テイクアウト
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テイクアウト(Takeout,Take-out)とは、客が飲食物を店内から持ち出して自宅へ持ち帰るなど店外で食べる、飲食店のシステムである。
「take out」という英語には「外へ出す」「連れ出す」「(時間などを)割く」という複数の意味がある。日本で使われる「テイクアウト」の語は飲食物の店外持ち出しを指すことが多い。飲食物の店外持ち出しについて、「テイクアウト(takeout,take-out)」の語は英語圏でもアメリカ・カナダの北米で使用され、イギリスやオーストラリアでは「テイクアウェイ(takeaway,take-away)」という。
客が直接持ち出す場合をテイクアウトと言う。店舗の経営者や従業員などスタッフが飲食物を店外に持ち出して客の自宅等に運ぶことは、「デリバリー」または「出前」と呼ばれる。ちなみに、逆に店内飲食は「イートイン(eat-in)」と呼ばれる。既に出来上がっている調理の必要のない調理済みの飲食物を持ち帰るのがテイクアウトであり、調理の必要のある生鮮食品などを持ち帰るのは定義上、テイクアウトとは呼ばない。またイートインもデリバリーも行わないテイクアウト販売のみの店舗やチェーン(例:コンビニ弁当など)には冗語になるので使用しない。自動車に乗りながら注文可能な「ドライブスルー」はテイクアウトの一形態である。
なお英語圏ではテイクアウト、イートインという言葉は店舗で客に対してあまり使われず、従業員から「Stay or go?」と訊かれる。日本でも店舗において客に対しては、「お持ち帰りでしょうか?お召し上がりでしょうか?」のように、「持ち帰り」の語が「テイクアウト」の意で、「召し上がり」の語が「イートイン」の意で、一般に使用されることが多い。
多くのチェーンによるファミリーレストランやファーストフード店がテイクアウトを実施しており。利点として店舗のキャパシティー以上の顧客をさばける事や、顧客のスケジュールに柔軟に対応できるなどが考えられる。プラスチックや発泡スチロールの容器が普及していなかった時代はテイクアウトにも限界があったが、今日、日本では店舗に食事スペースを保有しないチェーン店も多くあり、ピザチェーンや一部の寿司チェーンのように「デリバリー、テイクアウトのみ」という形態が一般に多くなった。なお、衛生面を考慮して付属品にあたる生鮮食品はテイクアウトができない場合もある。