シェヘラザード (ラヴェル)
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モーリス・ラヴェルの『シェヘラザード』(『シェエラザード』とも、仏語:Shéhérazade)には、1898年の演奏会用序曲と、1904年の管弦楽伴奏歌曲集の2つの作品がある。
[編集] 序曲『シェヘラザード』
ラヴェルは1890年代に、『千一夜物語』に基づくメルヘン・オペラの作曲の構想を練っていたが、なかなか進展を見ぬままに1898年に「おとぎ話への序曲『シェヘラザード』(Shéhérazade : Ouverture de Féérie)」を書き上げる。翌1899年5月の国民音楽協会の演奏会で初演されるが、酷評されてしまう。しかもラヴェル自身も、リムスキー=コルサコフに影響されたオリエンタリズムやドビュッシーの全音音階が「ぎっしり詰め込まれている」のに嫌気がさして、「金輪際これらと縁を切る」ことにした。当然オペラは完成されなかった。それからラヴェル生誕100周年の1975年に再発見され、出版されるまで、長年忘れられた存在となっていた。
まだパリ音楽院に在学中でガブリエル・フォーレに師事していた時期の作品であり、ロシア五人組の影響は明らかである。確かにその意味では学生時代の習作に過ぎないが、ソナタ形式による堅実な構成への好みや、色彩的で華麗な管弦楽法の手腕はすでに発揮されている。
シャルル・デュトワやヤン・パスカル・トルトゥリエらがデジタル方式で録音している。ピエール・ブーレーズはニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団在任中に、ステレオ方式の「ラヴェル管弦楽曲全集」に収録したが、ドイツ・グラモフォンへの一連の再録音では取り上げていない。
[編集] 歌曲集『シェヘラザード』
管弦楽伴奏歌曲集『シェヘラザード』は、ラヴェルの代表的な声楽曲の一つ。トリスタン・クリングゾールの詩に曲付けされたソプラノ用の声楽曲で、長さのまちまちな3曲から構成されている。最も長い第1曲が、細部にわたって申し分のない筆致で進められている。ラヴェルの常として、熟練した管弦楽法が発揮されている。
1904年5月に、再び国民音楽協会の演奏会において、アルフレッド・コルトーの指揮とジャーヌ・バトリの独唱によって初演が行われた。バトリは後に、ラヴェルの連作歌曲集『博物誌』の初演も行なっている。