ゲンゴロウブナ
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?ゲンゴロウブナ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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種の保全状態評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧IB類 (環境省レッドリスト) |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Carassius cuvieri | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ゲンゴロウブナ |
ゲンゴロウブナ(源五郎鮒、学名 Carassius cuvieri)は、コイ目コイ科コイ亜科フナ属の淡水魚である。別名はヘラブナ(箆鮒)、カワチブナ(河内鮒)、オウミブナ(近江鮒)など。釣り師の間では「ヘラブナ(へらぶな)」としておなじみの魚である(後述)。
目次 |
[編集] 概要
現在でこそ放流によって全国の河川や池沼、湖に定着しているが、本来は琵琶湖の固有種である。ギンブナなど、他のフナ類と比較して体高が高く、真横から見ると菱形の体型をしている。また眼も若干下方についている。成長は早く、生後3年で体長が30cmほどになり、大きなものでは60cm以上に達する個体も見られる。寿命は長く、中には数十年生きるものも存在する。繁殖期は4月から6月で、この時期になると浅場の水草や岸辺の草の根などに卵を産み付ける。絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)(2007年)。
[編集] ヘラブナ
ヘラブナ(篦鮒)はゲンゴロウブナを品種改良した飼育種。ゲンゴロウブナは雑食性だが、ヘラブナは基本的に植物性プランクトンしか食べない。大阪(河内)で盛んに養殖され(「カワチブナ」呼称の由来)、主に淀川水系へ放流された。現在も養殖されて、各地の「へらぶな会」などにより全国に放流されている。
[編集] 釣り
昔から『釣りはフナにはじまりフナに終わる』と言い習わされてきたが、始まりのフナはマブナで、終わりのフナはヘラブナであるなどとも言われる[要出典]。釣りの難易度と釣趣で「鮎とへらは最高峰」とも言われるが、釣り堀や管理釣り場であれば初心者でも比較的容易に楽しむことができる。反対に、野池やダム湖などに放流されて半野生化したものや、自然に繁殖し成長した「地べら」は警戒心が強く、魚影も薄いため釣り上げるのが困難であることが多いが、自然の中に遊ぶという釣り本来の趣向を持ち合わせており愛好者も多い。
冬場に新たに放流されるへらぶなは、「新べら」と言われ、餌慣れしており釣れ易く、また釣られたことがないため「引き」も強い。一瞬の微妙な「あたり」に素早く対応するためと、道糸が風の影響を受けることによって糸が引きづられて仕掛けが引きずられないようにする目的で、竿の先端(穂先)を水中に入れ、道糸を沈めたるませないようにする。
特に前述の産卵期には、浅場などで激しく魚体を叩きつけるような動作をし、大きな水音を立てる。釣り師の間ではこれを「乗っ込み」、「ハタキ」と呼び、春の風物の一つとみなし話題に上ることが多い。またその前後に荒食いをみせることから、年間を通してもっとも大型を釣り上げることの出来る可能性の高い時期でもある。
- 餌
- ヘラブナは水中のプランクトンを食べるため、マッシュポテトや麩、グルテン、専用に作られた配合餌などの練り餌を使う。かつて関西ではうどんがよく用いられた。現在では、ゼラチン質のインスタント餌に取って代わられたが、依然、魚の活性が低い食い渋りのときや、冬場の釣りには根強い人気がある。季節や釣り場に応じて使い分け練り方にも工夫を加えることや、餌付けの手返しの早さによって釣果が左右される。
- 浮き
- 餌を口に入れたり出したりして水に溶けだした餌を吸い込んで食べるため、微妙な「あたり」を見逃さずに釣らなければならない。そのために、細長く非常に敏感なヘラブナ釣り専用の浮き(ヘラウキ)が用いられる。胴の部分にはあらゆる浮力の大きい材料が使われるが、先端には、数センチ単位で色分けされた2㎜程度の非常に細いトップと呼ばれるプラスティック、セルロイド系の材質が使われる。このトップが水面上にどのくらい出ているかで、餌の残り具合が分かり、また微妙なアタリを視覚的に察知できるようになっている。そのためヘラブナ釣りの浮きは細長い独自の形態を有している。
- 胴の部分には孔雀の羽や、草本類などを材料に自作する釣り人もいる。孔雀羽根は、輸入制限、輸入規制などにより、年々品質が悪くなり、細いものが多くなってきている関係上、以前は、廉価版扱いだったカヤ浮きもその立場を向上してきた。製作に使用される草本類は、昨今宅地化が進み、浮き作りに使用できるような良質な素材が手に入りにくいため、現在、そのほとんどを輸入材に頼っている。
