concert (1995年(1980年録音))(ボーカル)
- Ayuo / Songs From A Eurasian Journey (1997年)(ボーカル)
- Saro Cosentino / Ones And Zeros (1997年))(共作/ボーカル)
- David Cross / Exiles (1997年)(ボーカル)
- Alien Diary / Huschke (1998年)(共作/ボーカル)
- Judge Smith / Curly's Airships (2000年)(ボーカル)
- Ayuo / Earth Guitar~千の春の物語 (2002年)(ナレーション)
- Premiata Forneria Marconi / Live In Japan 2002 (2002年)(ボーナス曲でボーカル)
[編集] その他
- Peter Hammill / The Margin + (2002年)
- 2002年にテイク増量で再発
- Peter Hammill / The Fall Of The House Of Usher (1999年)
- 1999年にバッキングトラック、自身のボーカルを差し替えて再発
[編集] 関連項目
- ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター
- ロバート・フリップ
- ピーター・ガブリエル
- ジャッジ・スミス
- ヒュー・バントン
- PFM