バクー (空母)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バクー/アドミラール・ゴルシュコーフ | ||
---|---|---|
イタリア半島南方海域を航行中のバクー | ||
艦歴 | ||
起工 | 1978年12月26日 | |
進水 | 1982年3月31日 | |
就役 | 1987年12月20日 | |
退役 | 1995年7月 | |
除籍 | 1996年 | |
除籍後 | 2005年3月10日、インドへ売却 | |
要目 | ||
艦種 | 航空巡洋艦(軽空母) | |
艦級 | 改キエフ級(同型艦なし) | |
排水量 | 基準排水量 | 38,000t |
満載排水量 | 45,500t | |
全長 | 273.1m | |
水線長 | 242.8m | |
全幅 | 53m | |
水線幅 | 31m | |
吃水 | 8.2m、最大12m | |
機関 | 蒸気タービン8缶4基4軸 | 200,000hp |
速力 | 最大32.5ノット | |
航続距離 | 7,590海里(巡航速度:18ノット) | |
乗員 | 1,615名 | |
武装 | P-500SSM連装発射筒 | 8基 |
3K95SAM用 VLS 16セル | 24基 | |
AK-100 100mm単装砲 | 2門 | |
AK-630 30mmCIWS | 8基 | |
533mm5連装魚雷発射管 | 2基 | |
RBU-1200012連装対潜ロケット発射機 | 2基 | |
搭載機 | Yak-38M | 12機 |
ヘリコプター | 20機 | |
言語 | 表記 | |
日本語 | バクー | |
アドミラル・ゴルシコフ | ||
英語 | Baku | |
Admiral Gorshkov | ||
ロシア語 | Баку | |
Адмирал Горшков |
バクー(ロシア語:Баку;改名:アドミラール・ゴルシュコーフ、アドミラル・ゴルシコフ;Адмирал Горшков)は、ソ連・ロシア海軍のキエフ級航空巡洋艦4番艦に当たるが、搭載機の変更(Yak-38からYak-141)を前提に設計されたため、他の同型艦とはエレベーターの位置や大きさなどが異なっており、「改キエフ級」と呼ばれるケースが多い。なお、「バクー」は現在は独立国アゼルバイジャンの首都であるが、この艦の建造当時はソ連邦構成共和国のひとつであった。
[編集] 艦歴
バクーは1978年12月26日にチェルノモールスキイ造船所(ニコラーエフ南、第444海軍工廠)で起工され、1982年3月31日に進水し、1987年12月20日に就役した(ちなみに、就役前の海上テストの際、蒸気タービンのボイラーに亀裂が入るという事故を起こしている)。
本艦は、新開発のフェーズドアレイレーダー「マルス・パッサート」や、その他の新型各種電子機器など、次に建造されるアドミラル・クズネツォフのテスト艦も兼ねており、本艦で海上テストを行ったこれらのレーダー等は、実用化に問題無しと判断されたらしく、そのままクズネツォフに採用された。
1988年3月3日、バクーは黒海艦隊に編入された。そして、5月下旬には艦載機(Yak-38、Yak-38U 計12機、Ka-27PL 16機、Ka-27PS 2機、Ka-27RLD 2機が配備された。12月、バクーは北洋艦隊に編入された。1990年10月1日、バクーは北方艦隊の第44対潜師団に編入され、10月4日、艦名がアドミラール・フロータ・ソヴェーツコヴォ・ソユーザ・ゴルシュコーフ(Адмирал флота Советского Союза Горшковアドミラール・フロータ・サヴィェーツカヴァ・サユーザ・ガルシュコーフ)に改名された。
本艦に搭載されるはずだった新型の超音速STOVL艦上戦闘機Yak-141は、シートライアルが精力的に行われていたが、艦上で事故を起こして大破してしまい、折からの財政難も有って、以後、開発計画は尻すぼみになっていき、ついには中止された。
1991年ごろからは行動も不活発になり、1992年から1995年までは岸壁に係留されたままになっていた。この間、機関室で火災が発生し、退役した同型艦キエフの部品を剥ぎ取って修理した。艦載機Yak-38もこの間に退役してしまい、本艦の搭載機はヘリコプターだけという有様になった。1995年にはどうにかカムバックし、同年5月、ムルマンスクで観艦式に参加したのが最後の花道になった。7月、本艦は予備役となった。
1996年からロシア政府はインドとこの艦の売却交渉を開始し、1998年12月に仮契約が結ばれた。そして、7月全通型空母への改装が決定した。2004年1月、「艦そのものは無償でインドに譲渡し、全通甲板空母への改造費用と搭載機MIG-29K改等の代金(合計で約15億ドル)だけ払って頂く」という内容の本契約が結ばれ、セヴマシュ・プレドプリヤーチエ(北方機械建造会社、旧第402海軍工廠、セーヴェロドヴィンスク市)において改造工事が始まった。工事中の2005年3月10日、早くもインドに引き渡され、ヴィクラマーディティヤ(INS Vikramaditya)と命名された。改装は2008年に完了予定である。