デナリ
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デナリ | |
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標高 | 6,194 m |
位置 | 北緯63度05分51.34秒 西経151度00分19.86秒 |
所在地 | アメリカ合衆国アラスカ州 |
山系 | アラスカ山脈 |
初登頂 | ハドソン・スタックら(1913年) |
デナリ (Denali) またはマッキンリー山(Mount McKinley)またはマッキンリーは、アラスカにある、北米の最高峰である。標高は6194 m。
目次 |
[編集] 名称
「デナリ」は、先住民デナッイア族の言語であるデナッイア語で「偉大なもの」という意味である。
1897年、この山は、当時のアメリカ合衆国大統領ウィリアム・マッキンリーにちなみマッキンリー山と命名された。
1980年、アラスカ州法に基づき、山を含む周囲にデナリ国立公園が設置され、同時に、アラスカ地名局は、マッキンリー山をデナリと改称した。ただし、連邦地名局は、引き続きマッキンリー山という呼称を使っている。
現在、2つの呼称が混在しているが、アラスカ人はデナリの名を好む傾向があり、また、連邦の呼称もデナリに変更しようとする運動も起こっている。その一方で、観光客などは、山はマッキンリー、国立公園はデナリと呼び分けることもある。
[編集] 特徴
デナリはエベレストよりも大きな山体と比高を持つ。エベレストの標高はデナリより2700mも高いが、チベット高原からの比高は3700m程度に過ぎない。デナリのふもとの平地の標高は600m程度であり、そこからの比高は5500mに達する。
デナリはまた極寒でも知られる。中腹4500m地点に据えられた温度計は最低気温マイナス73.3℃を記録した。登山者にとっては標高の高さだけでなく高緯度に位置するために高山病の危険性が極めて高い山でもある。赤道地帯では、デナリと同じ標高の山では山頂で海水面の約47%の酸素があるが、高緯度に位置するデナリでは酸素量はこれよりも少ない。
[編集] 地形
デナリには二つの主要な頂がある。南峰は最高点であり、北峰は5934mの高さである。北峰は南峰との鞍部から402m上るため、独立峰とされることもある。5本の巨大な氷河が山から発している。ピータース氷河は北西に、マルドロー氷河は北東に流れる。マルドロー氷河の東隣にはトラレイカ氷河がある。ルース氷河は南東に、カヒルトナ氷河は南西に流れる。
[編集] 登頂歴
初登頂は、1903年のフレデリック・クックによるものだとされていたが、後に否定された。真の初登頂は、1913年6月7日の宣教師のハドソン・スタック、ウォルター・ハーパー、ハリー・カーステンス、ロバート・テータムの4名である。1947年には、バーバラ・ウォシュバーンが女性として初めて頂上に到達した。
- 1913年6月7日(初登頂) - ハドソン・スタック(アメリカ)
- 1947年(女性初登頂)- バーバラ・ウォシュバーン
- 1970年8月30日 - 植村直己(五大陸最高峰、世界初登頂成功)
- 1976年(南西壁ルート初登頂)- ラインホルト・メスナー、ブーレ・エルツ
- 1984年2月12日 -(厳冬期単独初登頂)- 植村直己(下山時遭難、行方不明)
- 1989年2月23日 -山田昇、小松幸三、三枝照雄遭難死。
[編集] 関連項目
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