- また、赤、橙、緑、などの蛍光色塗料で細かな目盛りを刻んだトップも改良が進んだ。以前は、セルロイド、繊維強化プラスチック (FRP) がほとんどであったものが、現在では、毒性を持つセルロイドや、浮きの立ちや感度が鈍くなる重いFRPは敬遠され、より強度が高く軽量なポリカーボネイトのトップが主流になっている。
- 釣り竿
- より深く魚との駆け引きを楽しむため、軟調のヘラブナ釣り専用の「へら竿」が使われる。穂先の部分を「朱塗り」と呼ぶ地方もある(竿の先端が赤かったことに由来)。他の釣り竿同様、各メーカーから市販されており、最近ではカーボン竿が主流になっているが、へら竿専門職人製の高級品(主に竹製)も存在し、竿のしなりなどに人工素材では味わえない独自の感触があるため、一部の愛好家には未だに人気がある。一般に万力などで支持固定された「竿掛け」に置き、常に竿を握って「あたり」に備える。
- 釣り台
- 特に野池やダム湖などでは、必ずといってよいほど専用の釣り台(ヘラ台(主にアルミ製))が使用される。釣り台に万力で固定された「竿掛け」が接続され、その上にヘラ竿を置いて釣る。野池やダム湖で釣り台を使用している釣り人を見かけたら、へら師と思って間違いない。
- 釣り針
- リリース(釣り上げたヘラブナは持ち帰らず放流する)が前提の釣りなので、魚をなるべく傷つけないよう「返し」のない釣り針(スレ針)が使われる。「ヘラスレ」「ヤラズ」等の呼称がある。また、「返し」を使わないことにより、手返しの早さが高まる効果もある。2本をハリスでサルカンやヨリ戻しなどから二又に段差をつけて用いるのが一般的。この場合、上針には集魚効果を期待してバラケ餌(練り餌)を用い、下針をクワセ針として使用することが多い。
- 釣期
- 一年を通して釣りは可能だが、季節によって別の魚とも思える行動をとるため、「へら師」(ヘラブナ釣り人の総称)は、釣り上げる以前に魚の行動研究を大事にする。春先から5月頃にかけて産卵のため浅場に集まることを「乗っ込み」、その時期を「乗っ込み期」と呼び、大型狙いや数釣りの好機とされる。一般に、水温が暖まる夏季は釣れるタナ(ヘラブナの泳層)が高くなり、水温が低い時期はタナも低くなる。水温の低下する冬季のヘラブナは「寒ベラ」と呼ばれ、摂餌行動が鈍化し釣れ難くなるが、繊細な釣りを楽しめる好機でもあり、愛好家も多い。
- タナ
- 上記のように、季節によって遊泳層(タナ)は大きく異なるとともに、その日の水温、時間帯やその他種々の要因によってもタナは異なるため、ヘラブナを釣る上ではその時々のタナをいち早く見つけ出すことが釣果を分ける大きな要因ともなる。『ヘラブナはタナを釣れ』との諺も存在するほどである。
[編集] 問題
近年、ヘラブナ釣りは、その隆盛にともない数々の問題(主に環境に対する影響)も指摘されるようになっている。ただしそれらの問題は、ヘラブナ釣りのみならず釣り一般に通じて言えることとする見解がある[要出典]。また、法規制やバッシングを受けたバス釣り愛好者の一部が「バスだけが悪者なのか」と、いわば矛先逸らしにヘラブナを引き合いに出しているといった、穿った見方がされることもある[要出典]。
- 練り餌による水質汚濁
- 「ヘラは寄せて釣れ」の言葉からもうかがえるように、ヘラブナ釣りは多量の練り餌を消費する。そのため、うち込まれた餌すなわち有機物の量がしばしば自然の分解能力を超過し、富栄養化の原因となる。釣りを終えて帰る際に余った餌を水中へ投棄するなどの行為も見られ、特に溜池など面積の狭い止水域では深刻と考えられる[要出典]。
- 無秩序な放流
- 釣りなどを目的として各地で放流が繰り返された結果、生態系への影響を懸念する声がある。具体的には、在来種(キンブナやギンブナなど)との交雑(釣り師のの間では一般に合いベラと呼ばれ敬遠される)による遺伝子汚染や、放流される無数のヘラブナにブラックバスやブルーギル、モツゴなどの種苗が混入し、それらが放流先で繁殖して在来魚を駆逐する可能性[要出典]もあるが、実情はルアー愛好家によるそれら種苗の放流のほうが問題になっている。
- 釣り台の常設
- 野のヘラブナ釣りにおいては「釣り台(ヘラ台)」と呼ばれる、金属や木でできた台座を利用することが多い。釣り場で組み立て、釣り終えれば撤去するものであるが、これを恣に「常設」し、設置者がその一帯を自分の縄張りであるかのように振舞うことがある。多くの場合、釣り堀や湖の近くに鍵や鎖をつけて放置してある[要出典]。
[編集] 食材
琵琶湖が原産で、最近では琵琶湖の固有種であるニゴロブナが、総合開発や外来種であるブラックバスやブルーギルの台頭などによる生態系の変化など環境の悪化により個体数が減少したため、ニゴロブナの代わりに鮒寿司の材料に使われる。しかしながら、ヘラブナ釣りは、日本にキャッチ・アンド・リリースの概念が入ってくる以前から、食べることを目的としない釣りであり、もっぱら食味も悪いと言われているためか、淡水漁業が盛んな地域の周辺住民以外、釣り上げたヘラブナを食べることはほとんどない。