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シカ - Wikipedia

シカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

シカ科(Cervidae)

分類
界: 動物界
門: 脊椎動物門
綱: 哺乳綱
目: 鯨偶蹄目
亜目: ウシ亜目
科: シカ科
  • ホエジカ亜科(Muntiacinae)
    • キョン
    • インドキョン
    • マエガミホエジカ など
  • シカ亜科(Cervinae)
  • シラオジカ亜科(Odocoileinae)
  • キバノロ亜科(Hydropoteinae)

シカ(鹿)とは哺乳類 鯨偶蹄目(クジラ偶蹄目) シカ科に属する動物の総称である。ニホンジカトナカイヘラジカなどが属しており、約16属36種が世界中の森林に生息している。

シカ科に属する動物は草食性でのように4つに分かれたをもち、反芻による消化を行う。オスは枝分かれしたツノをもつ。多くのシカ科のメスはツノをもたないがトナカイはオスメス共にツノをもつ。ウシ科の動物のツノ(洞角)は骨の芯があり生え替わらずに一生伸び続けるが、シカのツノ(枝角)は皮膚がもりあがってつくられるもので毎年生え替わる。角は触ると硬いが、水につけていると自然と軟らかくなる。縄文人たちはこうする事で角を釣り針や矢じりなどの自由な形に加工していたと考えられている。体の大きさは体重6~8kg程度のプードウー(チリアルゼンチンなどに生息)から、体重800kgにも及ぶヘラジカ(ムース)まで様々である。

世界各地の山野に数多く生息していたシカ科の動物はほとんどの民族の文化に対して古くから重要な影響を与えていたと思われる。後世の文化においては、シカは「俊敏」「非力」などの象徴として、また時には峻険な山岳地の象徴として用いられることがある(カモシカも参照)。ちなみにカモシカはシカ科ではなく、ウシ科に属する。

またシカは稲のまだ柔らかい芽を好んで食べるため、農家の人達は田んぼの周りを柵で囲むなどの対策をする。

目次

[編集] ニホンジカ

単にシカと言うときは、通常ニホンジカCervus nippon)を指すことが多い。1980年ごろに房総半島で野生化した外来種キョンを除けばニホンジカは日本に分布する唯一のシカ科動物であり、大きな哺乳類の少ない日本ではニホンカモシカと並ぶ代表的な大型動物である。詳細は「ニホンジカ」の項を参照。

[編集] 生活への関わり

牛・豚・馬などの皮革に比べて鹿皮は薄く柔らかいため、なめして細かい加工を要する手袋などに適し、ときに柔らかい靴やソファーなどの材料となる。また、枝角はナイフの柄やボタンなどに用いられている。鹿の角(鹿茸)は乾燥粉末や黒焼末は様々な効能をもつとして民間療法で用いられる。日本では鹿肉のことを「もみじ」と呼び、様々な肉料理に調理され味は一般に柔らかい牛肉に近い。ちなみに馬肉は「さくら」、イノシシ肉は「ぼたん」と呼ぶが鹿肉は秋の季語からもみじを連想し馬肉とイノシシ肉は色から連想された呼称である(花札でも「鹿にもみじ」の絵札がある)。

[編集] シカにまつわる伝説・逸話

  • ギリシャ神話では、月の女神アルテミスの水浴を見たアクタイオーンが鹿に姿を変えられている。
  • 道教の伝承に登場する仙人がしばしば乗騎とするのが白鹿である。太上老君は青牛を乗騎とするが、白鹿を乗騎としたという伝承もある。
  • クリスマスにはトナカイサンタクロースソリを引くとされる。
  • 鵯越:12世紀末源平の合戦の折りに一ノ谷に陣を構えた平家の軍を攻めるため源氏は、海岸沿いから正面を攻める軍勢と背後の山地から奇襲を行う軍勢の二手に分かれた。源義経率いる奇襲部隊が目指した平氏の背後の山は「鵯越(ひよどりごえ)」と呼ばれる崖のごとき急坂で、とても軍の主軸である騎馬を下ろせるルートではないと思われた。しかし現地の者からこの鵯越をシカが通っていることを聞いた義経は「鹿も四つ足、馬も四つ足、鹿が越す坂ならば、馬も越せぬ道理はない」とこの急坂を駆け下りるよう軍勢に指示した。これが「鵯越の逆落とし」である。このルートからの奇襲など全く念頭になかった平家は3,000騎とも言われる源氏の奇襲にあわてふためき、一気に総崩れとなった(注:現在の六甲山には鹿は生息していない。また過去に生息していたかどうかは不明)。
  • 体重が1t前後になるヘラジカは道路に出て交通事故に遭うことがある。競馬用の競走馬の体重が500kg程度であることから、その体重ゆえに衝突衝撃で乗車している人間は元より車両にも多大な影響を与える。視界の悪い屈曲部などで衝突した車両にあっては、ときに運行できなくなるほど大破する。北欧では事故に遭ったヘラジカ(エルグ、エルク)により雪上に数mにわたって血染めの路面になり観光客を驚かすことがあり、日本国内における野生動物保護における小動物の警告や注意喚起とは若干主旨が異なる。群れのいる地域や生息が確認されている地域では「野生動物に注意」とともに「エルグに注意」の交通標識がありヘラジカの絵が描かれ衝突事故への注意を喚起している。
    (註:ヘラジカはアメリカではムース(moose)、ヨーロッパの英語圏・ドイツ語圏ではエルク(elk)、北欧諸国ではエルグ(elg)と呼ぶ[1]。アメリカでは、アメリカアカシカであるワピチ(wapiti)をエルクと呼ぶ)
  • シカと鉄道車両との衝突は、長年懸案となっていたが、ライオンの糞尿を線路にふりまくという方法が開発されてから、事故は激減した。ライオンの匂いがすると、シカは怯えて、線路に立ち寄らなくなるからだ。

日本の文化におけるシカについては「ニホンジカ」の項を参照。

[編集] シカの主な名所

2006年撮影
2006年撮影

[編集] シカを題材とした意匠

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ
ウィキクォート
ウィキクォートシカに関する引用句集があります。


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