スリップノット
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スリップノット | |
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基本情報 | |
出身地 | アメリカ合衆国 アイオワ州 デモイン |
ジャンル | オルタナティブ・メタル ヘヴィメタル ラウドロック ニュー・メタル ラップコア |
活動期間 | 1995年 - |
レーベル | ロードランナー・レコード |
公式サイト | Slipknot (英語) |
メンバー | |
シド・ウィルソン (ターンテーブル) ジョーイ・ジョーディソン (ドラムス) ポール・グレイ (ベース) クリス・フェーン (パーカッション、ボーカル) ジェイムズ・ルート (ギター) クレイグ・ジョーンズ (サンプラー) ショーン・クラハン (パーカッション) ミック・トムソン (ギター) コリィ・テイラー (ボーカル) |
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スリップノット (Slipknot) はアメリカ合衆国アイオワ州デモイン出身の9人組バンド。バンド名直訳は、『引き結び(一方を引くとすぐ解ける結び方)』。『首を吊るための縄』という意味もあるらしい。ロックだけに留まらないあらゆるスタイルを融合させたヘヴィーミュージックを得意とする。
目次 |
[編集] 略歴
2000年にリリースされた1stアルバム『スリップノット - SLIPKNOT - 』は、この系統のジャンルの中では記録的ともいえるセールスを樹立、デビューと同時に本国アメリカのみならず、日本においても爆発的な人気を獲得。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、コーン、リンプ・ビズキット、マリリン・マンソンらに並ぶビッグネームにのし上がった。
日本では最大の敬意と特徴を表して、“猟奇趣味的激烈音楽集団”というキャッチコピーが付けられている。
2ndアルバム『アイオワ - IOWA - 』発表の辺りからメンバー間の軋轢が表面化し、一時期は解散の噂も立ち起こっていた。
しかし、3rdアルバム『VOL.3:(ザ・サブリミナル・ヴァーシズ) - VOL.3: (THE SUBLIMINAL VERSES) - 』発表の際には以前見られたような不協和は解消されている。現在は一時的に活動を停止、各々のサイドプロジェクトなどに勤しんでいたが、2008年8月11日に、活動再開後初となる新アルバムをイギリスで発売することが決定した。(そのほかの国での発売日は未定である。)
[編集] メンバー
9人のメンバーがそれぞれ個人のテーマに沿ったマスクを被り、主にジャンプスーツを着ている(現在は2ピース、コート風など、それぞれ若干異なるウェアを着用)。なお、各自のマスクはスクリーミング・マッド・ジョージ(日本人のアーティスト/デザイナー)が特注製作したもの。
ドラマー1人とさらにパーカッションが2人おり、またターンテーブル担当やプログラミング/サンプラー担当もいることから、細やかで多彩な演出・表現に長けている。
また、メンバーにはそれぞれナンバリングが施されている。
- シド・ウィルソン (Sid "DJ StarScream" Wilson、1977年1月20日 - ) (Turntable) #0
- ジョーイ、ショーンと共にバンド・コンセプトにおける中心人物。ガスマスク型、ドクロ型マスク。
- ショーン (#6) と同じくらいライブ中では暴れ、自身の演奏パートが無い時は舞台前に来ては観客に飛び込んだりしてる。予想に反し観客の盛り上がりが絶頂であった場合、遠くの方へ連れ去られなかなかステージに戻って来られない事がある。自ら飛び込んだにも関わらず、ステージに戻れない事に我慢できず、服を破った(既に殆ど破れていた)観客を殴ってしまう事もある(ライブDVDで確認可能)。初期はステージ上でショーン (#6) と戦う時もあった。
- アニメ『トランスフォーマー』の大ファンであり、劇中の組織「サイバトロン」と「デストロン」のマークの刺青を、両手の甲に片方づつ入れている。また、劇中のキャラ名を使って、DJスタースクリームという名でソロ活動も行っていてTHE MAD CAPSULE MARKETSのボーカルKYONOとのコラボレーションで『デスノート the Last name』のトリビュート・アルバム『The songs for DEATH NOTE the movie~the Last name TRIBUTE~』に参加している。
