パンアメリカン航空830便爆破事件
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パンアメリカン航空830便爆破事件(Pan Am Flight 830)とは、アメリカ合衆国の航空会社であったパンアメリカン航空(パンナム)機内で発生した爆破事件である。幸いにして航空機が墜落する事態にはならなかったが、日本人1名が犠牲になった。
[編集] 事件の概要
パンナム830便は、成田国際空港から出発しハワイのホノルルに向かっていた。1982年8月11日のこの日の便はボーイング747-100型機「クリッパーオーシャンローバー("Clipper Ocean Rover")」"Clipper Ocean Rover"(機体記号:N754PA)で運航されていた。乗員15名、乗客270名が搭乗していた。
到着直前の、ハワイ時間の午前9時ごろにハワイから北西150マイル(250Km)の海上25,000フィートを飛行中に旅客機後部座席の座席クッション下に仕掛けられていた爆弾が炸裂した。
この爆発で、座席上に座っていた16才の日本人少年が死亡し、彼の両親を含む15名が負傷した。旅客機は客室が急減圧しキャビンの床に穴が開くなどの損傷を受けたが、操縦に支障がなく緊急着陸に成功した。
この事件はアメリカに敵対心を持つヨルダン人(パレスチナ出身)が引き起こしたものとされた。1988年に容疑者はギリシアで逮捕され、後に殺人罪で懲役15年の有罪判決を受けた。ただし1996年に刑期を6年努めた時点で釈放された。その後2006年に、旅客機の国籍があったアメリカ合衆国の裁判所で、7年の刑を宣告された。
[編集] 参考文献
- デビッド・ゲロー著、清水保俊翻訳、 「航空テロ」 イカロス出版 1997年 99頁
[編集] 外部リンク
- Aviation Safety Network Description of the accident
- U.S. Department of Justice Jordanian Man Sentenced in 1982 Bombing Of Pan Am Flight From Tokyo To Honolulu
- Airliners.Net 事故機"Clipper Ocean Rover"の写真(1981年)