- 生まれてきた時は指が6本あった。
- ジョーイ・ジョーディソン (Joey Jordison、1975年4月26日 - ) (Drums) #1
- シド、ショーンと共にバンド・コンセプトにおける中心人物。白塗り/コープス・メイクをイメージしたマスク。なお、サイドワークであるマーダー・ドールズ (Murder Dolls) では、素顔のスタイルでギターを担当。
- 体格は小柄で線も細いほうだが、業界内でも強烈なドラミングを誇る。ライブではドラムセットが空中で90度傾いて時計(反時計)周りするドラムソロ演奏を行う。
- バンドのロゴの「S」のアートも担当した。
- バンドの中で唯一タトゥーが入っていない。(痛いのが怖いらしい。顔中にあけたピアスのほうが痛そうだが・・)
- 過去にジョーイとポール (#2) は共にアナル・ブラスト (Anal Blast) というゴアグラインドバンドに在籍していた。
- メタリカのドラマーであるラーズ・ウルリッヒとは親交があり、かつてラーズがツアー中に急病で倒れた時にジョーイが代理でドラムを叩いたことがある。
- またマリリン・マンソンと非常に仲がよくマリリン・マンソンのPVに友情出演したこともある。現在はkornのドラムとしてライヴサポートなどを行ったりしている。
- ポール・グレイ (Paul Gray、1972年4月8日 - ) (Bass) #2
- マスクは、ブタ型。
- メンバーの中で、唯一カリフォルニア州(ロサンゼルス)出身(他メンバーはアイオワ州出身)。サイドワークであるF.O.Dでも活躍している。インディーズ時代はコリィがスリップノットに加入するまではポールがヴォーカルで、現在もライヴで時々、「Spit It Out」等の一部を歌ったりしている。左利きでレフティベースを使用、現在愛用しているアイバニーズのベースはシグネイチャーモデルとして一般にも販売されている(ただしレフティではない)。
- 2003年6月1日に車との衝突事故をきっかけとして、大麻やコカイン、その使用器具の所持と交通違反の容疑で、アイオワ州デモインで逮捕された事もある。
- クリス・フェーン (Chris Fehn、1972年2月24日 - ) (Percussion, Background Vocal) #3
- ショーンが用意したという(浅草で購入したという説も)妙に長い鼻と装飾のある死人風のマスク。
- ライブ中ではパーカッション以外に、コーラスとしても活躍する。
- 少年時代はトランペットを演奏していた。メンバーでは一番のスポーツマンで、オフにはゴルフを楽しんでいる。
- ジェイムズ・ルート (James "Jim" Root、1971年10月2日 - ) (Guitar) #4
- マスクは、1stアルバムの時点では前メンバーが被っていた黒のゴム(もしくは革)のフェティッシュマスクだったが、通気性が最悪であったためか、2ndアルバム以降はジョーカー風/デビル風ペイントのマスクになっている。
- 身長は2m超。愛称はジム。ボーカルのコリィと共にもう1つのバンドであるストーン・サワーでも活動中。人生の目標は「悟りを開くこと」。
- メンバーのショーン(#6)がエグゼクティブ・プロデューサーとして参加したバンド、downthesunのメンバー、Danny Spain(Drums)と共に、Atomic Operaというバンドに在籍していた。
- Lacuna Coilの紅一点、Cristina嬢と交際している
- クレイグ・ジョーンズ (Craig "133" Jones、1972年2月11日 - ) (Sampler) #5
- ダイバーヘルメットに長く鋭い釘のようなものが突き出たマスクを被っている。マスクの名は「ボブ」。
- 別名133MHz。メディアなどのインタビューを一切受けないのもあって、メンバーで唯一素顔が公開されていない(映されたとしても不鮮明なままである)。
- 最初はギタリストだった。
- 公式ホームページの管理なども行っている。
- ショーン・クラハン (Shawn "Clown" Crahan、1969年9月24日 - ) (Percussion) #6
- ジョーイ、シドと共にバンド・コンセプトにおける中心人物で、リーダー。マスクはピエロ風。
- ライブでは一番暴れ、また、オジー・オズボーン主催のオズフェストでは毎回のようにカートを乗り回しては警備員に捕まる。
- 元溶接工であり、ビッグドラムなど一部のパーカッションはショーンが溶接した(近年使用しているものは不明だが)。
- 40ビロウサマー、マッドヴェイン、downthesunなどのエグゼクティブプロデューサーとしても活動した:トゥマイサプライズというこのバンドのサイドバンドの中で一番ポップなバンドでも活動している。
- 2ndアルバム『アイオワ - IOWA - 』のジャケットには彼が撮影したヤギが印刷されている。
- 言動に似合わず家庭思いで、3人の娘がいる。
- ミック・トムソン (Mick Thomson、1973年11月3日 - ) (Guitar) #7
- マスクは面長なメタリック/スティール風のディーモンをイメージしたもの。
- ギターとタトゥーには「HATE」と、また腕のタトゥーに日本語で「嫌悪」と刻まれている。後者は家族には日本語で「綺麗な虹」という意味だと説明している。
- 猟奇的殺人事件に関する話題と猫が好きで、Luparaというデスメタルバンドのミュージックビデオで通り魔に扮した事もある。
- バンドの活動が多忙になる前まではギターの講師を勤めていた。
- コリィ・テイラー (Corey Taylor、1973年12月8日 - ) (Vocal) #8
- マスクは腐死体/ゾンビ人形風タイプ。ただしストーン・サワーにおいては素顔で活動。
- スリップノット、ストーン・サワー共において、ボーカル担当。
- バラード系の曲もこなせるほど歌唱力は高い。2ndから3rdにかけて声質が若干変わったが、本人いわく「酒とタバコをやめたら声が良くなった」そう。
- 来日ライブ時は「ナカユビタテロー」など、よく煽りのための妙な日本語を使う。異国の地でのショウの際はその国の言葉で話したりする。幕張メッセ公演では「サーケーベー! タカマツゥゥゥ!」を連発し、「千葉なのに」というコメントがネット上で多く見られた。
- ライブではKornと一緒に曲を歌ったりしている。
- シングル『Vermilion』はコリィ・テイラーが元妻スカーレットへの愛の歌であるのと、歌のタイトルが彼女の名から生まれたことを雑誌インタビューで語っている。
[編集] ファン
SlipknoTのファンは「Maggots(蛆虫の意)」と呼ばれる。ライブではバンドの象徴ともいえる"個性的な"マスクを付けてライブに来る者や、メンバーに自作のマスクを送る熱狂的なファンも多い。 ちなみに「Maggots」の名づけ親はJoeyらしい。
[編集] ジャンル分け
SlipknoTのジャンル区分については様々な見解があり、スタイル的にニューメタル、ミクスチャー・ロック、モダン・ラウド&ヘヴィ、サタニックデスメタルなどが偏りなく混在しているためである。
もともとジャンル区分の解釈は国や地域などによって千差万別であるが、とりわけ近年における動向では多くのバンドが一つのジャンルに収束しない傾向にある。SlipknoTもその風潮に従っている(と見なされる)きらいがあり、店頭などではミクスチャーに区分されていることが多い。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] アルバム
- スリップノット - SLIPKNOT (2000)
- アイオワ - IOWA (2001)
- VOL.3:(ザ・サブリミナル・ヴァーシズ) - VOL.3: (THE SUBLIMINAL VERSES) (2004)
- 9.0: LIVE(ライブアルバム) (2005)
[編集] DVD
- ディザスターピーシズ - DISASTERPIECES (2002)
- ウェルカム・トゥ・アワ・ネイバーフッド - WELCOME TO OUR NEIGHBORHOOD (2003)
- ヴォリーミナル:インサイド・ザ・ナイン - VOLIMINAL: INSIDE THE NINE (2006)
[編集] シングル
- Wait And Bleed (2000)
- Spit It Out (2000)
- Left Behind (2001)
- My Plague (2002)
- Duality (2004)
- Vermilion (2004)
なお、インディーズ時代にMATE.FEED.KILL.REPEAT.というアルバムを発売しているが、現在は入手困難。しかしブートで入手は可能である。一部の曲はアレンジされ、既存アルバムに収録してある。